
ビッグモーターと損害保険ジャパン。
その親密な関係に、金融庁のメスが入った。
都心の六本木から、多摩市に移転したビッグモーターの本店には、19日、4人の検査官の姿が。
金融庁が、立ち入り検査に着手したのは、ビッグモーターが抱えるさまざまな不正や疑惑の中で、最初に明らかになった、保険金の不正請求問題。
保険販売の代理店として、契約者の保護に問題がなかったか調べるとしている。
一方、新宿にある地上43階建ての損保ジャパンの本社ビル。
その地下駐車場にも、金融庁が立ち入り検査に入った。
10人ほどの検査官が、ビルの中へ。
損保ジャパンへの検査のポイントは、ビッグモーターとの関係性。
先日、白川社長は「(損保ジャパンの)出向者に対するヒアリングもしておりましたので、関与はなかった」と話した。
しかし金融庁は、延べ37人にも及ぶ、ビッグモーターへの出向者の役割などを重点的に調べるとしていて、検査には数カ月を要するとの見方も。
不正の実体解明が進む中、FNNは、ビッグモーターでの車購入トラブルをめぐる新たな証言を得ることができた。
数年前、関東地区の店舗で新車を購入したAさん。
同じ車種・装備で、正規ディーラーよりも安く新車を買えるとの説明を営業担当者から受け、購入に踏み切った。
ところが...。
車を購入したAさん「(特に)カーナビが頼んだものより安い、機能の省いたものだったんです」
Aさんが気づいた、カーナビの機種違い。
あわてて契約書を見ると、そこには、自分が頼んだ商品名や型番などの記載はなく、ただ「カーナビ」とだけ書いてあった。
その後、担当者に聞くと...。
Aさん「注文したということだから、細部までは調べてないんですよね」
担当者「細部までは...見てないですね」
営業担当者は非を認め、Aさんに謝罪。
ところが、カーナビなどの違いから車をキャンセルできないか店長に聞くと、態度が一変したと、Aさんは話す。
車を購入したAさん「契約書通りだからって、何も相手にしてもらえなかったんですよ。(店長からの)謝罪とか、そんなことはとんでもない話で、言われたい放題言われただけです。クレーマーのように。何言ってるんですか? みたいな」
結局キャンセルには応じず、買ったばかりの新車を泣く泣く中古車として売る形に。
Aさんにとっては、20万円近いマイナスとなってしまった。
当時を振り返り、Aさんは最初の担当者と店長のあまりの態度の違いに違和感を覚えたと話す。
車を購入したAさん「ずいぶん態度が変わって、『おかしいな』っていうことを思ったんだけれど、結果的に今思えば、(担当者と店長)2人で相談しながら、うまく導いていったのかなって」
ビッグモーター側は、この件について、FNNの取材に「店舗に対して確認を取りましたが、事案の特定ができておりません」とコメントしている。