超破格の釣り糸! 噂のダイソー「PEライン」を使って釣りをしてみた

超破格の釣り糸! 噂のダイソー「PEライン」を使って釣りをしてみた

  • BRAVO MOUNTAIN
  • 更新日:2023/05/27
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ダイソーのリールとPEライン(撮影:中山圭)

どんな趣味でもそうかもしれないが、本気で取り組もうとすると結構なお金がかかるものだ。釣りも同様で、こだわりの道具を揃えるとなるといくらお金があっても足りないほどの金額がかかってしまう。しかし、そこにコスパ最強で、十分戦力になる道具が売っていたら…… 試しにこれを使ってみない手はないだろう。そんな夢のような釣り道具が、100円均一ダイソーから発売!  果たして、こちらは使えるのか検証してみた。

関連:■【画像】驚異の価格“ルアー”など充実のラインナップ「ダイソー」釣り具

■100円均一の釣り具

ここ数年、一気に増えてきた100円均一の釣り具。なるべく安く釣り具を揃え、一度チャレンジしてみようという初心者たちの琴線に触れ、一躍売れ筋商品となってきた。

それもそのはず、竿(ロッド)やリールが500〜1000円で買えてしまうのだから…… 凄い時代になったものだ。仮にチャレンジしてみて興味が湧かなかったとしても、低コストであれば諦めもつくし、楽しいと感じたらステップアップすれば良いワケなので、100円均一の釣り具は気軽に釣りをするにはこれ以上ない、もってこいな商品といえそうだ。

一方、ここ最近はSNSの影響もあってか、100円均一の釣り道具〜例えば、ルアー製品が安くてよく釣れるという動画や記事を目にする機会が増え、あえて100円均一ルアーで魚を釣り上げたいというベテランまでもが支持し始めてきている。

こうした流れもあり、100円均一ショップ側も今まで以上に釣り具関連に力を入れているようで、日に日にクオリティの高い製品が開発されている。物価が高いこの時代、とてもありがたい神道具と言って良いかもしれない。

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ダイソーのロッド&リールとPEライン。1300円で揃えられた

■ダイソーからPEが登場!

一般的な釣りでは、ナイロン、フロロカーボン、PE、最近ではエステルという種類の糸(ライン)が使われている。この中で極細のポリエチレン素材の原糸を複数本編み込み、1本にして作られるラインがPEと呼ばれる製品で、

〈メリット〉
・感度が良いため、ラインを通じて多くの情報を伝えてくれる。
・直線強度が高いため、同じ強さであればより細いラインを使うことができる。そのため、飛距離も出やすくなる。

〈デメリット〉
・擦れに弱く、PE単体では滑りやすいため、ルアーなどを接続するときには別素材のラインを必要とする。
・ラインにコシがないため、風の影響を受けやすく、絡みやすい。
・圧倒的にコストが高い。

などデメリットを上回るメリットがあるラインと言われている。

しかし、扱いづらさとコスパの悪さもあってか、初心者向きではなく、釣り慣れた人が使うラインとして認識されている。そうした中、大手100円均一ショップのダイソーから格安のPEが発売されたとの情報をキャッチ。

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300円で買えると話題となったダイソーのPEライン

通常であれば、安いものでも2000円以上、高いものになると1万円以上のものもあるPEだが、まさかの300円とあり得ないほどの超破格での発売!

仮にこちらのPEラインにクオリティーがあれば、絡まっても買い直しが効く価格なので、釣り具業界を大きく変える可能性があるかもしれない。そうであればどこまでのクオリティーを秘めている製品なのか、ぜひチェックしてみたいということで、早速こちらを巻いて釣りをしてみることに。その使用感について紹介したいと思う。

■商品仕様

調べによるとダイソーのPEには、0.6号、0.8号、1.0号、1.5号の4つがあるようで、これは主にルアーフィッシングを嗜む人が選ぶラインナップと合致している。

【参考】
0.6号 : 渓流、ブラックバス、海のライトゲーム、エギングなど
0.8号 : ブラックバス、エギング、シーバスなど
1.0号 : シーバス、サーフゲーム
1.5号 : シーバス、サーフゲーム、青物

それぞれの長さは100m巻きとなっており、編数は4本。より感度が良く、飛距離が出ると言われている8本撚りや12本撚りの製品は発売されていないが、この価格であれば4本撚りでも十分であろう。

ラインのカラーは、オレンジ、青、黄、緑、紫と10mごとに色が変わっていく仕様となっており、どこまで仕掛けやルアーを飛ばせたか、おおよその水深を推測することができるなど、とても気の利いた作りとなっている。このような仕様だけ見ると、まさにルアーフィッシング向き。開発担当者がルアーアングラーなのかと思うほどだが、そうだとすればよく釣り人のことを研究しているなと思った。

