男性の乳がんは診断が遅れて予後不良になりやすい、米疾病対策センター研究報告

男性の乳がんは診断が遅れて予後不良になりやすい、米疾病対策センター研究報告

  • @DIME
  • 更新日:2020/11/21
No image

男性乳がんは診断が遅れ予後不良になりやすい

男性の乳がんは極めてまれだ。そのために男性の乳がんは見逃されやすく、他の部位に転移してから見つかるケースが多いことが、米疾病対策センター(CDC)のTaylor Ellington氏らによる研究で明らかになった。

研究結果はCDC発行の「Morbidity and Mortality Weekly Report」10月16日号に掲載された。

男性の乳がんがまれであることは、CDCの既報データからも把握できる。例えば2017年の米国での男性乳がんの新規診断例は約2,300人であり、これは全乳がんの1%に過ぎないという。

Ellington氏らは今回、米国の医療データを用いて2007~2016年に乳がんと診断された1万4,805人の男性の予後を解析した。

その結果、診断時に遠隔転移が認められた患者の割合は8.7%で、周辺組織への浸潤が認められた患者と合わせると、全体の約半数を占めていた。

そして、初期(限局性)の乳がんと診断された男性のほぼ全て(98.7%)が5年後まで生存していた一方で、遠隔転移のある状態で診断された患者の5年生存率は25.9%だった。

長期的な予後を改善させるには、積極的な治療が重要である可能性も示された。乳がん診断後の5年生存率は、乳房切除術を受けた男性と比べ、全く治療を受けなかった男性や、放射線治療のみを受けた男性で低値だった。

また、人種/民族によって診断が遅れる割合に差異が存在することも分かった。具体的に、遠隔転移した段階で診断された患者の割合をみると、白人では8.1%、ヒスパニック系では7.1%であったのに対し、黒人では12.2%だった。

Ellington氏らによると、男性の乳がんリスクは加齢に伴い上昇し、女性よりも高齢になってから診断される傾向があり、また男性ではがんが進行した段階で診断されることが多いという。

米ノースウェル・ヘルスがん研究所のAlice Police氏は、今回の研究には関与していないが、男性の乳がんの診断が遅れることが多い理由を、「男性の場合、患者本人もかかりつけ医も、乳がんの可能性が念頭にないためだ」と説明している。そして今回の報告を踏まえ、「かかりつけ医には、男性患者にも乳房のしこりや乳がんの家族歴について尋ねるべき」と話している。

Ellington氏らは、男性の乳がんでも乳房のしこりやくぼみ、しわ、発赤のほか、乳頭から分泌物が出る、乳頭に潰瘍が形成される、乳頭が陥凹するなどの女性と共通の症状が現れると解説している。

また、女性と同様に、BRCA1やBRCA2遺伝子の変異があると乳がんリスクが高まるため、家族歴も重要な確認すべきポイントという。

この点に関連してPolice氏は、「女性の乳がん患者よりも男性の乳がん患者の方が、遺伝子変異を有する割合が高いことが明らかになっている。そのため、こうした遺伝子変異を保有する男性を見つけ出すことが、早期診断につながる可能性がある」と指摘している。

ただしPolice氏は、男性の乳がんのリスクは遺伝的背景のみで決まるのではないことも付け加えている。

例えば、男性から女性に性別移行したトランスジェンダーの人は、シスジェンダー(自認する性と身体的性が一致している人)の男性と比べて乳がんリスクが高く、他方、女性から男性に性別移行したトランスジェンダーの人はシスジェンダーの女性よりリスクが低いと説明している。(HealthDay News2020年10月15日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6941a2.htm

構成/DIME編集部

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加