
"第48期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第4局で、対局開始で一礼する渡辺明棋王(左)と藤井聡太五冠=2023年3月19日午前9時、栃木県日光市、代表撮影"
将棋の藤井聡太竜王(20)が19日、栃木県日光市で指された第48期棋王戦五番勝負(共同通信社主催)の第4局で渡辺明棋王(38)=名人と合わせ二冠=に勝ち、シリーズ3勝1敗でタイトルを奪取した。王位、叡王、王将、棋聖も保持する藤井竜王は、史上2人目の六冠を20歳8カ月の最年少で達成した。
過去の六冠は1994年12月に当時24歳2カ月で達成した羽生善治九段(52)のみ。最年少記録を29年ぶりに3年6カ月更新した。名人と王座を含めた前人未到の全八冠独占を視野に捉えた。
快挙を受け、藤井新棋王の師匠である杉本昌隆八段(54)は、日本将棋連盟を通してコメントを発表した。
「棋王獲得おめでとうございます。最年少での六冠達成を喜ばしく思います。過密なスケジュールの中、着実に勝ちを積み重ねる姿勢には驚くばかりです」
祝福の言葉を贈りながら、棋王戦と門下の縁についてつづった。
「その昔、大師匠(杉本八段の師匠)の板谷進九段が当時の名人を含めた歴代の3人の名人(大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、谷川浩司十七世名人)に勝ち、挑戦者決定戦で敗れた心残りのある棋戦です」
1983年度の第9期棋王戦で快進撃を見せながら、悲願だったタイトル初挑戦を逸した師匠に思いをはせながら「今回の孫弟子の快挙を喜んでおられることでしょう。さらなる活躍を期待しています」と結んだ。