日本のワクチン政策は大間違い。今からでも開発、改良に注力すべき訳

日本のワクチン政策は大間違い。今からでも開発、改良に注力すべき訳

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  • 更新日:2021/01/13
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昨年12月にイギリスと南アフリカで新型コロナウイルスの変異種が確認され、日本国内でも既に30人以上の変異種感染が判明。年明けに伝えられたブラジル発の新たな変異種も帰国者から確認されました。メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さんは、データを待つまでもなく変異したウイルスが感染力を増しているのは当然と、その理由を説明。ワクチンにも過信は禁物で、日本が国内でのワクチン開発からほとんど手を引いている状態を正すべきと訴えています。

ウイルスとワクチンのこと

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の調査によると、新型コロナウイルスの感染者数が世界全体で9027万9044人(日本時間1月11日午後3時時点)に達したと言う。世界の総人口を70億人とした場合、7000万人で100人に1人という計算になるからそれを優に超える数字である。日本国内あるいは都内のことばかり注目している間に我々の周りの世界は実に恐ろしいことになっていたのである。

さらに、昨年末の12月には英国と南アにおいて新たな変異種が見つかり、いずれのウイルスも既に日本国内で感染者が見つかっている。そこに加えて、年明け早々のブラジル変異種である。しかも、これらの変異種は北半球の英国、南半球の南ア、ブラジルで今同時に猛威を振るっている。つまり、冬でも夏でも脅威であることに変わりはないということである。

これらの変異種について語る場合、その具体的な感染力や毒性(つまりは恐ろしさの程度)に関しては、言うまでもなくこれから進められるであろう研究データに基づいて慎重になされなければならない。が、そういった研究や調査を待つまでもなく言えることが一つある。それは、今後現れる変異種がどのような出自であっても、それが人間の感染者から新たに見つかったものなら間違いなく従来型よりは強力(もちろん、その程度は分からないが)ということである。

我々は2019年に初めてこのウイルスに出会って以来、常に「人間」対「ウイルス」といった構図でこの感染症と対峙して来た。しかしながらウイルスはウイルスの方で、その時間的遷延、空間的拡大の中で、ウイルス同士の生存競争、つまりは自然淘汰を繰り返して来た訳である。その競争に勝ち残ったからこそ人間の感染者を得ることができた、と考えれば、変異するたびに人間にとってはますますタチの悪いものとなって行くというのは当然の理屈である。

実際、英国においては変異ウイルスが従来ウイルスの勢力を食い取りながらさらなる感染拡大を引き起こしているということがデータ等で示されている。

このようにウイルスは地球を周回しながら人間時間では想像もできないほどのスピードで世代交代を重ね日々に変異を遂げている。その系統樹を見ると、まるで地球の生命40億年の進化・分化を僅か1年あまりで遂げたような、そんな不気味ささえ感じる。改めて言う。我々は、こんなウイルスと戦っているのである。

故に、待望のワクチンも過信は禁物である。ウイルスの系統樹の一番左端と右端に位置する変異種を比べれば「これが同じウイルスか」と思うくらいに性質上の違いが見られる筈だからである。しかも時間が経てば経つほどに系統樹の裾野は広がって行く訳だから、理屈の上ではこの違いはより大きくなって行くことになる。

もちろん理想は一発で全ての新型コロナウイルスに対抗できるようなワクチンであろう。しかし現行のインフルエンザワクチンでもやはりそうであるように、全ての新型コロナウイルスに対抗できるような万能ワクチンはどだい無理な話である。

となれば、先行ワクチンを基幹にして、より有効な、より守備範囲の広い新種ワクチンを開発し続けることが重要となって来る。その過程において、始めは背中すら見えなかったウイルスとの距離がどんどん縮まり、やがては追いつき、そしていつしか追い越し、ついには先手を打てるようになるのである。

こう考える時、日本が早々にワクチン開発から(事実上)手を引いたのはやはり間違いであった。今からでも遅くはない。日本もワクチン開発あるいは改良に力を注ぐべきである。

ウイルスとワクチンの競争は一見すると「いたちごっこ」である。が、その実「アキレスと亀」である。問題は、我々が神速のアキレスの如く速く走れるかであり、亀が我々が知る亀の如くに歩みの遅いものであるかどうかである。いずれにしろ、追いかけなければ決して追いつかないことだけは確かである。

image by:Shutterstock.com

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山崎勝義『8人ばなし』

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