
杭州アジア大会、地域産業クラスターの発展を後押し
浙江省杭州市桐廬(とうろ)県分水鎮にある筆記具メーカーのスマート工場。(資料写真、杭州=新華社配信)
【新華社杭州9月19日】中国浙江省杭州市桐廬(とうろ)県分水鎮にある工業団地「東渓工業功能区」は、進出企業の8割以上を筆記具メーカーが占める。同区では、筆記具メーカーを中心に金属や電子など関連企業からなる産業クラスターが形成されている。同市で23日に開幕する第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)にライセンス商品の文房具を提供するサプライヤー、杭州欧賽億如科技もここに本拠地を置く。
同社が生産した大会ライセンス商品の筆記具24種類の売上高は5千万元(1元=約20円)余りに上る。趙福勝(ちょう・ふくしょう)総経理は「わが社が長年にわたり培ってきた設計能力や品質管理水準に裏打ちされた製品であり、その実力は杭州アジア大会という舞台で存分に発揮されている」と語った。
浙江省は2003年、同省の特色ある産業クラスターの優位性をさらに生かして、先進的な製造業基地の建設を加速し、新型工業化の道を進む方針を示した。
同省寧波市寧海県深甽(しんけん)鎮の旅行用品メーカー、興達旅遊用品の劉文(りゅう・ぶん)行政経理は「杭州アジア大会が近づき社内は多忙を極めているが、大会でより高くより強い精神を追求することは、拍手喝采が沸き起こる競技会場だけでなく、その外にある数々の業界にも影響を与えている」と語った。

杭州アジア大会、地域産業クラスターの発展を後押し
興達旅遊用品のショールームに展示された製品の一部。(9月1日撮影、杭州=新華社記者/顧小立)
省内各地にある「産業クラスター」ブランドはこのところ、大会開催を追い風に発展の視野を広げ、各産業の市場における影響力や競争力を効果的に高めている。
大会組織委員会の担当者によると、杭州アジア大会・パラ大会の施設建設には数百社に上る省内企業が参加している。鉄骨構造やコンクリート、音響設備、競技用器材などの中核製品のほか、セキュリティー製品やコンピューターネットワークなどのスマート製品をカバーしており、技術水準も多くが国内先進企業に引けを取らない。
関連部門も同市が持つモノのインターネット(IoT)やインターネット産業集積の強みを存分に生かしている。企業や研究機関と共同で、競技会場の出入管理やセキュリティー、防火、車両管理、照明・音響管理などの情報機能を一体化したスマート施設・設備管理プラットフォームを開発し、省内の一部地域におけるセキュリティー産業全体のレベルアップに貢献した。
劉氏は「開幕まで大詰めの段階に入った。この貴重な国際舞台を借りて、『中国製造』の素晴らしさと『中国品質』の力を世界にアピールしたい」と語った。