高くなる冬の暖房費を節約するには?室温を“あたたかく保つコツ”をダイキンに聞いた

高くなる冬の暖房費を節約するには?室温を“あたたかく保つコツ”をダイキンに聞いた

  • bizSPA!フレッシュ
  • 更新日:2023/01/26

日本各地で災害級の大雪が降るなど、2023年も厳しい寒さとなりそうだ。冬になると暖房費を節約するため、「なるべく窓を閉め、部屋のなかに冷たい風を入れずに過ごす」という人もいる。これは本当に効果的な方法なのだろうか。

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※画像はイメージです

そこで、エアコンを使った効果的な節電方法などについて、空調専業メーカー・ダイキン工業株式会社に取材。同社コーポレートコミュニケーション室 広報グループで広報を担当する重政周之氏に話を聞いた。

節電のために知りたい「寒さ」の原理

「暖房費の節約もとても大切なことなのですが、政府は新型コロナ対策のため1時間に2回以上は数分間程度の換気をおこなうことを推奨しています。一方で、世界保健機関WHOは冬季室温を18℃以上に保つことを強く勧告しています。そのため、意識的な換気に取り組みつつも部屋の温度はできるだけ快適に保ち、そのうえで暖房費を節約するのがおすすめです」

また、「室温をあたたかく保つ工夫が、結果的には暖房費の節約にもつながります。そこで知っておいてほしいのが、室温は空気中に含まれる熱の量によって変わるということです。空気中の熱が多いとあたたかく、少ないと寒くなります」と、重政氏。

簡単すぐできる!あたたかい部屋づくり

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ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室 広報グループ 重政周之氏

「熱が出ていく割合は、家全体のうち約6割が窓と言われています。直接外気に触れている窓ガラスは、とくに熱が逃げやすいため、あたたかい部屋をつくるためには、まず “熱が外に逃げないようにする”ことが大切になってきます」(重政氏、以下同じ)

外気に直接触れている窓ガラスからは熱が逃げやすいため、窓をピッタリと閉めていても、部屋は寒くなってしまう。一般的にはシングルガラスよりも窓が二重になったペアガラスのほうがあたたかいと言われているが、高額なリフォームが必要になってしまう。

「簡単にすぐ取り組めるのは、窓がきちんと隠れる長さのカーテンを選ぶことです。掃き出し窓のように窓枠が床面まである場合には、床まで届くカーテンを選び、夜にはなるべく隙間ができないように閉めると保温効果が高まります」

エアコンの使い方にも簡単にできる工夫が

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ダイキン工業株式会社の加湿空気清浄機「加湿ストリーマ空気清浄機_MCK55Y-C」【設置イメージ】

「それから、エアコンの使い方にも簡単に取り組める工夫があります。あたたかい空気は天井のほうに、冷たい空気は床のほうに溜まりやすい性質があります。そのため暖房中の室内は温度ムラができやすく、床に近いところで暮らす私たちは足元が肌寒く感じることがあります。そんなときは、エアコンの設定温度を上げる前に風向きを下にしてみてください。温度ムラの緩和につながり、足元も比較的あたたかく感じられると思います」

温度ムラがしっかりと抑えられない場合は、エアコンの室内機が付いている壁の向かい側に空気清浄機やサーキュレーターなど風を吹き上げられるような機械を置くといいという。

「そして、エアコンの風向は下に向けつつ、空気清浄機やサーキュレーターなども同時に運転すると効果的です。部屋の空気が攪拌され、天井に上がっているあたたかい空気をおろして床のほうも効率的にあたためてくれます。そうすることで、必要以上に設定温度を上げなくても過ごしやすくなるのです」

また、エアコン室内機の向かいに置くのは空気の攪拌と加湿ができ、なおかつHEPAフィルターを搭載した「加湿空気清浄機が理想です」と重政氏は言うが、あたたかい部屋づくりにどのような影響を与えるのだろうか。

冬の湿度は超重要

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加湿・除湿・換気ができる「うるさらX」【設置イメージ】

湿度について重政氏は「体感温度を左右する大きな要素です。湿度が20%変わると、体感温度は4℃変わると言われ、湿度が下がるとその分寒く感じます。加湿器などで湿度を40~60%を目安に上げてあげると、体感温度も上がるので、エアコンの設定温度の上げ過ぎを防げます」と言う。

「空気中に含むことができる水分の量は、温度によって変わります。温度が高いと、空気中には多くの水分を含むことができ、温度が低いと含むことができる水分の量が減少。空気中に含まれた水分量は同じでも、温度が高いほど湿度計で見る湿度(相対湿度)は下がります」

乾燥した冬の空気をあたためると、相対湿度はさらに下がり、より水分が蒸発しやすい状態になる。

「すると、人間の体からも水分が蒸発しやすくなり、蒸発のときに気化熱が奪われるため寒く感じます。また、肌の乾燥にもつながる。冬に適度な湿度を心がけることが、体感温度が低下するのを防ぎ、肌のうるおいを保つことにもつながります」

