『おかえりモネ』亮を追い続けた未知 時間とともに変化していった恋の形

『おかえりモネ』亮を追い続けた未知 時間とともに変化していった恋の形

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  • 更新日:2021/10/14
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『おかえりモネ』写真提供=NHK

クリスマスイブの夜に、とびきりのお洒落をして会い、2人きりでお酒を飲む……それでも、未知(蒔田彩珠)と亮(永瀬廉)は“恋人”ではない。しかし、『おかえりモネ』(NHK総合)第22週「嵐の気仙沼」では、ずっと曖昧になっていた2人の関係にピリオドがつきそうだ。未知の恋が実るのか、終わってしまうかは分からない。ただ、ひとつ言えるのは、亮の選択で未知の人生が大きく変わるということ。

(関連:【写真】未知(蒔田彩珠)の悩みを聞く百音(清原果耶)

“自分軸”で生きる姉・百音(清原果耶)に比べて、他者を軸に置いている未知。百音は、恋人の菅波(坂口健太郎)と遠距離になっても、自己実現のために地元に帰ってきたが、未知は「亮くんのことがハッキリしないと、何も決められない」と言う。おそらく彼女のなかで、亮への淡い恋心は“執着”へと変化しているのではないだろうか。

未知の同世代のメンバーのなかで、最初から地元に残る選択をしたのは、亮だけだった。都会に出たことがない2人だからこそ、分かり合えることも多かったのだろう。けれど、どうしても視野が狭くなってしまうのは否めない。未知は亮との恋を実らせることで、“地元に残った自分”を肯定できると思っているように見える。

思えば、未知はずっと、姉である百音にコンプレックスを抱いてきた。家業を継ぐ重圧もなく、自由に都会に出て、華やかな世界で活躍していた姉。対して自分は、東京の大学からのスカウトが来ても、上京に躊躇してしまう。未知が何かを選ぶためには、捨てなければならないものが多すぎるからだ。東京に行くことになったら、祖父の仕事を継ぐ人がいなくなってしまう(家族は、自由にして欲しいと思っているのだろうが)。近くにいるからこそ繋がれていた亮との細い糸も、簡単に途切れてしまうかもしれない。

まだ始まってもいない恋と、夢を天秤にかけるなんて……という意見も多く見られるが、未知はまだ22歳。彼から離れたくない思いも、痛いほど分かる。ただ、もし亮と結ばれたとして、彼女の想いは報われるのだろうか。2人は、幸せになれるのだろうか?

正直、亮には全てのことを忘れさせてくれるような女の子が合うと思う。未知は、痛みに寄り添うことはできるかもしれないが、その痛みをどこかに飛ばしてあげることはできない。それに未知だって、知らない世界をたくさん見た方がいい。東京に行くかはさておき、地元に縛られて疎かにしていた“自分”と向き合うべきだ。未知がきちんと自立した上で、それでもまだ想いがあるのなら、2人の恋は上手く行くような気がする。

ただ、何年も想い続けていると「もったいない」という気持ちが芽生えてしまうかもしれない。とくに未知は、学校を決める時も、就職を決める時も、亮のことが浮かんでいたはずだ。水産高校に入ったのは家業を継ぐから……という想いもあったのかもしれないが、あんなに研究を頑張れたのは「亮と分かり合いたい」という気持ちが大きかったのではないだろうか。

だからこそ、亮を失うことが怖いだろう。彼の気持ちを確かめて、もしも振られてしまったら。自分が選択してきた、すべてを否定してしまうような気持ちになるかもしれないという恐怖。けれど、どんなに怖くてもきちんと確かめなければ何も始まらない。第106話、ついに未知は亮に電話をかけ「漁から帰ってきたら話しがしたい」と一歩を踏み出した。

しかし、震災で母・美波(坂井真紀)が亡くなり、父・新次(浅野忠信)が自暴自棄になった姿を見ている亮は、“大切な存在を作ること”への怖さを感じている。クリスマスイブの夜に2人きりで会い、初詣にも未知を誘った亮。未知に対する気持ちは0ではないように思うが、どの選択をするのだろう。自分を閉じ込めている分厚い殻を、破ることはできるのだろうか。(菜本かな)

菜本かな

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