豊臣秀吉も来た!  兵庫県の国史跡「多田銀銅山遺跡」の「間歩」探検と鉱山遺跡巡りハイキングの旅

豊臣秀吉も来た! 兵庫県の国史跡「多田銀銅山遺跡」の「間歩」探検と鉱山遺跡巡りハイキングの旅

  • BRAVO MOUNTAIN
  • 更新日:2022/06/23
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多田銀銅山遺跡青木間歩の坑道内(写真:野口宣存)

兵庫県川辺郡猪名川町(いながわちょう)は自然豊かな場所である。ここには古来より、摂津源氏や豊臣秀吉、江戸幕府、明治政府と時の権力者たちが管理してきた、多田銀銅山(ただぎんどうざん)が存在した。

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実は多田銀銅山は京都から非常に近い。そのうえ、南側は清和源氏発祥の地である兵庫県川西市や宝塚市、北側は交通の要衝であった篠山市と接していたため、たいへん栄えていたらしい。

そんな「国史跡多田銀銅山遺跡」へ、遺跡ハイキングに出かけてみた。

■多田銀銅山悠久広場と多田銀銅山悠久の館

多田銀銅山遺跡は、猪名川の支流である野尻川上流にある。川沿いの道を進むとまず現れるのが、道を挟んで左右に並ぶ「多田銀銅山悠久広場」と「多田銀銅山悠久の館」だ。

多田銀銅山悠久広場は、明治時代に操業されていた「堀家精練所(ほりけせいれんしょ)」の跡地だ。レンガ造りの遺構がノスタルジックである。

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多田銀銅山悠久の館

多田銀銅山悠久の館は、猪名川町が営む多田銀銅山遺跡の博物館。入場料は無料だ。

鉱石についての詳しい説明がされているが、素人目にはどれも同じ石に見える。ただ素人でもすぐにわかるのが、明治時代に作られていたという独特の風合いが魅力の鍋型カラミとカラミレンガだ。カラミとは金属の精錬の過程で排出される非金属のカスのこと。これらは館内のあちこちで再利用されている。

■金山彦神社

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金山彦神社の軒下にアリジゴク発見!

悠久の館から野尻川を少し上流に向かって歩くと、すぐに金山彦神社(かなやまひこ)の看板が見えてくる。神社にある由来記の写しによると、源満仲(みなもとのみつなか)こと多田満仲が社の修繕をしたこともあるとのこと。

多田満仲は清和源氏二代目で、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出てくる源頼朝の祖先である。多田満仲の本拠地である多田荘から多田銀銅山は目と鼻の先だ。源氏からの厚い保護があったこともうかがえる。

■青木間歩で坑道探検

青木間歩(あおきまぶ)は、多田銀銅山遺跡の中で唯一、中を見学できる坑道である。「間歩」とは江戸時代の坑道の呼び名だ。入場料は無料。

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青木間歩入口にあるヘルメット

青木間歩の入口に近づくと、坑道から冷気がふわっと漂ってくる。暑い季節にはたまらなく気持ちがいい。坑道入口にはヘルメットが準備されている。ちょっとした冒険気分が味わえるスポットだ。

■周辺の鉱山遺跡を巡る

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鉱山跡なので遊歩道以外に立ち入るのは危険だ

さて、青木間歩から出た後は、道標に従い野尻川上流に進んでいく。周辺の鉱山遺跡を巡るのは、ちょっとしたハイキングだ。

鉱山遺跡の中に台所間歩という変わった名前の坑道がある。案内板によると、「豊臣秀吉の在城する大坂城(現大阪城)の台所(財政)を潤すほどに栄えた」ことにちなんでいるらしい。

また、その奥にある瓢箪間歩(ひょうたんまぶ)は、「山先(鉱山技師)の原丹波、原淡路親子がこの鉱脈を発見し、ほうびとして豊臣秀吉の馬印である千成瓢箪の馬印を与えられ入口に掲げた……」ことにちなむようで、「検分に来た豊臣秀吉が馬上のまま坑内に入った……」というから驚きだ。

なお、台所間歩と瓢箪間歩の間に「久徳寺跡(きゅうとくじあと)」という道標がある。川を挟んだ向こうで渡れないが、地面が平らになっており、かつて建物があったことは想像できる。実はここには山中鹿之助一族の墓があったらしいのだが、今ではその跡形も残っていない。

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多田銀銅山遺跡付近の道標はわかりやすいため、迷うことはないだろう

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多田銀銅山遺跡付近は荒れた道でもこの程度なので歩きやすい

多田銀銅山悠久の館から一番奥の瓢箪間歩までの間に、東屋やベンチなどの休憩スポットは一切ない。しかしながらきつい登坂もない片道約2.5kmの道程である。あまり心配することもないだろう。

■国史跡多田銀銅山遺跡への行き方

国史跡多田銀銅山遺跡へは、車で訪れることをおすすめする。川西市中心部から県道12号線を北上。「広根大水口(ひろねおおみなぐち)」の交差点を左折し県道324号線を約2kmくらい進めば、多田銀銅山悠久の館が見えてくる。多田銀銅山悠久広場は多田銀銅山悠久の館と道を挟んだ向かい側だ。どちら側にも無料駐車場がある。

散策路の地図は、猪名川町のホームページから事前にダウンロードすることも可能だ。

・多田銀銅山遺跡
・住所:〒666-0256  兵庫県川辺郡猪名川町銀山長家前4-1
・電話番号:072-766-4800

【画像】歴史と産業文化を感じるスポットを巡って楽しめる多田銀銅山遺跡

BRAVO MOUNTAIN編集部

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