◇練習試合 広島3ー4阪神(特別ルール)(2021年2月21日 宜野座球場)

<神・広>4回1死、クロンは中越え二塁打を放つ(撮影・大森 寛明)
広島の新助っ人ケビン・クロン内野手(28=ダイヤモンドバックス)がようやく対外試合初安打をマークした。21日、阪神との練習試合に「4番・一塁」で先発出場。2打席目の4回1死、2番手・加治屋のカーブを左中間二塁打とした。
「本来なら今の時期に結果を求めることはないが、(無安打が)何試合か続くと焦りが出る。ヒットが出たことはうれしいよ」
塁上で満面の笑みを浮かべたクロン。無理もない。2回の先頭で藤浪の150キロに反応した右飛はこれまでにない好内容だったが、その打席を含めると、ここまでに出場した対外4試合は13打席で安打が無く6三振と散々だった。14打席目にして響かせた快音で、暗いトンネルを抜けた。
もっとも沈黙には理由がある。昨季は米国で実戦そのものが少なく「日本の投手の球を見ようとして体重移動ができていなかった」(朝山打撃コーチ)のが原因。室内練習場で連日打ち込み、状態改善に努めて対外試合に参戦していた。
「体が結果を求めて(打撃を)崩していた部分があった。結果ではなく内容。来月の開幕に合わせ、自分のスイングができるようにこだわっていきたい」
期待の大砲候補は前を向く。佐々岡監督も「結果が出たのは何より。今日はスイングの内容も良かった」と安どの息をついていた。 (江尾 卓也)