マシンガンズ滝沢秀一「勝っても負けても」だった『THE SECOND』「1回もネタ合わせしてないです」

マシンガンズ滝沢秀一「勝っても負けても」だった『THE SECOND』「1回もネタ合わせしてないです」

  • 双葉社 THE CHANGE
  • 更新日:2023/09/21
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マシンガンズ滝沢秀一 撮影/貴田茂和

ここまで劇的に変化した芸人は、かつていなかったのではないだろうか。マシンガンズ・滝沢秀一の人生は、芸歴16年以上の漫才師を対象としたトーナメントで一変。以来、多忙な日々が続いている。チャンスをつかみかけて逃し、新たな道を探り、そして芸歴25年目で大ブレイクした滝沢さんの「THE CHANGE」とはーー?【第1回/全3回】

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Wツッコミで『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)や『エンタの神様』(日本テレビ系)に出演していたマシンガンズ。しかし、大ブレイクにまではいたらずやがて失速。滝沢秀一さんは、2012年に妻子を養うためゴミ収集会社に就職した。その後、滝沢さんはゴミ問題を題材にした著書を次々出版し、発行部数は累計15万部超え。小池百合子東京都知事や小泉進次郎元環境大臣と対談するにまでなった。

相方の西堀亮さんも自身が発明した日用品の商品化が決まるなど、芸人以外にそれぞれの道を模索しているなか、結成16年以上の漫才師が参加する賞レース『THE SECOND』(フジテレビ系)が開催された。マシンガンズは下馬評を覆して、最終決戦まで進出。「3本目のネタがない」と嘆きながらも笑いを起こしたが、ギャロップに敗れて準優勝という結果に終わった。

それでも、『THE SECOND』で最も輝いたのはマシンガンズだというのは誰もが認めるところだろう。芸人としての仕事も大きく増え、この取材も、ラジオに生出演した後に駆けつけてくれた。私服からスーツに着替えると、そこにはSNSでバズったセクシーなおじさん芸人がいた。

――滝沢さんの人生は、ドラマチックですね。まさに一夜にして大きな変化があったと思います。

「5月19日まで、なにもなかった。20日が『THE SECOND』の決勝だったんですけど、それまで何もなかったのに、20日を境にガラリと変わりました。46歳で、いきなりある日“イケメン”と言われ出して(笑)」

――滝沢さんにとっての「THE CHANGE」は、やはり『THE SECOND』での準優勝ということですよね。

「本当に『THE SECOND』はひとつ大きいことなんですけど、向こうからやってきたもんなんですよね。出ようと思っていなかったんですから。マネージャーが応募したんです。西堀が副鼻腔炎で手術することになっていたから、“来年にしようか”って言ってたんです。でも。予選がその前日だったので“じゃあ、出るか”と」

「決勝の日も、1回もネタ合わせてないです」

――『THE SECOND』は『M-1』の4分間と違って、持ち時間が6分でした。その遊びができるというところで、マシンガンズの強みが出たのかなと思います。

「確かに、M-1のように4分きっちりネタを組んでの大会だったら、僕らのスタイル的に厳しかったかもしれません。2分くらい余裕を持たせて、なんとなく時計を見ながらしゃべって、本ネタに入ろうか、というかんじなんです。その本ネタも昔のやつなんで。15年前のネタなんですけどね(笑)」

――いつでも終わらせられるスタイルなので、6分ギリギリまでできた。

「決勝でも残り2秒で終わらせて(笑)。アドリブみたいなのやってたんですよ。普段からネタ合わせをしていなくて、1人2つか3つくらいはなにか持って出て、という形。決勝の日も、1回もネタ合わせてないです」

――漫才を確立しているコンビだからできたことだと思います。中川家もナイツもネタ合わせしないと言いますから。

「そんなことはなくて(笑)。“勝っても負けてもどっちでもいい”と思っていたのが、いい方向に出た。直前まで寝てましたもん僕。楽屋で」

――『THE SECOND』では、ランジャタイ、金属バット、三四郎、とコアなファンが多いコンビと対戦して勝ち上がりました。お笑いファンが審査員という形だったので、不利なのかと思いましたが、逆に、マシンガンズの空気になりました。

「みんなM-1出られなくなったばかりの芸歴16、17年目で脂が乗ってるし、ネタだって何本もある。金属バットなんて“あと8本ある”と言ってましたから。三四郎なんかもゴリゴリ、テレビで出てるんでね、みんなやっぱり厳しい戦いですよ。

僕らは目の前にあることに必死だったんです。それこそ大喜利じゃないですけれども、この場面で何をしたらいちばん笑いが取れるか、みたいなことは考えてたんですね。
よく見たらハズしてる箇所がたくさんあったと思うけど、僕らは“勝っても負けてもどっちでもいい”思って、とにかく勢いを大切にしていました。」

「西堀が“本番直前に覚えらんないよ!”って言って(笑)」

――最終決戦で「3本目のネタがなかった」ことを話していますが、コンプライアンスチェック(※放送して問題ないか事前に番組サイドにネタを提出する)はあったんですよね?

「ありましたありました。前日、喉が痛くて、ライブ休んでたんですけど、3本目のネタとして、紙1枚にこれとこれとこれとこれをやろう、ってまとめて言ったら、西堀が“本番直前に覚えらんないよ!”って言って(笑)。

じゃあ、これとこれとこれはいけるか、って、3つだけ持っていったんです。それでも、その3つだけだと4分半しかないから、失格なんですよ。で、最後プラス1個やって、それで5分半くらいだったんじゃないかな。あんまり覚えてないんですけどね」

――マシンガンズさんの優勝もある、と思いましたが……。

「決勝で、その日の最低得点だったというね(笑)。
マシンガンズの初舞台もトーナメント制で、けっこうウケて同じような形で決勝まで行って、そこでもネタがなくて負けたんです。25年経って、同じことをやってるんですね(笑)」

■プロフィール
滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年生まれ、東京都出身。1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」結成。2012年から芸人と並行してゴミ収集会社に就職。『このゴミは収集できません』(白夜書房)『ゴミ清掃員の日常』(講談社)など、ゴミ収集中の体験を記した書籍を多数出版。ゴミホラー小説『かごめかごめ』(双葉社)2023年『THE SECOND~漫才トーナメント』(フジ系)ではマシンガンズが準優勝に輝く。

THE CHANGE編集部

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