不思議の国へ迷い込んでみませんか?「特別展アリス」森アーツセンターギャラリーで開催中

不思議の国へ迷い込んでみませんか?「特別展アリス」森アーツセンターギャラリーで開催中

  • kufura
  • 更新日:2022/08/06

いまから160年近く前の1865年に誕生し、世界170以上の言語に翻訳されてきた「不思議の国のアリス」。皆さんも子どものころから、絵本や映画などで親しんできたのではないでしょうか?  もはや児童文学のジャンルにとどまらず、映画、舞台、ファッションなど、さまざまな分野で表現されてきた「アリス」の原点から世界的な影響まで、初めて大規模に紹介する「特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界―」が、六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されています。おとぎ話の世界に入り込むような没入型展示演出は、子どもと一緒に楽しむのもおすすめ。内覧会の取材をもとに、「特別展アリス」の見どころを7つのクエスチョンでご紹介します。

1:「不思議の国のアリス」はどうやって誕生したの?

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土手の上で退屈していたアリスが、時計を見ながら急いで通り過ぎていったウサギを追いかけ、穴に落ちて……。

世界中で知られる物語の原作者、ルイス・キャロルの本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドジソン。

オックスフォード大学の数学講師だったドジソンが、1862年の夏の午後、友人の3人の娘たちに即興で語った物語が、誕生のきっかけとなりました。

その後、周囲からの勧めもあって、ドジソンが出版社へ持ち込み、人気挿絵画家ジョン・テニエルの木版画による挿画とともに1865年、『不思議の国のアリス』として世に送り出されることになったのです。

1871年には、「不思議の国」での冒険から半年後の物語を描いた続編『鏡の国のアリス』が出版され、どちらも時代を超えて愛されてきました。

会場では、両作品の挿絵や校正刷りのほか、モデルになった3姉妹の次女「アリス・リドゥル」の写真も観ることができます。

“本物の”アリスは、私たちのよく知るヒロインと同じように、「大胆で、好奇心と知識欲に満ちた」少女だったそうですよ。

2:原作者のルイス・キャロルってどんな人?

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『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』に表現される、謎かけや言葉遊び、科学的知識、そして文化、政治への鋭いまなざし―。

「感性豊かな天才だったに違いない」と筆者がおぼろげに捉えていた作者像が、今回の展示で明らかになりました。

数学が優秀だったのに加え、言葉をあやつる能力にも長けていたそうで、「驚くべき独創性の持ち主」と評された12歳ごろの通知表も会場に。

8人の弟妹を楽しませようと自作していた「家庭内雑誌」には、物語や詩、挿絵に加え、しだいにアートや論理学などの学術的な記事が載るようになりました。

驚くべき才能と緻密な性格、そしてファンタジーへの探求心を持ち合わせた、ドジソン(ルイス・キャロル)の人物像を、展示資料から垣間見ることができます。

3:「アリス」が生まれたのは、どんな時代?

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最初の展示室のガラスケースには、時計や鉄道模型、ティーポットなどが飾られています。

これらは、イギリスから産業革命が起こり、産業化・グローバル化が急速に進んでいった時代を象徴する品々で、「アリス」誕生の時代背景をうかがうことができます。

展示品のなかには、装飾が施された大きなティーポットも。当時、イギリス貴婦人たちの間で流行した「アフタヌーン・ティー」ですが、ときに虚栄心が見え隠れする習慣に、ドジソンは「へんてこりん」なものを感じ取っていたそうです。

「へんてこりん」な「お茶会」は、アリスには欠かせないモチーフですね。会場にはその様子も再現されていました!

4:「不思議の国」はどこにあるの?

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アリスが迷い込んだ「不思議の国」は、地図には載っていない場所で、明確な定義もありません。

だからこそ、世界各国のクリエーターらの想像力をかき立て、非現実的な物語と個性豊かな登場人物たちが様々なイメージを呼び起こしてきました。

本展では、映画、舞台、絵画など、「アリス」が生んだ幅広いジャンルの芸術作品に出会うことができます。

映画は、初期のサイレント作品から、日本でもおなじみのディズニー「ふしぎの国のアリス」(1951年)、ティム・バートン監督「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年)など。映像、セル画、日本公開時のポスターなど貴重な資料が展示されています。

会場でひときわ目を引くのが、舞台衣装(写真)。原作に忠実なものから、現代向きに“翻訳”されたものまで、舞台化も頻繁におこなわれてきました。

また、サルバドール・ダリや草間彌生、ピーター・ブレイクら、「アリス」の影響を受けた20世紀の急進的なアーティストの絵画作品も見どころとなっています。

5:ロンドンで話題沸騰の世界巡回展が日本へ?

