【六本木】アヴァンギャルドな陶芸家特別展「生誕150年記念 板谷波山の陶芸」@泉屋博古館東京

【六本木】アヴァンギャルドな陶芸家特別展「生誕150年記念 板谷波山の陶芸」@泉屋博古館東京

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  • 更新日:2022/11/25

六本木の泉屋博古館東京では「生誕150年記念 板谷波山の陶芸― 近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯」が12月18日(日)まで開催されています。

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板谷波山(1872-1963)

板谷波山(いたや はざん1872年~1963年)は、明治5(1872)年茨城県下館町(現・筑西市)に生まれ、明治22(1889)年東京美術学校(現・東京藝術大学)彫刻科に入学し、岡倉天心や高村光雲に師事しました。

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板谷波山《元禄美人》1894年(明治27年) 東京藝術大学蔵

その後、工芸の街・金沢の石川県工業学校(現・石川県立工業高等学校)に彫刻科の教員として赴任した後、窯業科創設に際し同科で教鞭をとり、本格的に陶芸を始めています。

明治36(1903)年には東京・田端の地に移り、陶芸家「波山」として数々の名作を生みだします。昭和9(1934)年帝室技芸員に任命され、昭和28(1953)年には陶芸家初の文化勲章を受章し、昭和29(1954)年には日本画の横山大観と共に茨城県名誉県民の第一号となりました。

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ホール展示風景

至高の美を求めて

板谷波山は釉の下に絵付けする「釉下彩(ゆうかさい)」と呼ばれる技法で色彩を表現しました。波山の代名詞と言えるのが「葆光彩磁(ほこうさいじ)」という装飾技法です。葆光彩磁とは、素地に描写・着色した後、「葆光釉(ほこうゆう)」と呼ばれる独自のツヤ消し釉薬をかけて焼成する技法のことで、波山自身が命名しました。

代表作の一つ、重要文化財 《葆光彩磁珍果文花瓶(ほこうさいじちんかもんかびん)》は、大正6(1917)年、波山芸術を愛した住友春翠によって購入され、泉屋博古館東京に継承されています。

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重要文化財《葆光彩磁珍果文花瓶》1917年(大正6)年 泉屋博古館東京蔵

「葆光彩」の作品は、薄絹を被せたようなマット釉がかかり、気品を備え優美なたたずまいです。

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展示風景

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《彩磁瑞花祥鳳文花瓶》1916年(大正5)年 MOA美術館蔵

板谷波山は当時の日本では最新型で、本格的な高火度焼成の窯を個人で東京田端に構え磁器焼成に挑みました。薪窯による焼成のリスクは大きく、経済的にも困窮していた時期もあった様です。しかしながら理想の作品づくりのためには一切の妥協を許さず、端正で格調高い作品を数多く手がけました。

波山の作品に対するこだわりは強く、厳しい基準を満たせないと次々と破却したといいます。今回の展示では、窯跡から発掘された陶片の数々も作品とともに紹介されています。

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展示風景

鳩杖

波山は、下館に住む80歳以上の高齢者に、自ら御宅に訪問して自作の杖「鳩杖」を贈呈していました。頭部に鳩が飾られている杖は贈る人物の体格まで考慮し、すべて長さが異なるほど丁寧に作られています。波山は号を故郷・下館から見える名山「筑波山」から取ったように下館を深く愛しており、エピソードも多く残っています。

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手前:《鳩杖》昭和8-26(1933-51)年頃 板谷波山記念館蔵

右奥:《観音聖像》昭和10-30年代(1930年代後半-1960年代前半) 板谷波山記念館蔵

ジャパニーズ・アール・ヌーヴォー

若き波山が熱心に取り組んだ課題は、西欧で流行したアール・ヌーヴォースタイルの意匠研究と、西欧渡来の釉や顔料の実用化です。日本陶芸界のアヴァンギャルドとして、造形や意匠の革新者として、波山は次第に注目を集める存在となっていきます。

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右:《彩磁金魚文花瓶》1911(明治44)年頃 筑西市(神林コレクション)蔵

左:《彩磁銀杏散文花瓶》1907⁻1917(明治40年代)個人蔵

アール・ヌーヴォー様式を取り入れた高さ77.5cmの大作です。大小の蕗(フキ)を組み合わせた植物の生き生きとした様子が伺える作品です。

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《彩磁蕗葉文大花瓶》1911(明治44)年頃 廣澤美術館蔵

侘びの味わい —茶の湯のうつわ

波山の父・増太郎は文人趣味、茶道の嗜みもありました。その「美を愛する心」は波山にも受け継がれていたようです。本展では第3章の最後に茶の湯の器の作品も展示されています。

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展示風景

生誕150年記念 板谷波山の陶芸 -近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯-

2022年12月18日(日)まで

泉屋博古館東京

東京都港区六本木1丁目5番地1号

https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/

11:00~18:00 ※金曜日は19:00まで開館

※入館は閉館の30分前まで

休館日 月曜日

一般1,200円(1,000円)、高大生800円(700円)、中学生以下無料

※20名様以上の団体は( )内の割引料金

※障がい者手帳等ご呈示の方はご本人および同伴者1名まで無料

TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)

東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅下車

北改札正面 泉ガーデン1F出口より屋外エスカレーターで徒歩3分

東京メトロ日比谷線「神谷町」駅下車 4b出口より徒歩10分

東京メトロ銀座線「溜池山王」駅下車 13番出口より徒歩10分

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