アニメ「進撃の巨人」ED曲に驚愕の海外反応、ヒグチアイ「私の書いた詞が人の体に......」

アニメ「進撃の巨人」ED曲に驚愕の海外反応、ヒグチアイ「私の書いた詞が人の体に......」

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  • 更新日:2022/08/06
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ヒグチアイが自らの曲「悪魔の子」について語る【写真:荒川祐史】

EDテーマ曲「悪魔の子」はJ-Popランキング世界120か国で1位

世界中で大反響のアニメ「進撃の巨人」。国内では、The Final Season Part 2がNHK総合で今年1月9日から4月3日まで放送され、エンディングテーマ曲「悪魔の子」をシンガーソングライターのヒグチアイ(32)が担当した。ヒグチは同曲で注目度が高まり、7月8日には新曲「悪い女」を配信リリース。作りだす楽曲の世界観、歌声は国内外で支持されており、ENCOUNTではその素顔と思考に迫った。2回に分けてお届けするインタビュー記事で、前編のテーマは「『悪魔の子』がもたらしたもの」。海の向こうからも届くファンの反応、歌詞に込めた思いなどを聞いた。(取材・文=柳田通斉)

「悪魔の子」は、「進撃の巨人 The Final Season Part 2」の放送開始と同時期の今年1月10日に配信リリースされ、瞬く間に国内外に広がった。壮大な曲調と力強い歌声が話題になり、これまでApple Music J-Popランキングでは、ドイツ、フランス、イタリア、韓国など世界約120か国で1位を獲得。iTunes Store J-Popランキングでもアメリカ、英国、ドイツ、イタリアなど世界約48か国で1位となった。日本語詞での配信だが、「進撃の巨人」人気と相乗効果で、絶賛され続けている。ヒグチにとって、これは想定外だった。

「人気アニメの影響力を把握していなかったので、『こういう風に聴かれるんだ』と思いました。制作している時にプレッシャーは感じていませんでしたが、海外からの反応がすごく、曲のことも考えてくれている。それを知ってから、ちょっと気持ちが負けそうになりました(笑)」

SNSの時代。海の向こうからの反応は、ヒグチにダイレクトに届いている。

「『悪魔の子』の日本語詞を自分の体にタトゥーで入れた写真が、よく海外からインスタのDMに届きます。『正しさとは 自分のこと 強く信じることだ』や、サビの『世界は残酷だ それでも君を愛すよ』の部分だったりですが、自分が書いた詞が人の体にずっと残るとは……という感じです」

同曲が誕生するきっかけは、アニメ制作側からの依頼だった。「ヒグチさんにエンディングテーマを作ってもらいたい」。2016年にデビューしたヒグチの音楽性が評価されてのことだった。ヒグチはもともと読んでいた漫画「進撃の巨人」を読み直し、イメージを膨らませたという。そして、1週間以内で4曲のデモテープを制作。「悪魔の子」が選ばれるに至ったという。

「最初にサビの『♪世界は~残酷だ~』が、メロディーと一緒に浮かびました。そこからメロディーの細かいところを決めたり、言葉を紡いでいきました。4曲の中からこの曲が選ばれた後は、さらに細かく調整しましたが、1か月はかからずに完成しました」

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「悪魔の子」を通して「自分がどうしたいかを考えた上で生活していく」ことを伝えたいと語るヒグチアイ【写真:荒川祐史】

伝えたかった「見たものが真実」「自分がどうしたいのか」

曲調は「進撃の巨人」をイメージさせる壮大さがあり、詞も印象的なフレーズが多くある。ヒグチによると、1番はアニメの内容、2番は現実社会のことを示しているが、2番から途中からは、曲を聴いている人々に向けたことをテーマにしているという。

「『♪この言葉も 訳されれば 本当の意味は伝わらない 信じるのは その目を開いて 触れた世界だけ』のところですが、私はこの曲が海外でも聴かれるであろうことを頭に入れながら、『人から聞いたり、ニュースで知ったこともあるだろうけど、実際に起きているその場で見たものしか真実ではない』ということを伝えたいと思いました。敵が正しくないことをしていると思っていても、相手からすれば、こちらの方が正しくないと思っている。それらが、どうしようもなく虚しい戦争を引き起こす。『進撃の巨人』は、そうしたことを描いた作品だと、私が理解したからでもあります」

同曲は昨年6月に完成していたが、配信リリースと同時期にロシアとウクライナの関係が悪化。2月24日にロシアによる侵攻が始まると、「悪魔の子」のYouTubeなどには、それに関連するコメントが相次いだ。理由は、2番の歌詞「♪鉄の雨が 降り散る情景 テレビの中 映画に見えたんだ 戦争なんて 愚かな凶暴 関係ない 知らない国の話」の部分にある。

「曲が完成した当時、こんな未来は私には全く想像できていませんし、今となっては怖さも感じています。ただ、会社内だったり、身近にも小さないざこざはあるわけです。そんな中で自分ができることは、他の人が言ったこと(うわさなど)を信じることはせず、自分がどうしたいかを考えた上で生活していく。そういうことを伝える曲になっていければな、と思います」

タイトルにある「悪魔」という言葉は、「進撃の巨人」に出てくる。そして、ヒグチは「悪魔というもの」「悪魔だと思われているもの」から産まれてくる子供たちがいて、その子供たちがまた子供を産み、血を繋げていくという図式は、日本も含めてどこの国にもあると思い、「悪魔の子」を導き出したという。

そうした思考、音楽性はどのように身につけたのか。「後編」では、ヒグチの生い立ちから、パーソナリティーを掘り下げる。

□ヒグチアイ 1989年(平元)11月28日、香川県生まれ、長野市育ち。高校卒業後、尚美学園大芸術情報学部音楽表現学科に進学。高3からソングライターを目指し、音楽事務所にデモテープを送り続け、大学は2年で中退。路上ライブ、自主レーベルでCDを作るなどして活動し、2016年にメジャーデビュー。21年にポニーキャニオンへ移籍し、第1弾の「縁」(ゆかり)をリリース。続いて“働く女性”をテーマに、「悲しい歌がある理由」「距離」「やめるなら今」の3曲を3か月連続でリリースした。そして、「悪魔の子」へとつながり、3月2日にアルバム「最愛最悪」を、7月8日にシングル「悪い女 EP」を配信リリースした。11月22日の新潟・ジョイアミーア公演を皮切りにツアー「ヒグチアイ独演会 誕生」を全国6か所で開催する。家族は両親、兄、妹。

柳田通斉

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