「元レペゼン地球のDJ社長から学ぶ人心掌握術」ママYouTuberのなーちゃん

「元レペゼン地球のDJ社長から学ぶ人心掌握術」ママYouTuberのなーちゃん

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  • 更新日:2021/06/11
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なーちゃん/1989年生まれ。二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男のこうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。

レペゼン地球は若年層を中心に絶大な支持を得ていたアーティストで、YouTubeのチャンネル登録者数は250万人を超えていました。人気絶頂でありながら、昨年末のライブをもって解散し、動画を全て削除しました。さらに年が明けて元レペゼン地球が、「Candy foxx」として新たに活動することを発表しました。そして先日、リーダーのDJ社長が「本当のレペゼン地球 解散の経緯について」という動画をアップロードし、その内容が話題となりました。

彼の話を要約すると、DJ社長が借金を抱えていた際に、株式会社の立ち上げを持ちかけたH氏という人物がおり、実質的にH氏が株式を100%保有していたそうです。そのため、DJ社長がレペゼン地球として成功した後も、曲の権利や商標が全てH氏の権利となっており、人気が出た後も、メンバーには月30万円程度の給与しか支払われていなかったそうです。そして株を買い戻す話し合いが難航し、レペゼン地球としての活動を辞めざるを得なかったとのことです。DJ社長のこちらの動画は公開後6日で960万回以上再生され、新しく立ち上げたチャンネル「Repezen Foxx」の登録者は250万人を超えました。

この話題は、私たちに2つの事例を示しています。1つは、YouTuberを始めとするアーティストが陥りやすい契約のミスです。これは視聴者目線の「動画の内容」についての事例です。2つ目は、今回の動画を公開することでファンを爆発的に増やしたDJ社長の手腕です。これは投稿者目線の分析になります。

普通の経営者であれば、会社の株式を100%保有されることはまさに「生殺与奪の権を他人に握らせる」ことと同じだと理解しています。ビル・ゲイツが世界一のお金持ちになれたのも、自身の株を最後まで手放さなかったからでした。そのくらい、株は重要な意味を持ちます。次に重要なのは「権利」です。商標権や版権、原盤権や知的財産権などです。よく聞くのは、インディーズのアーティストが、「メジャーデビュー」をする条件の契約書で原盤権を取られてしまう事例です。漫画家や作家にも度々起こります。自分のコンテンツの権利を自分で持てないことの恐ろしさは、想像以上です。

DJ社長の場合、ライブでドームを満員にするほどの人気がありましたので、物販の売り上げやカラオケの印税も相当な金額になっていたはずです。おそらく億単位の収益が発生しており、年間数千万を得られたはずです。この収益のほとんどがメンバーに渡されなかったのは、権利が会社にあり、その会社は株主のものだからです。かつて、人気YouTuberの動画を視聴した際に、2万円のモノを勇気を出して買えたことをとても嬉しそうに語っている姿をみて、大きな違和感を覚えたことがあります。そのYouTuberの収益は、再生回数からどう少なく見積もっても月に200万円を超えているのに、なぜ2万円の商品が「やっと」買えたのだろう…と。後から関係者を通して知ったのは、そのYouTuberが給料として月に20万円ほどしかもらえていないという事実でした。アカウント管理も会社が行っていたために、自分の動画の収益を知らなかったのです。

DJ社長が今回の動画をあげたことは、非常に興味深く、大きな意味をもちます。誰もが、DJ社長の動画を見ると彼らのことを「かわいそう」と思い、「応援したくなる」はずです。動画を公開してからファンは増え、話題も増し、レペゼン地球を知らない層も巻き込んで大きなトレンドにしました。DJ社長の武器は、この「人を巻き込む力」です。もともと非常に才能があり、音楽や動画を通して多くのファンをつける魅力的な人物です。株主にも法律にも支配されず、会社の資産にも計上されない大きな資産は、「影響力」と「ファン」です。レペゼン地球は解散しましたが、ファンはCandy Foxxに移行しました。Candy Foxxの人気はDJ社長やメンバーのものです。この人気は知識と同じく、誰にも盗めない財産です。今の時代に、「影響力」と「ファン」は大きな資産になります。DJ社長の動画は、新しい資産のカタチを示してくれるものでもあります。

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