【韓国ドラマ】チャン・グンソク主演『餌【ミッキ】』は新たな韓国サスペンスの傑作! 『イカゲーム』ホ・ソンテの悪役演技に注目

【韓国ドラマ】チャン・グンソク主演『餌【ミッキ】』は新たな韓国サスペンスの傑作! 『イカゲーム』ホ・ソンテの悪役演技に注目

  • FutabaNetPortal:ふねぽ
  • 更新日:2023/09/19
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『餌【ミッキ】』(C)2023 Coupang Play All Rights Reserved

チャン・グンソク5年ぶりの復帰作ということで、韓国で配信された当初から話題になっていた『ミッキ】』。これが、実際観てみると、ものすごい出来栄えなのである。韓国サスペンスの新たな傑作なのではないか。

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とにかく謎が謎を呼ぶ展開でハラハラヒリヒリ目が離せない。韓国では6話ごとに分けられ、パート1とパート2の間隔が2ヵ月ほど空いたという。日本ではモヤモヤせずに全話一気に観られるのは嬉しいかぎりだ。

■チャン・グンソク主演『餌【ミッキ】』は韓国サスペンスの新たな傑作!

物語は、ホ・ソンテ演じる史上最大の巨額投資詐欺事件の首謀者ノ・サンチョンが死亡して8年後、その関係者が次々に殺され、再び彼の名に注目が集まるところから始まる。

やがて繋がっていく詐欺事件と連続殺人事件。チャン・グンソクは、その2つの事件の謎を追う元弁護士の刑事ク・ドハンを演じている。大胆にイメチェンし、髭を生やした容貌が目を引く。

チャン・グンソクとホ・ソンテもインタビューで言及しているが、本作はいくつかの過去と現在を行き来しながら進む展開が真骨頂だ。

最近、この構成を採用する韓国ドラマは多く、『カジノ』や『ムービング』などもそうだが、これまた実に巧妙にできている。事件の経緯をさまざまな時代・視点で見せていき、じわじわと真相に近づいていく。気がつけば、ドラマの世界に引きずり込まれている。

本作で扱われた詐欺事件は、2006~2008年に起きた韓国史上最大規模のマルチ商法詐欺事件であるチョ・ヒパル詐欺事件がモチーフだといわれる。主犯のチョ・ヒパルは2011年、ドラマと同様、中国で亡くなった。映画『MASTER/マスター』も題材にしていて、イ・ビョンホンが演じている。

韓国ドラマや韓国映画でたびたび描かれる詐欺事件。同じ詐欺でも“投資”となると、自己責任論が振りかざされ、世間の目は冷たい。自業自得だといわれることもある。だが、劇中でも印象深いセリフがあるが、被害者はお金だけではなく人生も奪われる。「殺される人より、詐欺をされて自殺する人のほうが多い」のである。

一方で、本作で描かれる被害者は弱者だけではない。被害者の中には、お金を取り戻すため自ら詐欺グループに加担していく者もいる。どう考えればいいのか、なかなか難しいが、つまりは人の欲が絡み合う詐欺事件の裏側には知られざる人間ドラマがうごめいているのだ。

このドラマを通して感じられたキーワードは、“暗中模索”。そのイメージがよく表されてるのが、「あの夜、ついに勝ったんだ でも何に?」と自問自答するようなエンディング曲と、終盤の雪原のシーンだ。

ネタバレになるので、どんな場面なのかの説明は控えるが、この雪原シーンは鬱陵島で撮影された。離島にそんなに雪が?と思っていたら、日本海の孤島である鬱陵島は韓国で最も積雪が多いところで、1日で150センチ積もった年もあるとか。撮影も極寒で大変だったそうだが、これほどの秀作を世に送り出せたのなら苦労の甲斐もあっただろう。

