【ベテラン記者コラム(111)】バレット&ペレナラ、王国育ちの妥協のなさと温かみ

【ベテラン記者コラム(111)】バレット&ペレナラ、王国育ちの妥協のなさと温かみ

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  • 更新日:2021/02/22

ラグビーのトップリーグ(TL)で2月21日、注目のニュージーランダー2人が“TLデビュー”した。サントリーSOボーデン・バレットと、NTTドコモSHのTJ・ペレナラだ。バレットは1トライ8ゴールの21得点を挙げ、三菱重工相模原相手の75-7の大勝を牽引(けんいん)。ペレナラも自身でトライを奪ったほか、PKの速攻から逆転トライを生み出すなどの貢献で、26-24とキヤノンを破った。

バレットが88、ペレナラが69というニュージーランド(NZ)代表キャップ数を誇る。まさにワールドクラスの両HBに共通するのは判断力の確かさだ。

バレットは相手の外側にスペースができることを見抜くと、シンプルにパスを通してアウトサイドの選手にアタックを委ねた。相手が外側に寄ってくると今度は、自ら鋭いランニングで、ここが大事だが「縦」に切り込む。自ら奪ったトライも三菱重工相模原の守備に間隙ができたところを、直線的に持っていった。

ペレナラはキヤノンゴール前でのラック連取から持ち出して、インゴールに飛び込んだ。「SHは常にボールの近くにいるのが鉄則なので、それをやっただけ」と自らのトライについてはさりげなく話しただけ。むしろ後半36分にキヤノンにトライを許し、ゴールキックが決まれば逆転される状況で、インゴールでの円陣で南アフリカ出身のLOローレンス・エラスマス主将が話したことについて述べたものに興味がわいた。

「ゴールが決まらなければ(1点差リードの状況なので)時間をかけながらしっかりボールをキープしよう。決められたらトライを狙いながら、反則を誘えるようにアグレッシブにやろうとローレンスは話した。やるべきことを示してくれた」

もちろんペレナラ自身も同じことを思っていあたわけで、満足そうな表情だった。NZの試合前の戦いの儀式「ハカ」のリーダーとしても有名だが、試合中にPGを狙うときレフェリーに伝えていたのもペレナラで、まさにコントローラーだった。

NZの選手は総じて人当たりがいいが、ラグビーに対しては強烈なプライドと責任感を持つ。加えてバレットとペレナラには日本に対するリスペクトも感じられる。バレットの好物は、2019年W杯で滞在した横浜で食べた家系のとんこつラーメン。ペレナラは「CoCo壱番」のカレーが大好きで、特に「大豆ミートと野菜」(ペレナラは菜食主義者だそうだ)がお気に入り。ペレナラはオンライン会見の最後に、日本式に会釈して退場した。

ラグビーに対して妥協せず、人間的に温かい彼らのような存在がチームにいい文化をもたらすことはいうまでもないが、日本ラグビーそのものにも好影響を与えるのは間違いない。来年から始まる予定の新リーグにも、目玉と呼ばれるようなスーパースターが、どしどし加わってほしい。(田中浩)

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突進するサントリーのボーデン・バレット=相模原ギオンスタジアム(撮影・福島範和)

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