ラグビーワールドカップのプール戦は挑戦者の気迫が胸を打つ。 2019年の感動が蘇るトンガ、ナミビアの健闘

ラグビーワールドカップのプール戦は挑戦者の気迫が胸を打つ。 2019年の感動が蘇るトンガ、ナミビアの健闘

  • J SPORTS|コラム(ラグビー)
  • 更新日:2023/06/02

ラグビーワールドカップ(RWC)日本大会から4年を経て、9月8日、フランスで第10回RWCが開幕する。歴史を知ってから最新の大会を楽しもうということで、【ラグビーワールドカップ100選!】は、2019年の日本大会を放送中だ。

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5月26日~31日にかけて放送されるのは、プール戦序盤の4試合だ。この大会の日本代表は、アイルランドとスコットランドと同じプールAに所属していた。少なくとも、この2チームのどちらかを倒さなければ決勝トーナメントには進めない。初戦でロシアに勝った日本代表にとって、注目の一戦となったのが、9月22日、横浜国立競技場で行われたアイルランド対スコットランドだった。

前日までアイルランドは世界ランキング1位で、当日発表されたランキングでは2位。それでも優勝候補の一角には違いなかった。しかし、スコットランドは、1877年の初対戦から切磋琢磨してきた好敵手である。この年のシックスネーションズでは、22-13でアイルランドが勝っていたが僅差だった。そして、この日の試合は、両国が中立国で初めて対戦する機会となった。

立ち上がりからアイルランドが強力FWの圧力で優位に立つが、スコットランドが誇るFBスチュアート・ホッグの個人技もあり、アイルランドSHコナー・マレー、SOジョナサン・セクストンが質の高いスキルを披露する見応えのある戦いだった。この試合を見れば、誰もがアイルランドこそ日本代表にとって最強の相手と思っただろう。この後、日本代表と対戦した結果を知っているので、より面白く見ることができる。

そして、準優勝することになるイングランドの初陣も注目された。前大会では日本代表を率いたエディー・ジョーンズヘッドコーチが率いるチームである。初戦の相手はトンガだった。9月22日、舞台は札幌ドーム。トンガの魂が見る者の胸を打つ。プール戦の面白さは世界ランキングで下位のチームの渾身のチャレンジだ。トンガのキャプテンは、静岡ブルーレヴズでもプレーしたCTBシアレ・ピウタウ(2021年~清水建設江東ブルーシャークス)。トンガの魂を体現する選手だ。イングランドのキャプテンは熱血漢のCTBオーウェン・ファレル。試合中はエディー・ジョーンズヘッドコーチが思わず机を叩くほど、イングランドが苦しめられる。そのことを試合後の会見で問われたジョーンズヘッドコーチは、「蚊が飛んでいた」ととぼけた。

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プールBのイタリア対ナミビアは、東大阪市の花園ラグビー場で行われた。RWCのために改修された真っ赤なシートに20,354人の観衆。格下のナミビアの大健闘で試合は盛り上がる。選手の半分がアマチュアというナミビアに先制トライを奪われ、苦しんだイタリアだが、5大会目の出場となったNO8セルジョ・パリッセキャプテンを軸に貫録の勝利。台風の影響で後半は大雨になる。

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プールDのウェールズ対ジョージアは豊田スタジアムで行われた。この大会でベスト4に入ることになるウェールズの力強い戦いが印象的だ。LOアラン=ウィン・ジョーンズ、FLジャスティン・ティプリック、CTBハドレー・パークス(2020年~埼玉ワイルドナイツ、2022年~ブラックラムズ東京)、ジョナサン・デーヴィスらベテランが軸になって、ジョージアからターンオーバーを連発し、6トライを奪う。ジョージアも後半2トライを返した。サンウルブズでプレーしたHOジャバ・ブレグヴァゼは後半6分に登場する。どの試合も世界的スター、日本とゆかりのある選手のプレーが楽しめる。

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文:村上 晃一

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