チャン・グンソクは、長い演技キャリアがあるにもかかわらず、本作の出演にあたり演技トレーニングを受けている。相当な意気込みがあったのは確かで、新しいチャン・グンソクが見られるのはひとつの見どころでもある。

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『餌【ミッキ】』(C)2023 Coupang Play All Rights Reserved

だが、何といってもこのドラマの中で最も存在感を放っていたのは、ノ・サンチョン役のホ・ソンテだろう。個人的に今最も注目している俳優のひとりなので、ここは熱く語っておきたい。

イカゲーム』に出演以降、オファーが殺到し、悪役専門俳優の異名をもつ彼だが、これほど変化のある悪役は初めてだったという。

ただのチンピラだった若い頃から、詐欺の才能に目覚め、巨額詐欺事件を起こすカリスマ詐欺師になるまでの極悪人ノ・サンチョンを、表情や声色を少しずつ変えながら大胆不敵に演じている。前作『カジノ』でも最期に大きな見せ場があり、役に恵まれているなぁと思っていたが、それだけではもう説明ができない。本作で役者としてのひとつの高みに立ったのではないか。

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『餌【ミッキ】』(C)2023 Coupang Play All Rights Reserved

子役から始めたチャン・グンソクと違って、ホ・ソンテが俳優を始めたのは30代半ば。もとは大手企業LGの営業マンで、ロシア地域を担当していた(そのロシア語の堪能ぶりは、『怪物』で披露している)。現在45歳なので、俳優歴は何とまだ10年ほど。つまり、チャン・グンソクは俳優の大先輩なのである。

ちなみに悪役ばかりの印象がある彼の意外な作品としては、コミカルな面を見せる『サイコパスダイアリー』がよく知られているが、『愛と笑いの大林洞(テリムドン) 』も絶品だ。妙な勘違いをしてドツボにハマる元ヤクザを好演している。『餌【ミッキ】』とはあまりに違う愛らしい姿に驚くはずだ。

強面コメディアンの実力は、大人気コメディショー『SNL KOREAシーズン2』でも発揮していて、これらを観るとまだまだ俳優としての伸びしろがたっぷりあると感じるだろう。

本作は、『パラサイト 半地下の家族』のパク・ミョンフン、『気象庁の人々: 社内恋愛は予測不能?』のイ・ソンウクなど、いぶし銀な脇役の名演技が見られるのも魅力だが、そんなホ・ソンテを輝かせた注目キャストとして、ここは国会議員役を演じたパク・ユンヒを挙げたい。

2022年から急激にドラマ出演が増えた中堅俳優で、『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』ではソン・ヘギョ演じる主人公の高校時代の担任教師、『愛と、利と』ではムン・ガヨン演じる主人公の父親役を印象的に演じていて、少し前から気になっていた。この2作を観た方なら、「うーん」と思い出せば顔が浮かぶと思う。

本作ではこれまでの役柄とはまったく異なる超絶下品な権力者に扮しているのだが、同じ俳優とは思えないほど。これはもしかすると私だけかもだが、ホ・ソンテとの悪役激突シーンには震えるはずだ。

●配信情報

『餌【ミッキ】』U-NEXT独占先行配信中

[2023/全12話(PART1全6話/PART2全6話)]演出:キム・ホンソンペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』『ボイス~112の奇跡~』、脚本:キム・ジヌク『ミストレス~愛に惑う女たち~』

出演:チャン・グンソク『スイッチ~君と世界を変える~』『テバク~運命の瞬間(とき)~』『美男(イケメン)ですね』、ホ・ソンテ『イカゲーム』『カジノ(シーズン1、2)』『エージェントなお仕事』 、イ・エリヤ『皇后の品格』『サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜』、イ・ソンウク『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』、パク・ミョンフン『パラサイト 半地下の家族』『愛の不時着

■チャン・グンソク主演、話題のKサスペンス『餌【ミッキ】』待望の配信!『イカゲーム』ホ・ソンテ共演

高山和佳

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