同じポジションに選手が重複...トレードによる戦力補強で“狙い目”は誰?

同じポジションに選手が重複...トレードによる戦力補強で“狙い目”は誰?

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  • 更新日:2021/01/12
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巨人・小林誠司 (c)朝日新聞社

2月1日のキャンプインに向けて、補強についてはいち段落したように見えるプロ野球界。しかし、いざキャンプ、オープン戦が始まると思わぬ故障者が発生し、緊急補強が必要になるケースも少なくない。そんな時によくあるのがトレードによる他球団の余剰戦力の獲得だ。今年は新型コロナウイルスの影響で今から新外国人を獲得しても来日がいつになるか不透明なため、トレードによる戦力補強が増えることも考えられる。

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そこで今回はポジションの重なりによって出場機会には恵まれていないものの、他球団で活躍する可能性を秘めたトレードで狙い目の選手たちをピックアップしてみたいと思う。

捕手で真っ先に名前が挙がるのが小林誠司(巨人)だ。プロ入り3年目にレギュラーの座をつかみ、2017年のWBC、2019年のプレミア12では侍ジャパンにも選ばれたが、昨年は度重なる故障でわずか10試合の出場に終わっている。

チームには打撃が持ち味の大城卓三と守備と経験が光る炭谷銀仁朗という実力者二人が揃い、若手の岸田行倫の成長も著しいだけに小林の存在感は薄くなる一方だ。ただ2016年からは4年連続でリーグトップの盗塁阻止率をマークしているように、ディフェンス面には定評がある。トレードで獲得するにはそれなりの交換要員は必要になってくるが、捕手が弱点となっているオリックス、楽天などは思い切って狙っても面白いだろう。

トレードで環境を変えるべきではないかという話題になると、よく名前が挙がるのが藤浪晋太郎(阪神)だが、チーム事情を考えると同期の北條史也(阪神)となりそうだ。プロ入り4年目の2016年には122試合に出場して105安打を放つ活躍を見せたものの、今のところこの成績がキャリアハイとなり、昨年はわずか19安打に終わっている。

二遊間は糸原健斗、木浪聖也がレギュラー格でバックアップ要員の植田海、若手で伸び盛りの小幡竜平、更に即戦力として期待されるルーキーの中野拓夢も控えており、今年は更に出場機会が少なくなる可能性が高い。今年で27歳という年齢を考えると環境を変えて復活することも十分に期待できるだけに、内野の層が薄い日本ハムやロッテにはおススメの選手と言えそうだ。

外野手でチーム事情から出場機会を減らしているのが野間峻祥(広島)だ。2014年のドラフト1位で入団すると1年目は守備、代走がメインながらもいきなり127試合に出場。4年目の2018年には外野の一角に定着して116安打、17盗塁という見事な成績を残している。しかし、丸佳浩が抜けた2019年にはセンターのレギュラー候補筆頭だったが大きく成績を落とし、昨年は12安打、1打点、2盗塁という寂しい数字となっている。

チームの外野陣を見ると内野からコンバートとなった西川龍馬、育成から急成長を見せた大盛穂、更に昨年ルーキーながら一軍でも見事なスピードを見せた宇草孔基と同じ左打で野間よりも若い選手が揃っている。鈴木誠也がオフにもしメジャーへ移籍となったとしても、その後に野間をレギュラーとして推す声は決して大きくはないだろう。ただ外野手としての総合力は評価に値するものがあり、まだまだ老け込むには早い年齢である。外野の層が薄い西武、ベテランの多いヤクルトなどに行けばレギュラー争いに加われる可能性はありそうだ。

投手で停滞するシーズンが続いているのが武田翔太(ソフトバンク)だ。2011年のドラフト1位で入団し、高校卒ながら1年目から8勝をマーク。2015年には13勝(6敗)、2016年には14勝(8敗)と順調にエースへの階段を上っているように見えたが、それ以降の4年間は低迷。昨年は7試合に登板して防御率6点台と自己ワーストの成績でシーズンを終えた。チームには若手の有望株が多いこともあって、完全に“過去の人”となってしまった印象は否めない。

ここ数年の故障の多さは気になるものの、まだストレートは150キロを超えるスピードがあり、今年で28歳という若さも魅力である。ソフトバンクも簡単には手放さない可能性が高いが、投手陣の整備に苦しむチームは多いだけに積極的にチャレンジする球団が出てきてもおかしくはないだろう。

日本のプロ野球界ではトレードというと、戦力の構想から外れ“放出された”というネガティブな見方をされることがいまだに多いが、選手にとっては活躍の場がないまま旬を過ぎていくことの方が不幸であることは間違いない。冒頭でも触れたようにここから新外国人を獲得することが難しい状況だけに、選手にとってもプラスになるようなトレードが多く行われることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール

西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

西尾典文

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