
生活の中で当たり前のように使われているものは、過去に誰かのひらめきと努力によって発明されたもの。本記事では、毎年2月の「黒人歴史月間」を記念して、アフリカ系アメリカ人発明家たちが生み出した生活必需品をご紹介! 人種差別が根強かった時代であったが故、あまり語られてこなかった名の知れない発明家たちも…。
【INDEX】
3色の信号機
エレベーターの自動ドア
アイロン台
ホーム・セキュリティ・システム
冷蔵車
発信者IDとキャッチホン技術
スーパーソーカー(水鉄砲)
炭素(カーボン)フィラメント
世界一速いコンピューター
3色の信号機
発明者:ギャレット・モーガン
私たちの生活の中で、“あって当たり前”と見過ごされがちだけれど、必要不可欠な信号機。世界的な標準となっている赤青黄の3色の信号灯を、1923年に考案したのが、ギャレット・モーガン。
元々修理工であったギャレットは、すでに存在していた発明品を修理したりアップデートすることに情熱を注いでいました。そこで、当時は「止まれ」と「進め」の2色しかなかった信号機に着目し、「注意」の黄色を加えることを提案したんだそう!
エレベーターの自動ドア
発明者:アレクサンダー・マイルス
エレベーターのドアが自動で開くことは、現在では当たり前ですが、1880年代はそうではありませんでした。当時は手動で開け閉めする必要があったため、事故が絶えなかったとのこと。
アレクサンダー・マイルスは、閉まらなかったドアのせいで自分の娘がエレベーターから落ちそうになった事故がきっかけで、1887年に自動開閉されるエレベーターのドアを開発し、特許を取得。
現在もエレベーターには、彼が作り出した仕組みとデザインが取り入れられているのだとか!
アイロン台
発明者:サラ・ブーン
サラ・ブーンが生きた1800年代後半から1900年代前半は、衣服をアイロンするための専用の台は存在しませんでした。
そこでサラは、婦人服の輪郭に合ったカーブの効いたデザインで、現代のアイロン台の先駆けと呼べるものを1892年に発明。アメリカ史上初めて特許を取得した黒人女性となりました。
ホーム・セキュリティ・システム
発明者:マリー・バン・ブリッタン・ブラウン
治安が悪かった60年代のニューヨークに住んでいたマリー・バン・ブリッタン・ブラウンは、自身の夫が家にいない時に自分の身を守るため、独自のホーム・セキュリティ・システムを開発。
彼女は玄関扉ののぞき穴にカメラを設置し、外の様子を家の中からモニターでチェックできるようにしたうえ、マイクを設置して外の人に話しかける仕組みを作ったり、ドアを開けるボタンと警察を呼ぶボタンも設置したのだとか。
マリー・バン・ブリッタン・ブラウンは、1969年に特許を取得。現在のホーム・セキュリティ・システムのデザインにも、多大な影響を与えています。
冷蔵車
発明者:フレデリック・マッキンリー・ジョーンズ
新鮮な食材を、新鮮なまま売り場に届けるために必要不可欠な、冷蔵可能なトラックは、フレデリック・マッキンリー・ジョーンズが1940年代に発明。
彼はこれで特許を取得し、「U.S. Thermo Control Company」という会社を設立。第2次世界大戦時に食料と薬の供給に使われ、大成功を収めたのだとか!
発信者IDとキャッチホン技術
発明者:シャーリー・アン・ジャクソン
現在、アメリカの名門レンセリア工科大学の会長を務めるシャーリー・アン・ジャクソンは、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得した、史上初のアフリカ系アメリカ人女性。また、物理学の博士号を取得した2番目のアフリカ系アメリカ人女性でもあります。
彼女はアメリカの大手電話会社AT&Tのベル研究所に在籍していた1976年に、「発信者ID」と「キャッチホン」の技術を開発。
電話をかける相手の番号が表示される機能と、通話中に別の電話の着信を受け取る機能は、彼女を筆頭とした技術者たちの研究の賜物!
水鉄砲(スーパーソーカー)
発明者:ロニー・ジョンソン
誰もが幼い頃に、一度は手に取って遊んだことがある水鉄砲。特に、大容量で飛距離のあるタイプには憧れたはず。
その元祖であるアメリカの「スーパーソーカー」を作り出したのが、アメリカ空軍やNASAでエンジニアとして活躍したロニー・ジョンソン。
おもちゃを作ることは専門外だったものの、自身の持つ知識を総動員して、子どもたちの憧れの一品を開発!
炭素(カーボン)フィラメント
発明者:ルイス・ハワード・ラティマー
アメリカを代表する発明家アレクサンダー・グラハム・ベルとトーマス・エジソンが、それぞれ電話と電球を発明し、特許取得を手伝ったのが、ルイス・ハワード・ラティマ―。
自身も様々な発明を世に送り出していて、代表的なのが炭素フィラメント。当初電球に用いられた従来の素材よりも長持ちし、安全で安価な炭素フィラメントが取り入れられたことで、より広く電球が普及されました。
世界一速いコンピューター
発明者:フィリップ・エミーグワリ
ナイジェリア出身で、現在アメリカ在住のフィリップ・エミーグワリは、1989年に「世界一速いコンピューター」を発明したとされる人物。
彼は、65,536個のマイクロプロセッサを接続させ、1秒に約13億回以上の計算を実行することに成功。これがコンピューターの可能性をさらに広げ、インターネット誕生にも影響を与えたのだとか。
フィリップはその年、コンピューティングにおけるノーベル賞とも言われる「ゴードン・ベル賞」を受賞しました。
※この翻訳は抄訳です。
Translation: ARI