衝撃的な事件の裁判記録はなぜ保存されなかったのか?
長崎県内で2003年と2004年におきた、少年による殺人事件の裁判記録が廃棄されていた問題の調査結果が公表されました。
『裁判所の担当者が “耳目を集めた事件でない”と考えた』と説明されています。
【写真を見る】「耳目を集めた事件ではないと所長の判断仰がず」少年による殺人事件の裁判記録廃棄【長崎】
この問題は全国で本来、永久保存すべき重大事件の裁判記録が廃棄されていたことが相次いで発覚したもので、およそ90件が不当に廃棄されていたことがわかっています。
長崎県内でも2003年、長崎市で4歳の男の子が中学生に誘拐され殺害された事件と、その翌年、佐世保市の小学校で6年生の女子児童が同級生を殺害した事件の裁判記録が廃棄されていました。
これらの問題について25日、最高裁判所が調査結果を公表しました。
『本事件は全国的に社会の耳目を集めた事件ではないと考え特別保存に付す必要性もないと考えた』
2003年に起きた長崎幼児誘拐殺人事件に関しては、長崎家庭裁判所の担当管理職から相談を受けた別の管理職が『保存の必要はない』と判断。
所長の判断を仰ぐことなく記録を廃棄したということです。
また2004年、佐世保市の大久保小学校で起きた小6同級生殺害事件でも、長崎家裁佐世保支部の担当管理職が、“全国の耳目を集めた事件とは判断せず” 記録を廃棄したということです。
今後について最高裁は、記録を後世に引き継ぐ仕組みを構築するための常設の第三者委員会の設置や国立公文書館への移管を検討するとしています。