
UHB 北海道文化放送
札幌市西区で軽乗用車から外れたタイヤが4歳の女の子に直撃し重体となっている事故から、11月21日で1週間となります。車は車検に合格した後、改造されたとみられることが新たにわかりました。タイヤが完全に外れた車体。1週間前、札幌市西区平和の路上で走行中の軽乗用車の左前輪が外れ、歩道を父親と姉と歩いていた4歳の女の子に衝突する事故が起きました。

タイヤ脱輪事故から1週間
「午前9時、若本容疑者はフードを被り、俯きながら車に乗り込んでいきます」(古川記者)過失運転致傷の疑いで逮捕・送検されたのは札幌市西区の会社員、若本豊嗣容疑者です。「若本容疑者は事故を起こす前、知人が運転する車と一緒に現場付近を走行していたとみられています」(八木隆太郎 キャスター)

過失運転致傷の疑いで逮捕・送検された若本豊嗣容疑者
警察などによりますと事故を起こした軽乗用車は若本容疑者の知人の名義でした。関係者によりますと若本容疑者は知人からの依頼で現場近くで車を整備し、その後知人とともに現場付近を走行していたとみられます。みんテレの取材に若本容疑者の知人は「いまは心の余裕がない。娘さんのことだけです」と泣きながら答えました。ではタイヤが外れて起きる事故の衝撃はどれほどのものなのでしょうか。これは大型トラックのタイヤの脱輪を想定した実験映像。時速60キロで走行する大型トラックからタイヤが外れ…衝撃で人形とベビーカーは約4メートルも飛ばされました。

国交省のYoutubeより
今回の事故では、女の子は幼稚園からの帰り道でした。事故から1週間が経ちますが、首や頭などを打ち、依然、意識不明の重体となっています。事故を受けて斉藤鉄夫国交相は「事故の原因については警察の捜査中であるためコメントは差し控える」とした上で…。「車検時の写真も自動車局が調査しました。不正改造の疑いが高いと考えています」(斉藤 鉄夫 国交相)

女の子は依然、意識不明の重体
国交省によりますと事故当時の写真を確認したところ、8月24日の車検合格時にはなかった大きなタイヤが車体をはみ出すように装着されていたということです。警察の調べに若本容疑者は…「事故前にハンドルのブレを感じていた。車に違和感があった」(若本容疑者)

8月車検合格後に改造か
軽乗用車は車検合格後に改造されたものなのでしょうか。一方、事故の15分ほど前には、現場近くの住宅敷地内で事故を起こした軽乗用車と同じナンバーの車が不審に旋回したり、運転手がタイヤ周りを確認する様子が映像に残されています。

事故15分前 不審に旋回する事故を起こした軽乗用車(提供:視聴者)
交通事故に詳しい専門家は…「あそこの段階でおかしいなって気づいてるはず。右にハンドルを切ると衝撃や、おかしいというのはあったと思う。空き地に入ってわざわざ右にカーブをする状況を作り出して確認をして、やっぱりおかしいなってのぞいたと思う。のぞき込むだけじゃなくて、その時にホイールナットをちょっと触ってくれれば、外れそうになっているというのはわかったはず」(交通事故鑑定人 澁澤 敬造さん)警察によりますとタイヤを固定していたナット5個全てが外れ、周辺で見つかっていたことがわかっています。警察は改造した人物が誰なのか、また改造と事故との因果関係などを慎重に調べています。