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そこまでの距離を必要としない釣りにぴったり

気になる点を強いていうならば、100m巻きしかないというところ。ブラックバスや渓流、海のライトゲームであれば基本問題ないが、サーフなど遠投を必要とする釣りや深い場所を狙う船釣りでは少々心許ないかもしれない。そのため、現実的にはサーフや船釣りなどを除いた釣りに適したラインかと思う。

■渓流型の管理釣り場で使ってみた

今回は魚からのアタリを確実に感じて検証したいということから、管理釣り場での釣行を選択。神奈川県相模原市にある天然の川を使用した早戸川でニジマスを狙うこととなった。

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緩やかな流れなので、お子さんも安心して楽しむことができる管理釣り場

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売店や食堂も併設されている受付

せっかくなので、ロッドとリールもダイソー製のものをチョイス。こちらは以前、1000円(税抜)で買った振り出し式のロッドとリールのセットで、ロッドはやや硬めで投げるのに少しコツがいるタイプ。リールは樹脂製であまり強度はないものの、リールの強度はあまりないものの、管理釣り場のニジマスを狙う分には何ら問題なし。こちらのリールにナイロンを下巻きし、その上にPE0.6号を巻いて釣りをしてみた。

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コンパクトなロッドなので、電車移動時にも重宝する

まず初めに感じたのは、意外にライン自体にコシがあるということ。ラインの表面にコーティングをしていないと思うが、ふにゃふにゃではなく張りがあるため一度もライントラブルはなかった。個人的には、とても投げやすいラインに感じた。

飛距離は同じ太さの8本撚りには敵わないが、同じ4本撚りであれば他メーカーともそれほど遜色はなし。実際、別メーカーのPE0.6号と投げ比べたものの、その違いを感じることはできなかった。

なお、ルアーは同じくダイソーから出ているスプーンという形状とルアーと魚の形を模したミノーを使用。これらを使って、ただ巻きとトゥイッチ(ロッドをちょんちょんと動かす)で泳ぎを演出し、魚を狙った。

ただ巻きでは自分の思い通りの速さでルアーが泳いでくれ、トゥイッチではかなりメリハリの効いたアクションを起こすなどアングラーの意図する動きをしてくれたので、ここへの不満は一切なし。気になる怠さも感じず、メリハリのある動きを出せるPEの特徴が出ていたように思う。

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アタリをしっかり捉え、魚を掛けることができた

肝心の感度だが、個人的には正直まあまあといったところ。魚がルアーを咥えた感覚や、ルアーが川底を引きずっている感覚などはある程度感じることができたが、正直8本撚りや高級PEと比べれば若干落ちるように思う。とはいえ、この価格であればそんな贅沢は言ってられないだろう。

また、リーダーとの接続はFGノットを採用し、ナイロン、フロロカーボンの両方と結合してみたが、どちらも滑ることなくガッチリと接続してくれた。

総じて、価格を考えるに、初心者が初めて取り入れるPEとしては十分すぎるクオリティーなのは間違いなし。通常使いとして、もしくは釣行時の予備ラインとして持っておいて良いレベルのPEラインであると思った。

■自然渓流でテスト

管理釣り場での釣りではダイレクトに魚が見えることもあり、視覚的に魚からの反応もわかりやすい。そのため自然渓流にも赴き、こちらでもダイソーのPEを巻いてテストをしてみた(※ロッドとリールは他社製)。

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濁りのない早戸川では魚もラインの動きもよく見える

今回は管理釣り場と比べて遥かに水量があり、流れが早い川に行き、ミノーを操作してイワナを狙ってみた。大きな白泡がたった川ということもあり、ラインやミノーの動きは手前に来ないと確認することはできなかったが、管理釣り場でのテスト同様ミノーの動きは自分の意図した通りにキビキビと動いてくれているようでラインの操作性はかなりいい感じ。

そうした中、釣りスタートから30分経った頃に、流れのヨレがあるエリアでひったくるようなアタリ。間髪入れずアワセを入れ、リールを巻くと小さいながらも元気なイワナを釣り上げることができた。

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ダイソー PEは自然渓流でも明確なアタリを知らせてくれた

今回はラインが絡みやすいベイトリールでの釣行であったが、張りのおかげかトラブルに見舞われることも全くなく、快適に釣りを楽しむことができた。価格10倍以上もするPEには敵わないかもしれないが、感度もそこそこよく、色分けして見やすく、トラブルレスなところからも今後一軍として使うことができそう。

最初はあまり釣り道具にお金をかけたくない初心者にも、自信を持ってオススメできるラインかと思う。まだPEを使用したことないアングラーにこそ、ぜひ一度使ってみて欲しい。

■【画像】驚異の価格“ルアー”など充実のラインナップ「ダイソー」釣り具

中山 圭

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