元騎手・蛯名正義氏が調教師として初勝利「第一歩を踏み出すことができました」

元騎手・蛯名正義氏が調教師として初勝利「第一歩を踏み出すことができました」

  • NEWSポストセブン
  • 更新日:2022/05/14
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蛯名正義厩舎初勝利の瞬間。単勝1.4倍の圧倒的1番人気馬を直線でとらえ、最後は1/2馬身差をつけた

1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、5月8日にあげた調教師としての「初勝利」についてお届けする。

【写真】水色のシャツ、紺のジャケット姿の蛯名正義氏

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JRAホームページに僕の「初勝利」として《2022年5月8日2回東京6日7Rバニシングポイント・延19頭目》と記されました。

バニシングポイントが勝ったのは2歳8月の札幌新馬戦以来およそ1年9か月ぶり。その時は2着に7馬身差をつける強い勝ち方でした。暮れのGIホープフルステークスにも出走している期待馬でしたが、なかなか結果が出ませんでした。

古馬と走るようになった3歳6月からの10戦で2着が5回と、だいぶ復調してきた。藤沢和雄厩舎での技術研修でデビューからずっと見ていたので、だいぶ特徴をつかみつつありました。「我」が強くて難しいけれど、おだてると調子に乗るタイプではないかと思っていて「やればできるぞ(YDK)」と繰り返しささやいていました(笑)。

開業後の3月21日(月・祝)の中山競馬場の2000mでは、1番人気に支持されましたが9着。騎乗したルメール騎手によれば、「長くいい脚を使うシーンがなかったけれど、広い競馬場ならば」ということでした。馬の気持ちが変わってきたということが見受けられていたので、何かきっかけがあれば変わってきてもおかしくないと思っていました。

お父さんがタピットの外国産馬ですが、実はこの馬のお姉さんであるレリカリオには騎乗したことがあります。調教師として初めて勝った馬のお姉さんに騎乗したことがあるというのもジョッキー出身ならではでしょう。2018年2月小倉の3歳未勝利戦。出遅れて大きく置かれ気味になりましたが、後半盛り返して6着でした。

今回も先に抜け出した1番人気の馬を目標に、東京の長い直線で末脚を発揮してくれました。横山武史騎手が馬の持ち味をうまく生かしてくれたと思います。

これまで自問自答しながら調教してレースに出走させていましたが、一つ勝って、やっと調教師としてスタートを切ったなという感じです。ジョッキーの時と違って、1頭1頭との付き合いの密度が違います。1つ勝つのはそんなに簡単なことではないと思っていましたので、この馬が結果を出してくれたことは感慨深いですね。他にも多くの馬を預けていただいている長谷川祐司オーナーの馬であることもよかったと思いました。

レース自体は冷静に見ていましたが、GIデーだったこともあって、場内はけっこう盛り上がっていたようですね。ウイナーズサークルでも、大勢のファンの方から「おめでとう」と声をかけていただきました。ちょっと照れくさかったけれど、本当にありがたいことです。

開業から2か月が過ぎていましたが、慎重な性格ゆえ、あまり数を使っていなかったので、勝てていないことはそれほど気にはしていないつもりでした。それでも注目されているのはわかっていましたし、多少プレッシャーにもなっていました。

今は元ジョッキー蛯名正義が調教師になったということで注目されていますが、これからはいい馬をつくる厩舎、ということで注目されるようにならないといけないと思っています。

【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。

※週刊ポスト2022年5月27日号

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