みどりの日に農業の未来を考えた

みどりの日に農業の未来を考えた

  • アゴラ
  • 更新日:2021/05/04

新緑はまぶしく、間もなく田植えも始まる。景色は明るいが、農業の未来は見えない。

農林水産省が4月末に「2020年農林業センサス」の結果を公表した。主に自営農家が分類される基幹的農業従事者は136万3千人で、5年前に比べ39万4千人(22.4%)減少した。基幹的農業従事者のうち65歳以上が占める割合は69.6%。このまま進めば、あっという間に基幹的農業従事者は消える。

農業の消滅を止めるには、こんな施策が有効だ。自営農家の小規模農地を集約して大規模化し、法人に経営をゆだねる。ICT技術も駆使して農業を効率化する。

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William_Potter/iStock

しかし、法人化の進行は緩やか。法人化している農業経営体数は2020年に3万1千で、2015年から4千増加しただけ。ただし、会社法人が2万(3千増)というのが朗報で、利益を求めて農業に参入する企業が増えている。

農業が主要産業である北海道では耕作面積30ha以下の農業経営体が減少し、100ha以上が2015年比で17.5%増加している。北海道では大規模化も進みつつあるわけだ。

2015年センサスにはなかった調査が「データを活用した農業を行っている農業経営体数」。個人経営体では15.9%だが、法人経営体では45.6%。

センサスには個人と法人をまとめた数値しか出ていないので、それを使って都道府県別でのデータ活用割合を計算した。北海道がダントツで49.0%、次いで東京都23.1、和歌山21.2、神奈川20.8、長崎20.8。8位の山形県はギリギリ20%を超え、下位は香川10.7、山口11.5、福島11.6、鳥取11.9、奈良12.0である。

農林水産省は2014年に「スマート農業の実現に向けた研究会」の中間とりまとめを公表し、ICTを活用した農業の普及施策を展開してきた。しかし、現場への浸透は遅いようだ。

北海道は「北海道スマート農業推進方針」(2020年)を取りまとめている。「本道農業が将来にわたり魅力ある産業として成長し、活力に満ちた農村地域を形成していくためには、……近年の進歩が著しく、構造的な問題などの解決が期待されるスマート農業を積極的に推進していく必要があります。」と決意は明確である。

一方、香川県は、農林水産省が支援するスマート農業実証農場「さぬきベジファーム」で、県立農業大学校の学生を対象に現場実習を実施している程度。山口県も「山口県スマート農業導入加速協議会」が組織化され動き出したところと遅れている。

農業人口は減少と高齢化が同時進行しており、今までの延長線に未来はないことは明らかだ。現状を抜本的に改善できる可能性を求めて、スマート農業の導入を急ぐのがよい。

山田 肇

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