「お茶の間に愛されることが仕事じゃない」宇垣美里が掲げる、フリーアナとしての現在地

「お茶の間に愛されることが仕事じゃない」宇垣美里が掲げる、フリーアナとしての現在地

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  • 更新日:2020/11/22
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インタビューに答える、宇垣美里 photo:田中達晃(Pash) (C)oricon ME inc.

昨年春にTBSを退社し、フリーアナウンサーとして活躍する宇垣美里。最近ではバラエティ番組でのまっすぐなコメントが話題となり、自身を深く分析して理路整然と考えを述べる様には、ある種の“すがすがしさ”も感じる。フリーとなって1年半、現在の立ち位置をどのようにとらえているのか。自身の思い描くアナウンサー像を語ってくれた。

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■自粛期間は読書や映画鑑賞、仕事に対して「不安はなかったですね」

――TBSを退社されてフリーになったばかりのとき取材した際、大切にしていることとして「自分を貫くこと」を挙げていらっしゃいました。そのスタンスは今もお変わりありませんか?

「はい、本質的には何も変わっていないです」

――芸能、エンタメのお仕事をしていると、少なからずコロナの影響を受けた方も多いと思います。宇垣さんはいかがでしたか?

「少なくともラジオはインフラなのでずっとありましたし、いくつか連載のお仕事もさせていただいていて、締め切りもあって。もちろん撮影の仕事などはストップしていたので、仕事量は減っていたと思うんですが、その期間は、今まで時間がなくてなかなか読めていなかった“積ん読”していた本を読んだり、観たいけど観られていなかった映画とかを観たりして。自粛期間はあっという間でした。」

――ご自身の糧になった?

「そうですね。今までありがたいことに忙しくさせていただいていて、どうしても時間がなくて、インプットが足りないというのが自分の中の課題としてあり、そこにある種の焦りもありました。ようやくいくつか読んだり観たりして、取り入れることができたのは、良い時間だったなと思っています」

――広い意味でエンタメのお仕事は、コロナ禍や災害時には優先順位の高くないものとされてしまうこともありますが、そうした不安はありませんでしたか。

「不安はなかったですね。もちろんテレビの作り方や出演者の人数など、変わっていくところもあると思うんですが、それはそれで順応すれば良いだけ、仕事のかたちが変わったら、また新しい道を見つければ良いだけなので。私の力でどうにもならないことに不安になることには、何のメリットも感じないんです」

――当時のインタビューでは「自分が振り返ったときに『ダサっ!』って思うようなことはしたくない」とおっしゃっていたのが印象的でした。そうした価値基準も変わらず?

「はい。振り返ったときに、子どもの頃の自分や、何か選択する前の自分が『他の道に行けばよかった』と思うようなことはしたくない。それが選んだ道に対する責任でもありますし、選ばなかった将来に報いるためにも、いかに今の選択肢を大事にするかが大切だと思います。後悔することは、無駄なので」

■自分を貫くよりも「”ブレたな”と思うことのほうがしんどい」

――たまには、弱音を吐きたいと思うことはありますか?

「あまりないですね。お仕事のなかで『ああすればよかった…』っていう後悔や反省はあります。それには意味があると思うし、それをしないと人は成長しませんから、大事にはしています。でも、例えば『アナウンサーにならなければ良かった』とか『フリーにならなければ良かった』とか考えるのは、その当時決断した自分に対してとても失礼なことだと思うし、その決断を後押しして下さった方たちに『ああ、止めれば良かった』と思わせてしまうのは、心苦しいので。心が弱くなるようなことが、私の感情の中にあったとしても、それを拾い上げることはないですね」

――「自分を貫く」ことって、実は非常に大変で、エネルギーの要ることだと思います。

「私は少なくとも『あ、ブレたな』とか、自分の思うカッコいい人の振る舞いができなかったなと思うことのほうがしんどいので、自分を貫くことが大変だと思ったことはないです。私の生きやすいように生きていたら、こうなったという感じですかね」

