
東レは試合前、10日に死去した藤井直伸さんを哀悼する黙とうをささげた
「バレーボール・Vリーグ、東レ1-3JT広島」(18日、沼津市総合体育館)
男子1部の東レは、東京五輪男子代表セッターの藤井直伸さんが胃がんのため31歳の若さで10日に死去したことを発表後初の公式戦に臨んだ。JT広島に1-3で敗れはしたが、第4セットは24-25から追いつき、相手のマッチポイントを計10度もしのぐ執念の粘りを披露。最後は36-38で力尽きたが、満員の会場が一体となった。
勝利は届けられなかったが、藤井さんが残した魂を一丸となって体現した。ブロック6本を決めた高橋健太郎は「藤井さんが降りてきた。自分の力+αがあった」と振り返り「全員、彼のことを考えると熱くなる」と感慨深げ。主将の峯村雄大は涙も見せ「絶対勝ちたい気持ちもあったが、みんなで熱い試合ができた」と胸を張った。
試合前は全員が背番号21を着て練習し、黙とうをささげ、肩に喪章を付けてプレーした。藤井さんと名コンビを誇った李博は「感謝の気持ちが多すぎて言葉では表現できない。ありがとう以上の言葉がほしい」とあふれる思いを明かした。