忙しくてトイレに行く時間がない! 便意を我慢し続けると『直腸性便秘』になってしまうかも!?

忙しくてトイレに行く時間がない! 便意を我慢し続けると『直腸性便秘』になってしまうかも!?

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  • 更新日:2021/11/25
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便意が生じるメカニズム

一般的な大腸の蠕動(ぜんどう)運動(※1)とは別に、大きな蠕動(大蠕動)が1日1~2回起こるという。大蠕動は空の胃に食物が入ったとき、特に朝食後に多く起こる。これが胃結腸反射だ。

※1)腸が波打つように動いて便を送り出す動き

この蠕動により便が肛門近くの直腸まで押し出され、直腸内圧が上昇。すると、圧受容体(センサー)が刺激され、その情報が仙髄(脊髄)の排便中枢に伝わり、さらに大脳に伝わって「排便したい」という便意が生じる。

ところが、便が直腸まで運ばれてきているのに、便意が生じないため便秘になることがある。これを『直腸性便秘』といって、便秘の中でも特に頑固なスーパー便秘!

なぜこのような便秘になるのか? 筆者が内科医にレクチャーしてもらった話を、読者諸兄と共有していきたい。

日常的に便を我慢していることが要因のひとつ

内科医「直腸性便秘の原因は、何より“便を我慢する”ことです。接客業など、忙しくて自由にトイレに行けない方がなりやすいですね。

日常的に便意を我慢すると、常に肛門近くの直腸に便が溜まり、直腸の圧受容体(センサー)にスイッチが入りっぱなしの状態となります。

その状態が長く続くと、直腸が刺激に慣れてしまいセンサーの働きも鈍くなってしまうのです。その結果“排便しろ”という命令が出せなくなるため、便意そのものを感じなくなってしまいます。

どのタイプの便秘でも便は硬くなりますが、直腸性便秘の場合は他のタイプに比べて特に硬くなりがち。その理由は、水分が少なくなる排便直前の状態に達してから便秘状態になるため、便は太く硬くなるのです。

また、高齢者や寝たきりの生活をしている方にも直腸性便秘が多いのです。それは、便意をもよおす神経の働きが鈍るため。ただし、こちらは便意を我慢しているからではなく、主に老化によるものです」

トイレが長い人は息むときに肛門を締めているのかも

内科医「通常は便意をもよおして息むと、下腹部は腹圧が上がり、肛門の筋肉(内・外肛門括約筋)は緩みます。

しかし、直腸性便秘の人は、普通にトイレに座っただけでは便が出ないので、お腹に力を入れて息んでしまいます。

このとき、息めば息むほど骨盤底筋(※2)や直腸括約筋に無意識に力が入ってしまい、肛門はグッと締まるので、いくら息んでも便は出ません。この状態を『アニスムス』といいます。便を出そうと力を入れてしまうことが、逆に便の排泄を妨げているわけです。

※2)膀胱、直腸、子宮などの臓器を骨盤内に保持する筋肉群

トイレが長い、トイレに入っても排便できない、というような悩みがある場合は、アニスムスの可能性がありますね。アニスムスの有効な対策は“トイレで無理をしない”ことです」

直腸性便秘を改善する方法とは?

内科医「直腸性便秘を改善するには、便意を我慢しないことが大切です。

また、便秘薬の使用で状態が悪化してしまう可能性があるので注意しましょう。一般的な便秘薬は腸の蠕動運動を促すのが目的。しかし直腸には効果が及ばないものがほとんどだからです。

さらに、直腸性便秘の場合は、摂るべき食物繊維が他の便秘と違ってきます。食物繊維には『不溶性食物繊維』と『水溶性食物繊維』の2種類あるのをご存じでしょう。

水に溶けない不溶性食物繊維は、水分を取り込んで便のかさを増やし、腸が刺激されて蠕動運動が活発になり、排便がスムーズに。

水に溶ける水溶性食物繊維は、腸まで水分を含んだまま運ばれ、便を軟らかくする働きがあり、便通をよくする効果が。

直腸性便秘にとって、不溶性食物繊維の“便の量が増える”作用は逆効果です。直腸性便秘の便は水分が少なくて硬い便。さらに直腸で詰まっているため、不溶性食物繊維を大量に摂ると、さらに便が詰まりやすくなってしまいます。

摂るべきものは水溶性の食物繊維。便が軟らかくなり排便もスムーズになるでしょう」

食材での食物繊維の系統はハッキリと分けられない

しかし、ここでひとつの懸念が……。よく“不溶性食物繊維を多く含む食材”と“水溶性食物繊維を多く含む食材”の一覧表があるけれど、じつはハッキリと分かれているわけではないのだ。

たとえば、ゴボウ1本の食物繊維総量は5.7g。その中で不溶性3.4g、水溶性2.3gで両方の食物繊維を含んでいる。

果物は水溶性食物繊維のグループにカテゴライズされているが、バナナ1本の食物繊維総量は1.1gで、不溶性1g、水溶性0.1g。圧倒的に不溶性が多いというのが分かる。

しかし、確実に水溶性食物繊維を多く含んでいる食材があるのだ。それは海藻類。直腸性便秘の人は、ワカメやコンブ、海苔などで食物繊維を摂ると、かなり排便がラクになるだろう。

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

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雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

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