電動車に躊躇する者たちの意識を変える、非ガソリン車の怒涛の投入ラッシュ

電動車に躊躇する者たちの意識を変える、非ガソリン車の怒涛の投入ラッシュ

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/02/22
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まず、「電動車」というのは、簡単にいうと電気モーターとバッテリーで動く電気自動車、ハイブリッド車、プラグイン・ハイブリッド車、燃料電池車を含むもの。皆さんもちろんご存知の通り。

さて、2030年に多くの国でガソリン仕様車を禁止するという規制がだんだん固まってきている。昨年12月に、ついに日本でも30年にガソリン車の販売が禁止されるという衝撃的なニュースが流れた。その代わりに、電動車の存在がどんどん拡大してきている。2月に入ってから、その動きは波から津波的な勢いになり、毎日のように欧・米・日で電気自動車やハイブリッド車が発表されている。

実際、先週から急ピッチで、EV車やハイブリッド車がたくさん発表されている。オンラインでついていくだけで大変だ。ジャガー・ランドローバー、マクラーレン、ロータス、アウディ、日産、三菱、ホンダ、ジェネラル・モーターズ、フォードなどが短いスパンで電動車のニュースを発したり、新車を発表したりしている。

まずは英国から紹介すると、ジャガー・ランドローバーが2025年までに、高級ブランドのジャガーのラインアップを全車EV化させたり、ランドローバーからは6台のEV車を出すと発表した。こうした動きを通して、2039年までにサプライチェーンと製品、オペレーションを含めたCO2排出量ゼロを目指す。また、水素を燃料とする燃料電池車の開発も進行しており、1年半以内にプロトタイプが英国の道路に姿を見せる予定だという。

この発表から24時間以内に、マクラーレンが次世代スーパーカーを披露した。「アートゥーラ」という2人乗りは、V6のガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド・システムを搭載している。「P1」という究極のモデルなどで既に電動化技術を実証してきたマクラーレンとして初のハイブリッド量販モデルとなる。

カーボンファイバー製プラットフォーム、680psを発揮するV6ツインターボ付きハイブリッド・パワートレーン、最先端のドライーバーインターフェースを採用した同車は全く新しく設計されている。また、一充電あたり30kmのEV走行が行える。

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マクラーレン アートゥーラ

さらに先週、英国のスポーツカー・メーカーのロータスが、「E-R9」という2030年の次世代EV耐久レースカーを提案し、バーチャル画像で発表した。F1選手権で3回の勝利に輝いたロータスにとって、新しい挑戦となる。

最大出力2000psを可能にするのは、「バッテリーの蓄電容量や出力は、年々大幅に向上しているから」だという。2030年までに、ピットストップ中にバッテリーを速く交換できるシステムが実現する可能性があるという。また、近未来的な特徴として、自動的に形状や姿勢を変えることができる「モーフィングパネル」も搭載されると発表した。

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ロータス E-R9

また先週、三菱アウトランダーPHEVがフルモデルチェンジをした。アウトランダーは三菱が世界に展開しているクロスオーバーSUVで、2001年の初代デビュー以来、これまでに累計260万台が販売されてきた。

さらに、そのPHEV仕様が欧州で大人気となり、販売台数が27万台を突破。今回発表された4代目のモデルは、従来型から刷新された外観や、新開発のプラットフォームと進化した4WD制御によって高められた走行性能がポイントだ。また、内装はレンジローバーの質感に近く上質な車内空間に生まれ変わっているところが注目されるはず。

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三菱アウトランダーPHEV

2月18日に、日産は欧州で販売を予定している新型クロスオーバー「キャシュカイ」を公開した。欧州で日産のブランドイメージを変えたキャシュカイは、欧州市場で初めてアライアンス CMF-Cプラットフォームを採用したモデルであり、欧州初となるe-POWERも追加投入される。

パワートレーンでは、日本で大人気のe-POWERの他に、新開発の12Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた1.3リッターの直噴ターボエンジンを搭載した仕様も用意。欧州でのe-POWERに対する初評価は気になるところだ。

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NISSAN カッシュカイ

ホンダも同タイミングで世界戦略車の新型「ヴェゼル」(海外名:HRーV)を発表した。120か国で販売されるこのクロスオーバーはなんと8年で380万台の大ヒットとなっている。多少、マツダのSUVの顔を思わせるスタイリングを採用したヴェゼルは1.5Lガソリン仕様もあるが、メインは2モーターハイブリッド・システム「e:HEV」を搭載した新ハイブリッド車になるだろう。

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ホンダ ヴェゼル

2025年までに、年間100万台のEV車を販売することによって、世界一の座を獲得できると確信しているとアメリカのゼネラル・モーターズのメアリー・バーラ社長が言う。この台数を可能にするのに、中国を含む全世界で2020年代半ばまでに30台のEVを出すそうだ。

テスラをやっつけたいと言う気持ちが強いらしく、大きくコスト削減と生産能力を上げる「ウルティム・バッテリー・システム」を導入するとバーラ社長。その30台の中に、「ハマーEV」も入っているらしい。

日本から既に撤退したフォードは、欧州でフォルクスワーゲンのMEBプラットフォームをベースにした「ミニ・マスタングMach-e」を2023年に出すと発表した。同車は話題のEV車「マスタングMach-e」からインスピレーションを受けてるようだ。

アウディもついに最近、637psを発揮する新型EV「RS e-tron GT」を披露した。800Vシステムが装備されており、従来のシステムと比較して充電時間が大幅に短縮されるそうだ。バッテリー容量の80%を充電するのに必要な時間はおよそ20分で、320km以上の航続を可能にした。

これらのニュースを見て、ふと思った。

ついに、これでEV車や次世代ハイブリッドが今までガソリン車にしか乗りたがらない一般人にも浸透したような気配がする。この動きを刺激しているのは、どんどん進歩するバッテリー技術だ。今現在、高価格、航続距離に対する電欠の恐れ、充電問題はまだ気になるユーザーがいるようだけど、ついにバラエティに富んだEV車が登場し、次世代バッテリーのおかげで航続距離が伸びることによって、躊躇していた人もEV車などに挑戦してみようという時代になりつつある。

国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載

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