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本展は、ロンドンの「ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)」で昨年開かれた大規模展覧会を皮切りに世界巡回中の展覧会に、日本オリジナル展示を加えて構成されています。

芸術、デザインなどの世界的コレクションを誇る同館と海外所蔵作品を中心とした作品と資料約300点を一度に観られるのは、またとない機会です。

遊び心あふれる展示は、ロンドン展を手がけた舞台デザイナー、トム・パイパーのエッセンスが再現され、まるで「不思議の国」に迷い込んだかのような錯覚を起こします。

6:私も「アリス」になれる?

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水色のドレスに白いエプロン姿が、多くの人が抱く「アリス」像ではないでしょうか?

展示会場の終盤を飾るのは、「アリス」の影響を受けたファッションの数々です。日本の「パンク・ロリータ」ファッションや、ヴィヴィアン・ウエストウッドのテーブルクロス風スカート、マッド・ハッター(狂った帽子屋)を思わせるヴィクター&ロルフのオートクチュールなど。

強い意志を持って不条理な世界に立ち向かう勇気あるヒロインと、ユニークな登場人物が、世界的なデザイナーらにインスピレーションを与えてきたようです。

「アリスになる」ために必要なのは、特定のスタイルではなく、自由に、「自己表現」を追求する精神かもしれませんね。

7:子どもと一緒に楽しむポイントは?

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現実では起こらないようなことが、次々に待ち受ける『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』。

会場には、体験型の展示が散りばめられているので、お子さんと一緒に、アリスの世界を探検するようなワクワク感を味わえるはずです。

たとえば、「うさぎ穴」のようなトンネルや、ちょっと不思議な「鏡」。スラリと背が伸びた自分、背丈が縮んで横に広がった自分が映し出され、まるで、薬を飲んで体が伸び縮みするアリスのように、焦ってしまうかもしれません。

また、「アリス」の2つの物語には、「空間」「時間」「大きさ」の概念が深く関わっていて、科学の世界にも影響を与えています。

欧州原子核研究機構(CERN)が取り組む「アリス実験」(重イオン衝突実験)のことなども展示されているので、サイエンスに興味のあるお子さんも必見です。

最後に、ぜひおすすめしたいのが「音声ガイド」の利用。展覧会サポーターも務める女優・上戸彩さんが、ときにアリスのようなお茶目さを披露しながら、声優・細谷佳正さんとともにワンダーランドをナビゲートしてくれます。

作品と展示の魅力をわかりやすく解説してくれるので、親子での鑑賞にもぴったりです。

展覧会グッズにも注目!

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1個825円(税込)

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1個550円(税込)

展覧会グッズも見逃せません。シンプルな洋服やバッグのアクセントにしたい刺しゅうワッペン(写真左)や、海洋堂が塗装表現にこだわって手がけたフィギュア(同右)など、目移りしてしまいます。

また、限定パッケージ入りの紅茶とショートブレッド(780円/税込)、シルクスクリーンのイラストとV&Aのロゴの入ったトートバッグ(4,200円/税込)など、イギリスらしいお洒落なアイテムにも注目です。

いかがでしたか?

ディズニー映画や、本展にも出品される金子國義挿画の小説で作品に親しんできた筆者は、展覧会を通して、世界的な文化現象を巻き起こしながら色あせず輝き続ける「アリス」のパワーに、ますます魅せられました。

すでに「アリス」のファンの人も、これをきっかけに「ワンダーランド」へ足を踏み入れてみたいという人も、この夏、東京へやってきた「不思議の国」へ迷い込んでみませんか?

【展覧会情報】

展覧会名:特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界―

会期:開催中~2022年10月10日(月・祝) ※会期中無休

開館時間:午前10時~午後8時(月・火・水は午後6時まで)

※9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は午後8時まで

※入場は閉館30分前まで ※事前予約制

会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)

https://alice.exhibit.jp

観覧料:一般2,100円(2,300円)、大学・専門学校生1,500円(1,700円)、高校生1,300円(1,500円)、小中学生700円(900円)、未就学児は無料

( )内は土日祝料金

※ 最新情報は公式HPでご確認ください。

新井円

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