ボーナスから手取り額が減るのはなぜ? 税金はどのくらい引かれるかをチェック

ボーナスから手取り額が減るのはなぜ? 税金はどのくらい引かれるかをチェック

  • マイナビニュース
  • 更新日:2021/06/10
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6月、7月はボーナス月という人は多いのではないでしょうか。支給されると嬉しいボーナスですが、給与明細を見て額面と手取りの差にビックリ! ということも。一体、なぜあんなに手取りが減ってしまうのでしょうか。ボーナスから差し引かれる項目について確認しましょう。

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■ボーナスから差し引かれる項目

ボーナスから差し引かれるのは、主に社会保険料と税金です。人によっては社内積み立てや共済掛け金など、福利厚生費用も差し引かれているかもしれません。ここでは誰でも共通して差し引かれる社会保険料と税金についてお伝えします。

社会保険料として差し引かれるのは厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料(40歳以上)、雇用保険料です。これらすべてを合計すると額面の約15%の金額になります。では内訳を詳しく見ていきます。
・厚生年金保険料

厚生年金の保険料率は18.3%です。厚生年金は労使折半ですから、ボーナスから差し引かれる金額は18.3%の半分9.15%分の保険料です。標準賞与額に9.15%をかけた金額が差し引かれます。標準賞与額とは、細かな定義はあるものの各種手当を含めたボーナスの額面と考えてほぼ問題ありません。ただし、計算の対象となるボーナスには上限があります。上限は月間150万円なので、150万円以上ボーナスがある人は、150万円に9.15%をかけます。
・健康保険料・介護保険料

健康保険と介護保険の料率は加入している健康保険によって異なります。例えば、東京都の協会けんぽの場合、2021年3月分からの健康保険料率は9.84% 介護保険料率は1.8%です。健康保険と介護保険も労使折半ですから、負担する保険料率はそれぞれ、4.92%、0.9%ということになります。40歳以上の人は、健康保険料に介護保険料を含めて納めますから、4.92%+0.9%=5.82%の保険料率になります。保険料は標準賞与額に保険料率をかけて求めますが、健康保険も計算の対象となるボーナスに上限があり、年間573万円となっています。
・雇用保険

雇用保険の保険料率は業種によって異なるものの、大多数の業種では2021年は0.9%です。このうち労働者の負担は0.3%です。ボーナスの金額に0.3%をかけた金額が雇用保険料として差し引かれます。
・所得税

所得税はボーナスから今までお伝えした社会保険料を除いた金額に税率をかけて求めます。以下が所得税を求める計算式です。

(ボーナス―社会保険料)×税率=所得税

税率は人によって異なりますが、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を見れば税率が分かります。ボーナス月の前月の給与から前月の社会保険料差し引いた金額と扶養人数をもとに、表の該当箇所を見ると税率が書かれています。

参照:国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和3年分)」

■モデルケースでシミュレーションしてみると

もう少しイメージを膨らませるために、下記の家族で手取りと控除額を計算してみましょう。

子ども:17歳と15歳
妻:会社員(夫の扶養には入っていない)
夫:50歳の会社員

この家族の夫のボーナスでシミュレーションしてみます。なお、保険料率は東京都の協会けんぽの料率を使用します。

ボーナス:70万円
ボーナス前月の給与:40万円
ボーナス前月の社会保険料:6万円

厚生年金保険料(保険料率9.15%):70万円 × 9.15% = 6万4,050円
健康保険料(保険料率5.82%)70万円 × 5.82% = 4万740円
雇用保険(保険料率0.3%)70万円 × 0.3% = 2,100円

所得税:(ボーナス―社会保険料)×税率
上記計算式に数字をあてはめると、
70万円―(6万4,050円+ 4万740円+ 2,100円)× 8.168%=4万8,445円

ここで所得税率8.168%の求め方を考えます。「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」において、「前月の社会保険料等控除後の給与等の金額」は、40万―6万=36万円です。次に扶養親族の人数です。この夫には、子どもは2人いますが、扶養親族は17歳の子1人です。これは、扶養親族とは16歳以上の人を指すからです。扶養親族1人、前月の社会保険料等控除後の給与等の金額36万円があてはまる税率を表から探すと8.168%です。

以上より、70万円のボーナスが差し引かれる社会保険料は10万6,890円、所得税は4万8,445円です。70万円のボーナスの手取りは約54万円ということですね。
■何にどれだけ納めているかを知ろう

額面と手取りの差が大きいと、税金が原因で手取りがずいぶん少なくなったと思うかもしれません。しかし、実際は社会保険料の方が高いことが分かります。もちろん、ボーナスの金額によっては所得税の方が高くなる人はいます。しかし、所得税の計算式を見ると、ボーナスから社会保険料を差し引いた後に税率をかけていますから、社会保険料を差し引くことで税額を小さくする仕組みになっていることが分かります。

健康保険や年金など社会保険は、病気や怪我で働けなくなり収入が減ったり、高齢で稼げなくなったりした時などに、お金が支給される私たちの生活を支える制度です。社会保険料は必ず納めるお金ですから、その分のお金には税金をかけない仕組みになっているのです。そう考えると、所得税はしかるべき所得にかかっているということが、よく理解できます。

ボーナスを受け取ったら、額面と手取りだけ見て控除については、何にいくら納めているか確認することは少ないかもしれません。しかし、自分の納めているお金ですから、しっかり把握しておきたいですね。その上でボーナスの貯蓄方法や使い道を考えるとお金の管理も上手になります。

前田菜緒 まえだなお ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者) FP相談ねっと認定 AndAsset代表 7年間の保険代理店勤務を経て独立。資産運用と保険に強いファイナンシャル・プランナーとして、子育て世代向けに相談やセミナーを行っている。全国どこからでも受講可能なマネーオンラインスクールを毎月開催。自宅で学べる手軽さと講座内容のわかりやすさが好評。子どもが寝てからでも参加できるよう、マネースクールや相談は夜も行っている。 FPオフィス And Asset FP相談ねっと認定FP 前田菜緒 この著者の記事一覧はこちら

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