『私たちのブルース』共に闘う大人たち ドンソクとソナが幸せに向かって歩き出す

『私たちのブルース』共に闘う大人たち ドンソクとソナが幸せに向かって歩き出す

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  • 更新日:2022/05/14
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『私たちのブルース』(tvN公式サイトより)

パン・ホシク(チェ・ヨンジュン)とチョン・イングォン(パク・ジファン)は、娘のパン・ヨンジュ(ノ・ユンソ)と息子のチョン・ヒョン(ペ・ヒョンソン)が子どもを産むと決めたことを受け入れた。あとは父親同士の不仲が問題だ。Netflixで配信中『私たちのブルース』の主人公たちは、それぞれの関係性が進展していく過程にいた。

左手の指に刻まれた“大王”の刺青が浮くほど、覇気はなくなり背中が小さく見えるイングォン。15年間も許せずにいた彼の前にひざまずき、歩み寄ったのはホシクだった。イングォンもまた「悪かった」と、これまでのことを全て謝罪するかのように頭を下げる。ホシクとイングォンは「サドン(結婚した両家の親同士が互いに呼ぶ語)」と呼び合い、お互いを認め合った。彼らは大人であり親でもあるけど、傷つくし脆くもある。だからせめて、子が大人になるまで二人で守り抜くために同志となり、昔みたいにどんな修羅場も共に闘おうと決めたのだろう。

さて、花柄のサンバイザーを被り運転をしながらひげを剃って突然歌い出すイ・ドンソク(イ・ビョンホン)は、今日も全然カッコよくない。無骨な男だが、情け深く味のある男だ。初恋の相手ミン・ソナ(シン・ミナ)が済州に戻り、海に飛び降りてから落ち着きがない。

ドンソクとソナが出会ったのは学生の頃で、お互い家庭環境に恵まれず慰め合う仲だった。それぞれ済州を去ってから2度目の再会となり、つらい過去を淡々と話す2人に時の流れを感じる。ソナのうつ病が発症したのは中学生の時に父親が自殺をしてからで、ドンソクが「今度はない」と言い切るのは謝れないまま姉を亡くしてしまったから。それに「年のせいで切り傷ばかり」と言っていたチョン・ウニ(イ・ジョンウン)といい、“それなりの年”になれば“それなりの傷”を、島の住民たちは抱えている。

長い間、病気に苦められているソナは母親や元夫からも見捨てられてしまった。しかしドンソクは、違った。ソナの代わりに何倍にもして元夫の悪口を言う。真っ暗闇の中に立たされるソナの気持ちに「目の前が暗くなるなんて怖いはずだ」と寄り添い、それは錯覚と同じだと恐怖を和らげる。ドンソクがここまでするのは、ソナが自分の母親カン・オクドン(キム・へジャ)と重なったから。夫と娘を海で亡くしてから悲しみの中から抜け出せず、笑いもしない母と同じ道を、彼女に歩んでほしくなかったのだ。

波ばかりを見て船酔いしたソナに、「生きるのがつらい時は振り返れ」と後ろに山があるのを教えくれたドンソク。私たちは何かにつまずいた時や乗り越えようとする時、前に進むしか正解がないと思い込んでしまう。でも振り返ってもいいのだ。そこには知らなかった別の景色が、気づけなかった優しさや愛があるのだから。

しかし、ソナはまたも辛い現実に直面する。息子ヨルの親権を、元夫に奪われてしまったのだ。居ても立ってもいられないソナに「裁判に負けたことは悲しくても、それで不幸になるのか」と冷静になだめられるのはドンソクしかいない。ソナはヨルを迎えるためにも、まずは自分を大切にしなければならない。目の前のことばかりに囚われてはいけないのだ、振り返れば頼りになるドンソクもいるのだから。

ドンソクが商売する時に流す「シャツにブラウス ズボンにスカート」のアナウンスを聞いて笑いが止まらないソナ。何でもないことで笑えるのは気持ちに余裕がある証拠だ。朝日を眺め、「幸せになりたい」とつぶやくソナとドンソク。この願望は2人とって、一番必要なのかもしれない。幸せになりたいという思いがなければ、ここを抜け出せないし何も始まらないのだ。

ドンオクがソナの姿にオクドンを思い浮かべたことから、世界中の不幸を背負ったように笑わない母親のことを、本当は気にかけていたことが感じ取れる。ソナをきっかけに自分の母の気持ちを知ることになりそうだ。石と石の間から咲いた花に笑顔を見せたドンオクに、気づける日がすぐそこまで来ていると願ってやまない。

一方、船長のパク・ジョンジュン(キム・ウビン)は、思いを寄せているイ・ヨンオク(ハン・ジミン)が村の人たちに「嘘つきだ」と噂されていたことが気になっていたが、本人の口から「嘘は嫌い」と聞いて信じることにしたようだ。しきりにかかってくる電話の相手など不安要素は残るが、ベテラン海女のヒョン・チュニ(コ・ドゥシム)が言う「まともな人間が嘘をつくのはそれなりの理由がある」の言葉どおり、ヨンオクが抱えているものをジョンジュンは受け入れられるのだろうか。まだまだ甘い時間を見せてくれる2人の関係を楽しんでいきたい。
(ヨシン)

ヨシン

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