
年中手に入る、有名店の“じゃない方”と看板メニュー。
志むら(目白)
"お茶請けの名脇役"との呼び声高し。
昭和14(1939)年創業。女将の志村友子さんが「和菓子屋の生命線」と話す餡は、北海道産小豆を使用し、豆の状態から手作り。お菓子ごとに味のバランスを考え、餡の甘さがそれぞれ調整されている。
青エンドウ豆を混ぜたのし餅でこしあんを巻いた福餅は、この店の名物の一つ。餡は甘さを抑えて、口溶け滑らかな食感に仕上げている。
一方、上新粉にヨモギを混ぜ込み香り高く仕上げた団子の上に、甘味の強いこしあんをのせた日吉団子は隠れた名物といえる。福餅とセットで購入する客も多く、早い時間に完売することも。
じゃない方

日吉団子/山形にたっぷりのった餡は、きめ細かく滑らか。よもぎ餅にも甘味を加えて、全体的に甘さが際立つ味わいに。小さめで上品なサイズは差し入れにも最適だ。1本160円。
看板菓子

福餅/毎日つきたてを使って作られるのし餅は、コシがありながらも軟らかな食感。口溶けの良いあんこが、程よく塩味を効かせた青エンドウ豆の香りを引き立てる。1個160円。
Information

志むら
住所:東京都豊島区目白3-13-3 |地図
TEL:03-3953-3388
営:9時~18時
休:日曜
2階の喫茶スペースでは、和菓子のほか、かき氷なども一年を通して提供している。
公式サイト:https://www.wagashi.or.jp/tokyo_link/shop/2623.htm
photo: Wataru Kitao, Natsumi Kakuto / food: Mika Ninomiya / text: Mae Kakizaki
No.954 掲載

なにしろあんこ好きなもので。
2022年1月11日 発売
毎日でも食べたいあんこ菓子といえば、街で会える、できたてのおはぎや、柔らかな大福、焼きたてのたい焼き……。一方、季節の変化を知らせ、人生の節目に願いを込めて食べられるあんこも。ひと息入れたいときは、甘味屋さんでお汁粉、ぜんざい、あんみつを。久しぶりに会える人には、自分の好きな推しあんこを手みやげに。郷里のお土産には、よその人には知られざる、地元あんこ菓子。私たちの日々の暮らしの傍にある、あんこ菓子でいっぱいの一冊です。
BRUTUS編集部