驚異の高1スラッガー・佐倉侠史朗「独特すぎるフォーム」の理由語る

驚異の高1スラッガー・佐倉侠史朗「独特すぎるフォーム」の理由語る

  • NEWSポストセブン
  • 更新日:2021/11/25
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風格ある佐倉侠史朗

11月25日に行なわれる明治神宮野球大会(高校の部)の決勝戦は大阪桐蔭(大阪)と広陵(広島)がぶつかるカードとなった。今大会は1年生の強打者が神宮球場に次々とアーチをかけて話題となったが、なかでも鮮烈な印象を残したのが、バッターボックスでの独特なフォームが目をひく九州国際大付(福岡)の4番・佐倉侠史朗だった。ノンフィクションライター・柳川悠二氏がレポートする。

【写真8枚】手首も頭上、バットは垂直、腰は地面から50cmほどに落とした佐倉侠史朗。他、アザーカット、花巻東の佐々木も

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東のリンタロウに対し、西のキョウシロウ──。

明治神宮球場に現れた怪物は、菊池雄星、大谷翔平というメジャーリーガーを輩出した花巻東(岩手)の一塁手・佐々木麟太郎だけではなかった。九州国際大付の4番を任された佐倉侠史朗。彼もまた1年生の大型一塁手である。

182センチ102キロの巨躯も、183センチ117キロの佐々木に見劣りしない存在感で、打撃フォームはオリジナルのものだ。打席に入るや広くスタンスをとり、重心を極端に落としてバットを高々と高く掲げる。そこから日本刀を振り下ろすようにバットを振り抜き、白球をスタンドに叩き込めばゆったりとダイヤモンドを一周する。

「侠史朗」の名の通り、何とも漢気を感じさせる立ち居振る舞いだ。

「フォームが独特とは言われるんですけど、夏の大会で2~3打席立たせてもらって、結果が出なかったんです。そのあとに、監督やコーチと話し合って、低く構えて目線をぶらさず、重心が前に突っ込まないように気をつけると、あのフォームにたどり着きました。これが自分の打ち方だと思って、打撃を磨いていきたい」

明治神宮大会・準決勝の大阪桐蔭戦を前に、佐倉は広陵と戦っていた花巻東が一時、同点に追いついた際の佐々木の3点本塁打を目に焼き付けた。同じ1年生には負けられない。そんな想いも抱えている。

「佐々木君はぜんぜん自分よりもすごいバッターで、ホームラン数もすごい。これまでは佐々木君を意識して、長打にこだわりすぎるところもあったんですけど、今日は相手投手との戦いに集中することができたと思います」

7回コールドで敗れた準決勝の大阪桐蔭戦では、同じく1年生ながら常勝軍団の事実上のエース格である前田悠伍のインハイのストレートを右中間に運んだ。打った瞬間はライトとセンターの間を抜けるライナー性の当たりに見えたが、打球は失速することなくフェンスを越えた。

「真っ直ぐ高めのボールでした。しっかり強くスイングすることだけを心がけました」

佐倉は来春のセンバツが懸かった秋季九州大会で、2本もの満塁弾を放っている。大舞台での勝負強さもまた、佐々木と共に怪物に必要な条件を兼ね備えていると言えるだろう。

そして、広陵の1年生・真鍋慧(けいた)もまた、“広陵のボンズ”の二つ名に相応しい一発を、ライトスタンドに叩き込んだ。スイングスピードは佐々木と同等で、インコースの速いボールを身体を回転させて捌いていくテクニックは、佐々木と佐倉を上回る印象だ。

1年生トリオはいずれも一塁手。だが、守りに不安を抱え、他のポジションが考えづらい佐々木や佐倉に対し、真鍋はアスリートタイプのスラッガーで、将来を見据えて他のポジションへの適応も今後は試されていくのではないだろうか。

一冬をこえ、この怪物たちがどんな進化を遂げて甲子園に姿を現すのか。来春のセンバツが今から待ち遠しい。

NEWSポストセブン

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