――アナウンサーの方には、マスの視線を気にされる方も多いかと思います。好感度などを一つの軸として語られることも多いですが、そういった役割についてどう思いますか。

「テレビを観ている方に不愉快な思いをさせてしまったり、ニュースが頭に入ってこなかったりするようなことがあっては良くないと思います。そこはTPOに合わせなければいけないと思うんですが、かといって決してお茶の間に愛されることがアナウンサーの仕事じゃなくて、あくまでもニュースを伝えることや、番組を進行すること、MCの方のお手伝いをすることなどがアナウンサーの仕事だと思っています」

■”高校時代の自分に恥ずかしくないように”が選択の軸に

――ところで、宇垣さんは美容好き女子の間で注目度が高いですが、今度、コスメに関する書籍「宇垣美里のコスメ愛 BEAUTY BOOK」(小学館)も発売されるとか。改めて「コスメ愛」をお聞かせください。

「書籍の企画として、いろんなメイクさんにメイクをしていただきました。みんな私ですが、同じ人とは思えないぐらいそれぞれ違う雰囲気になっていると思います。何者にもなれるし、何者でもいられる。それがメイクの楽しさだと思うんです。How toも載っていますので、『あ、こういうやり方があるんだな』と参考にしていただけたらと」

――宇垣さんご自身は、大学入学を機にメイクの面白さに目覚められたそうですね。

「大学の入学式で、周りの子がみんなメイクをしていて(笑)。それまで私自身は、メイクは大人っぽい人がやるものだと思っていたことと、ギリギリまで寝ていたいほうだったこともあり、誰にどう見られるかなどは昔から気にしないので、『別にお化粧してもね……』と思っていたんです。でも、やってみると、他人のためじゃない、自分のために、メイクってすごく良いと思ったんですよ。自分の気分を上げるためだったり、なりたい自分になるためだったり、自分を鼓舞するためのものということを、大学生になって挑戦してみて初めて知って、どんどん好きになった感じですね」

――メイクも、仕事の仕方も、宇垣さんのスタンスはやはり共通している気がします。

「確かにそうですね(笑)。私はあまり判断軸に他人の目線を入れないので。それは問題のある部分ではあるんですが、一方で、だからこそずっと変わらないでいられる部分でもあると思うので」

――ご自身のブレない軸の原点はどこにあるんでしょうか。

「高校生の頃の自分がいちばん真っ直ぐだったと思うので、その頃の自分に恥ずかしくないように、というのは常々頭に置いています。ある種、たくさんあった選択肢の中のひとつを私は選んだわけなので、それ以外の道に進みたかったかもしれない自分に責任をとらなければいけないという気持ちが今も強くあって。私自身は変わらないので、同じ尺度で測れますが、他人や世間は変化するので、判断軸の一つにするには、ブレてしまうんじゃないかとか、正確性はあるかなと思ってしまいます」

――コスメの選び方で変わってきたところはありますか。

「昔より、抜いたメイクができるようになったことですね。全部頑張るんじゃなくて、「アイシャドウきかせるなら、マスカラは要らないや」とか。29年間の中で経験したものや背負っているものがあるので、“全部のせ”じゃなくて良いかなという余裕が生まれた部分はあると思います」

――ご自身のブレない軸があるだけに、「孤高の存在」に見える部分もあります。ソウルメイトというか、心を許せる人はどんな人ですか。

「私は妹とすごく仲が良いので、妹がその一人かもしれません。あとは、高校時代の友人とすごく仲が良くて、いまだに月1回くらいで会っているんですが、自分を肯定してくれる友人がちゃんといるので、他の人からの肯定をあまり必要としていないのかなとも思います。その中には会社員もいれば、個人事業主も、医療関係もいて、ふり幅がすごくあるんですが、根っこの部分での仕事に対する考え方や生きていくうえでのモチベーションが、私とすごく似ていて。かつアナウンサーじゃない私を知ってくれているので、“私らしさ”が他のところでどう位置付けされようと、ちゃんと帰るところがあるんですよ。私が何をしても、どういう評価になっても、受け止めてくれる人がいるというのは、ブレない大きな要因の一つかと思います」

――今後の展望は?

「私は何か新しいモノを見たり、挑戦したり、自分の中のひきだしを増やすのがすごく好きなので、今後もそれは続けていきたいし、その過程で生まれるものを大事にしていきたいと思います」
(取材・文/田幸和歌子)

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