気分次第でレッドカード? 理不尽なウーバー「BAD評価」について

気分次第でレッドカード? 理不尽なウーバー「BAD評価」について

  • WANI BOOKS NewsCrunch
  • 更新日:2021/02/21
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不寛容と不条理のごった煮

ウーバーイーツには、注文者や飲食店が配達員を評価する、なんとも不思議なシステムがあります。私たち配達員の空いている時間で、飲食店が作る料理と、お腹を空かせた注文者をつなぐパートナーのはずなのですが、評価されないといけないのは微妙な気分です。

下された評価は、配達員側に「あなたの直近100件の満足度は、GOOD 99%、BAD 1%です」という感じで通知されます。このGOODの数値が急激に下がると、運営側から「あなたの評価が急激に下がっています」という通知が届くのです。実際に配達できなくなるかどうかはわかりませんが、このまま評価が下がると配達ができなくなるのでは、というプレッシャーがかかります。

また、BAD評価がつけられると、どういう理由でBADとなったのか、その理由まで突き出される始末。

「商品が破損していた」「配達に時間がかかりすぎた」という理由に関しては、そう評価されるのも致し方ないな、ということが多いのですが「顧客から見たプロ意識の問題」という理由に関しましては、さまざまなものがありまして……。

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▲コロナの影響から最近では「置き配」が主流 イメージ:PIXTA

コロナの影響もあり、最近ではドアの前に商品を置いて、配達完了のメールを注文者に送信して終了、という「置き配」が主流となっています。ある日のこと、いつものようにドアの前に商品を置いて注文者にメールを送り、現場を立ち去ったところ「プロ意識の問題」が理由でBADの評価を受けました。

この日は最高気温が10度を下回る、都内としては寒かった1日。注文者は、ドアの前に料理を置いたという配達完了メールに気づかなかったのでしょう。ドアの前に置かれた冷えた弁当を受け取り「プロなんだから、到着したことをハッキリ伝えろ!」と、どうやら感じたようです。そんなわけで、この通知があってからはドアの前に置いたらインターホンを鳴らして立ち去るようにしていました。

その2時間後、牛丼をドアの前に置いてからインターホンを鳴らして立ち去ろうとすると、部屋の中からけたたましい小型犬の鳴き声が……。気まずさを感じつつも、その場を立ち去ってから、しばらくして配達員用のアプリを確認すると「プロ意識の問題」が理由でBAD評価が下されていました。

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▲社会の不寛容、理不尽に直面することも... イメージ:PIXTA

同じ日に2回もBAD評価をくらうことは、そうそうあることではありません。ボーっとその画面を見ていると、スーパーのレジ打ちAさんがエコバックに商品を入れる際、2Lのペットボトルを横にして入れたら「そんな入れ方をしたら量が入らないだろ。ペットボトルは縦に入れるのが常識。それでもプロか!」と怒られていたシーンと、縦にしてバッグに入れていた別のレジ打ちBさんが「縦に入れてペットボトルが倒れて他に買ったものをつぶしてしたらどうする! 横に入れるのが常識なんだよ。それでもプロか!」と怒られていたシーンがフラッシュバックしました。

社会の不寛容、理不尽には慣れているつもりですが、タイミング次第ではズシリと精神にくるもの。レジ打ちの方とは、一度プロの仕事について語り合ってみたいですね。

プロではないのに求められる「プロ意識」

もう10年以上前に『人は見た目が9割』という本がベストセラーとなりましたが、去年の夏、まさにその通りの体験をしたこともあります。

日没後とはいえ気温が30度を超えるなかで自転車をこいでいると、着ているものはすべて汗でビシャビシャになります。キンキンに冷やした保冷剤を首に当てたり、自販機で冷たい缶ジュースを買って脇にはさんでみたり、制汗スプレーを使ったりするのですが、流れる汗を止めることはできません。

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▲真夏でも関係ない「人は見た目が9割」 イメージ:PIXTA

そんななか、リュックの中にホッケ定食を入れて向かったのは、下町エリアの5階建ての住宅。エレベーターがなかったので、えっちらおっちら階段を上って部屋の前に到着。「置き配」の指定ではなかったので、ドアの前に到着してから持っていたフェイスタオルで手と顔の汗を拭いてからインターホンを押すと、出てきたのは20代と思われる男性の方。

服が汗でびっしょりの私を見た瞬間、露骨に引いたような表情をしたかと思うと、奪うように商品を受け取り、急ぐようにしてドアを閉めました。しばらくしてからアプリを見ると、やはりプロ意識に問題があるとのご指摘が……。

どう配達すればいいのかと、嘆きたくなることもありますが、いまやアラフィフにも届きそうなオッサンの悩みなど、誰も聞きたくはないもの。BAD評価をくらっても、稼げる額は変わらないのだと自分に言い聞かせ、しかたなく配達を続けるしかないのが現状です。

さて、プロ意識に問題があると評価をするのは、注文者サイドだけではありません。飲食店側も、配達員に問題があるとBADの評価をすることがあります。

まだコロナが騒がれていなかった一昨年の秋のこと、ディナータイムに丸の内エリアのオフィスビルにある中華レストランへ向かいます。注文商品の確認画面を見ると、家族で食べるのか、エビチリ・八宝菜・回鍋肉、あんかけチャーハンなどなど、たくさんの料理を注文されていました。お店に到着して「こちらです」といって渡されたのは、たくさんの料理が雑に詰められた1つの大きな袋。

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▲理不尽な「BAD評価」 イメージ:PIXTA

スーパーのお惣菜コーナーで使われているような大小さまざまな容器が、大きさやバランスをまったく考慮せずに袋に詰め込まれている、そんな状況でした。袋を持ち上げただけでも、中に入った容器が斜めになり、料理がこぼれそうだったので「こっちで詰め替えるから、小さな袋を4~5枚ください!」と言うと、面倒くさそうな顔をして店員さんはレジカウンターへ。袋を持ってくると私に手渡し、さっさとその場を去っていきました。

容器をサイズ別に分けて、運んでいる途中に倒れないようしっかりとしばり、リュックの中に詰めてから注文者の待つお宅へ。中身をこぼすことなく、無事に届けてからアプリの画面を見ると、お店からの「プロ意識の問題」というBAD評価がついていました。

ちなみに「プロ意識の問題」のBAD評価があると、配達員のアプリには「高い評価を受ける配達パートナーは、礼儀正しくプロフェッショナルな態度で、細部に気を配ることが必要です」といった内容のメッセージが表示されます。

この文面を読むたびに、自分はいったい何をやっているのだろう? と自暴自棄になりそうな毎日です……。プロの配達員になるには、まだまだ修行が足りませんね。

〈Uber Eats配達員W〉

UberEats配達員W

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