初ドライブを3分でリタイアした私の「ちょうどいい」は時速30km

初ドライブを3分でリタイアした私の「ちょうどいい」は時速30km

  • かがみよかがみ
  • 更新日:2021/06/11
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車の免許をとった。教習期限はギリギリで、8ヶ月も教習所に通っていた。

とにかく、運転が向いていなくて何度も弱音を吐き、本気で途中でやめようか……と血迷った。それでも、何とか走り抜け免許を取得。

取得後、運転することはなく、せいぜい身分証明に使った程度。運転してみたい気持ちと恐怖が戦っていた。

私が泳げなかったから、先生に頭を無理やり掴まれ水底へ沈められた

免許取得後初ドライブ!……も、3分でリタイア

そして、ある日、ドライブに行こうか!と言われ、友人と出掛けたことがあったが、試しに運転して3分もせずにリタイアした。

怖い、無理。せっかく、頑張って免許取ったのにまともに移動もできないのか……と落ち込んだ。

その後、落ち込んでいる私を見かねて、恋人から原付に乗ってみようと言われた。

正直、嫌だった。運転というものに苦手意識が強く、自分が怪我することより人に迷惑をかけてしまうのが怖い。

しかし、私は知っている。彼は一度、思いつくと誰にも止められない。そして、今回は私が落ち込んでいることを気にして、厚意で誘ってくれている。

やるしかない……と腹を括る。少しの希望とたっぷりの不安を抱えて、原付をレンタルしに行った。

時速30km、ビーノにガタガタと揺られたどり着いたのは

乗ったのは、ライトグレーの色味の可愛らしい原付。ビーノという名前らしい。

ドキドキしながら、またがる。自分がこの子を動かすのか……と思うと、少し楽しくなった。

彼氏がバイクに乗り先導するので、それに私はついていく。時速30km、ゆっくりと進む乗り物とガタガタと揺れる車体が心地よく感じた。

お昼に近くの中華料理屋による。少し乗っただけなのに、ひどく疲れていて体に力が入っていたことを知る。頼んだ麻婆豆腐がいつもより、美味しく感じた。

返却するのは夕方、まだまだ時間はあった。昼食後に「もう少し、遠くに行ってみよう。」と彼が言った。

どうしよう、怖い、けどやってみたい。せっかくなら、できることを増やしてみたい。

そう思った。再び、腹をくくり頷く。

魚を釣る人、木々の揺れる音、冷たい風、次々と訪れる新鮮な出会い

近くの神社に向かうことにした。山道なので道は広く、車の通りも少ない。しばらく、無心で走った。トンネルを抜け、しばらく走ると目的地に近づく。

川で釣りをしている人が見える。こんなところで、魚、釣れるんだ。新しい発見をした。

さらに進むと、青々とした木々が空を覆いかぶさるように伸びていた。木漏れ日の心地よさや、木々が揺れる音、川沿いの心地のいい冷たい風。

とても綺麗だった。

こんな場所に自分が自分の力でたどり着いたことがとても嬉しかった。行こうと言われて断っていたら、この気持ちも味わえなかった。いつもと違う休日にして、良かったと思った。

その日は、山にある小さなカフェにも行きたっぷりと満喫をした。

夕方ごろに返却に向かう。レンタルバイクのお兄さんに、「楽しかったですか?」と聞かれ、「はい、とても」と答えた。少しの脱力感と満足感が気持ちよかった。

その夜、調子の良いもので私はベッドの上に寝転がり、原付のサイトなんかを見たりして、できることが増えると途端に無敵になった気がするなと思い、眠りについた。

【厳選】体育館で感じた「死ぬかも」という恐怖。サークルのリーダーだった私への冷たい態度の理由は。4月に読まれたエッセイ

下地優香

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