苦手な人が多い「バック駐車」なぜ日本で主流? 後退で上手に駐車するコツとは

苦手な人が多い「バック駐車」なぜ日本で主流? 後退で上手に駐車するコツとは

  • くるまのニュース
  • 更新日:2021/10/14

日本は1台分の駐車スペースが狭いことが関係?

クルマの後方から駐車スペースに入れる「バック駐車」は苦手な人もいるでしょう。混雑しているときに限って入れにくい場所しか空いてなくて、さらに慌ててしまうということあります。

日本は、コインパーキングでも大型商業施設の駐車場などでもバック駐車をしているクルマが圧倒的ですが、海外に目を向けると、アメリカなどでは原則的に頭からスペースに突っ込む、いわゆる「前向き駐車」が主流です。

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日本の駐車場ではバック駐車をしているクルマがほとんど

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アメリカの地方都市などの大型商業施設ではバック駐車を見かけないばかりか、住宅の駐車方法も前向き駐車がほとんどです。

なぜ日本ではバック駐車をすることが多いのでしょうか。

日本と海外での「後ろ向き」「前向き」駐車の違いは複数の事情が考えられますが、まずは1台ごとの駐車スペースの広さの違いによるところが大きいといわれています。

日本と比べると、アメリカはすべてのスペースに余裕があります。日本の道路事情に近いのはニューヨーク(マンハッタン島)くらいで、それ以外の都市は区画整理で住宅エリアと商業エリアが分かれており、十分すぎる道幅が確保されています。

アメリカの典型的な住宅街の一方通行の道路の両脇に大きなクルマが両脇に停まっていたとしてもクルマ2台がすれ違うことができる広さがあり、そんな広いスペースがある地域では、わざわざピッタリとした駐車スペースに入れる必要がないのです。

一方で日本の駐車場は、1台ごとのスペースがギリギリに作られているケースが多いです。

しかも年々クルマが大型化しているにもかかわらず、駐車場のサイズはそのまま。そうなると、細かい操舵で駐車枠にしっかり収める必要性があるというわけです。

そこでバック駐車の出番になります。

クルマはその構造上、進行方向の前方で操舵すると安定性が増す代わりに細かい操舵がしにくく、逆に進行方向の後方で操舵すると速度によって不安定になりやすい代わりに低速でも鋭角に向きを変えることができるようになっています。

日本は駐車スペースや駐車枠のみならず、通路スペースもかなり狭く、ここにピッタリ収まるためには、繊細な操舵ができるバック駐車のほうが都合が良いということなのです。

そのため、日本の教習所では前向き駐車を教えずに、バック駐車につながる「(バックからの)方向変換」や「(バックからの)縦列駐車」を教えているのです。

※ ※ ※

店舗や駐車場のレイアウトによっては前向き駐車の場所もあります。これは車両後方についているマフラーからの排気音や排気ガスによって近隣の住人に迷惑がかかるのを避けるためで、あえて前向き駐車としているケースがほとんどです。

ちなみに「前向き駐車でお願いします」と表記された駐車場でバック駐車しても法律上は取り締られることはありませんが、迷惑車両扱いされてしまう可能性が高いでしょう。

教習所の元教官が教える「バック駐車」のコツとは

日本ではバック駐車の機会が多いわけですが、このバック駐車が難しいのは誰もが認めるところでしょう。それというのも「原則的にクルマは前方に進むように設計されているから」といえます。

実際、操舵を担うハンドルや各種情報が表示されるインパネ、シートなどすべて前向きに設定されており、その逆へ進むのですから、感覚が掴みにくくバックが苦手なのは当然です。

そこでどうやったら上手にバック駐車できるのか、都内の教習所で教官として勤務経験のあるS氏に「バック駐車のコツ」を聞いてみました。

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教習所ではバック駐車の基本となる「方向変換」を習う

「多くの人が教習所で方向変換に苦労したと思いますが、その理由は駐車スペースに対して垂直気味の状態からハンドルを切るからです。

進行方向の後方での操舵は確かに切れ角も大きくなるため回転半径も小さくできますが、目視で後方は見にくく、かつサイドミラーで隣のクルマとの距離も判断しなければなりません」

S氏が教えてくれたコツは「駐車スペースに入る前にどれだけ向きを変えられるか」ということ。向きを変えるとはどういう意味でしょうか。

「複数の車両が停まっている駐車場をイメージしてもらいたいのですが、左側に空いている駐車スペースを発見し、両脇の枠内にクルマがあるとします。

バックで駐車しようと思ったら、駐車スペースより車両半分くらいは前に出してからバックしますよね。

このとき、そのまま垂直方向に前に出るのではなく、右にハンドルを切って車両を斜めにするということです。

進入する前にある程度は駐車スペースに入りやすい角度をつけておくとハンドル操作も少なくて済み、サイドミラーで左側の車両との距離も見やすくなります」(教習所の元教官 S氏)

左側にある駐車スペースの方向に、(バック駐車するために)後ろ向きに進む角度を事前に減らすということです。

確かに最初から角度がついていればサイドミラーに左隣のクルマも見えるはず。ここで真っ直ぐ下がってもぶつからない距離感が確保できていれば、あとはゆっくりハンドルを戻す感覚で枠内に収めやすくなるわけです。

「あとは前後のタイヤの軌道の違いや内輪差にも注意してください。バック走行時は鋭角にハンドルが切れるので、今度は切れすぎにも注意しましょう」(教習所の元教官 S氏)

そのほか、元教官のS氏が力説していたのが「目視の重要性」です。

最近ではバックカメラ装着車も増えましたが、あくまでもカメラを通しての視点であり、かつ視野角が狭いので死角も多いとされています。

しかもモニターはセンターコンソールやダッシュボードなど前方に装着されており、前を見ながらバックするため過信は禁物だといいます。

「バックカメラは目視できない死角を補助してくれるものとして、実際には後方を目視しながらバックするほうが安全だと思います。

とくにミニバンなど大型のボディのクルマはボディの四隅がカメラでは見えないので、障害物にぶつけて凹んだバンパーを見かけます。あれもしっかり目視すれば防げたのではないかと思っています」(教習所の元教官 S氏)

※ ※ ※

現在はほとんどのクルマがAT車なので、アクセルを踏まなくても進む「クリープ現象」を上手に活用し、足はブレーキペダルにのせていつでも止まれるようにしておくのも接触事故を防ぐコツなのだそうです。

後方を目視しながらのバック駐車は体を斜め後ろに捻った体勢になるわけですから、普段からしっかりペダルが踏める着座姿勢も大切になりそうです。

くるまのニュースライター 金田ケイスケ

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