福岡県田川市の自宅で1歳の男の子をエアガンで撃ち、育児を放棄して死亡させたとされる父親の裁判員裁判は、検察側が懲役16年を求刑して結審しました。検察は「常軌を逸した悪質な犯行」と主張する一方、弁護側は無罪を求めています。
◆衰弱した唯雅ちゃんに対して育児放棄か
起訴状によりますと、福岡県田川市の無職・常慶雅則被告(27)は2018年、三男の唯雅ちゃん(当時1)をエアガンで撃ってけがをさせた上、母親の藍受刑者(27)と共謀して衰弱した唯雅ちゃんの育児を放棄して死亡させたとされています。
◆「エアガンを操作できたのは被告人だけ」
25日の論告求刑で、検察側は「同居する家族でエアガンの操作をできたのは被告人だけで、犯人だと強く推認できる」と主張。唯雅ちゃんの衰弱については「通常、親であれば容易に気がつく」と述べました。その上で、「本来、深い愛情を持つべき我が子に、エアガンを撃って衰弱を進行させるなど、常軌を逸していると言わざるをえない」などとして、雅則被告に懲役16年を求刑しました。
◆弁護側は無罪主張
一方、弁護側は「被告人以外が撃った可能性を排除できない」「主たる養育者ではない被告人が唯雅ちゃんの要保護状態を認識できなかった可能性はある」などとして、無罪を主張しました。判決は2月9日に言い渡される予定です。