フィルターの選び方にもポイント

あたたかい部屋づくりには、加湿だけでなく、「HEPAフィルター付き空気清浄機能搭載の加湿空気清浄機を置くのがおすすめ」だと重政氏は言う。だが、「HEPAフィルター」という言葉自体が聞き慣れないという人も多いのではないだろうか。

「HEPAフィルターとは、国内メーカーの空気清浄機に多く採用されている、0.3µmの微細な粒子を99.97%除去できる高性能なフィルターです。厚生労働省の『新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)』では、 “18℃以上の室温維持のため窓を十分に開けられない場合、換気不足を補うためにHEPAフィルターによるろ過式の空気清浄機を併用することが有効”だと記載されています。

また、内閣官房の動画では、換気の悪い場所の対策としてHEPAフィルター付きの空気清浄機で空気中に舞う微粒子の“エアロゾル”を捕集する方法があることを紹介しています」

エアコン代節約に必要な2か所の掃除

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約3年間掃除していないフィルターを使用

電気代を節約するためには、エアコンの室内機の中にあるフィルターとともに「室外機周辺についても整理整頓しておくことが大切」だと重政氏。この2か所の掃除は、エアコンの風向きを下にしたり設定温度を上げすぎたりしないこと以上に大事なポイントなのだとか。

「室外機が屋外の空気を取り込み、その空気中の熱を取り出し、その熱を室内機に運び、室内機を通して部屋の中に送り込むのがエアコンの仕組みです。そのため室外機の吸込口や吹出口に障害物があると空気の流れが妨げられ、効率的に熱が集められなくなります。

また、部屋のなかに舞っているホコリを止める役割の室内機フィルターに、ホコリが溜まり続けて風の通りが悪くなると、一度にあたためられる空気の量が減ってしまい、エアコンの運転効率が落ちてしまいます」

3年間フィルター掃除しないと50%の電力が…

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エアコン室内機と室外機。理想は右側

エアコンの運転効率低下を防ぐためには、室外機周辺に物を置かず、落ち葉やゴミなどを取り除くことが必要になる。また併せて必要なのが、室内機のフィルターのホコリを2週間に1回を目安に取り除くこと。

「1年間フィルターを掃除しないと25%ぐらい消費電力が無駄になるケースもあります。エアコンの消費電力は冷房よりも暖房のほうが大きい場合が多いので、同じ25%でも、夏より冬のほうが多くの電気代がかかる傾向にあります。また、冬はセーターや毛布などホコリの出やすいものが多いので、フィルター掃除はより大切になります」

事実、ダイキン工業で、3年間フィルター掃除していない一般家庭のエアコンを計測したところ、夏場では約50%もの消費電力が無駄になっていたという。

電気代の計算方法と節電に適したエアコン

エアコンにかかる電気代は室内機の掃除や室外機周辺の整理整頓、使い方のほか、機種によっても異なる。メーカー各社も省エネを意識しているため、新しいものほど節電に優れているエアコンが多いようだ。新しいエアコンと比較するためにも、まずは自宅にあるエアコンの電気代を計算してみよう。

「電気代を計算するときは、取扱説明書やカタログ、インターネットで該当商品を検索して消費電力量を調べます。年間の消費電力量(kWh)に31円を掛けると、1年間にかかるおおよその電気代を導き出すことができます」

消費電力量は各メーカー同じ条件で算出しているため、購入を検討中の新しいエアコンと比較すると、「いま自宅にあるエアコンと比べてどれぐらい節電になるか」を知ることができる。では、どれぐらいの期間を目安に買い替えればよいのだろうか。

「政府の調べ(内閣府の消費動向調査)によると、エアコンの平均買い替え期間は13年ほどとなっています。また、エアコンには、健康寿命ともいえる設計上の標準使用期間というものがあり、各メーカー10年としています。この健康寿命を超えると故障しやすくなってくるので、買い替えの検討がおすすめです」

エアコンの購入価格で迷ったときは…

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ダイキン工業の「加湿ストリーマ空気清浄機_70(ホワイト)」

エアコンの価格は、安いものから高いものまでそれぞれ。迷ったときは年間の消費電力量などを見比べ、「10年使ったときの電気代を計算するとわかりやすい」と重政氏。

「エアコンの価格に差があっても、省エネ性能の違いで生まれる電気代の差によって、電気代とエアコンの価格を含めた総合計が最終的にほぼ同等になることもあります。また、高いエアコンには快適性や利便性を高めるさまざまな機能が搭載されているので、加湿器や除湿機、サーキュレーターなどを個別で買わなくてもいいケースもあるでしょう」

物価上昇が続く昨今の生活に欠かせない節電のヒントがたくさんあった。空気ムラを緩和して加湿やホコリに気を配り、これから数か月続く寒さを快適に過ごしたいものだ。

<取材・文/山内良子 画像提供/ダイキン工業株式会社>

【山内良子】

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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