
3回、杉本は中越えに9号ソロを放つ(撮影・佐藤厚)
「西武1-4オリックス」(26日、ベルーナドーム)
すさまじい打球音が響き、白球は瞬く間にバックスクリーンへ吸い込まれた。復帰初打席。オリックス・杉本の目覚めは早かった。「打った瞬間、いってくれるかなと思いました」。バットを掲げ、一塁では右手を突き上げる。ニッコニコの笑顔でダイヤモンドを一周した。
両軍無得点の三回。先頭で松本の高め直球を振り抜いた。左ふくらはぎの軽度筋損傷からの復帰戦。故障明け直後は無意識に再発の怖さがあった。「だんだん怖さがなくなってきた」。今は、もうない。肌は日焼けしている。2軍でも結果を残し、持ち味のフルスイングを取り戻した。
先発は山岡。自主トレで互いに汗を流してきた。「ホームラン打ってよ」。試合前にお願いされた。中嶋監督は「すぐへこんじゃうんで」と重圧を軽減するため、あえて7番で起用した。ナインや指揮官の思いに応え、最高の一発。離脱がありながら、リーグ単独トップの9号だ。
4月26日以来、ちょうど1カ月ぶりの昇天ポーズ。「1軍の舞台で打って、声援をもらえるのは気持ちいいですね」。チームは今季2度目の4連勝。首位・ロッテに1・5ゲーム差と詰め寄った。待ちに待ったラオウの復活。再び首位へ。役者がそろってきた。