激セマ道くねくね道 人混みを行く! 東京「小型バス大活躍な路線」5選

激セマ道くねくね道 人混みを行く! 東京「小型バス大活躍な路線」5選

  • 乗りものニュース
  • 更新日:2021/02/21

路線バス不便地域を変えた小型バス

路線バスでよく見られる中・大型の車両では運行が困難な路線に用いられるのが、小型の路線バス車両です。全長は7m、車幅2~2.3mほど、乗用車並みの取り回しともいわれ、現行の路線バス専用車としては日野「ポンチョ」が唯一の存在。このほか日野の旧「リエッセ」なども使われることがあります。

小型バスは、自治体のコミュニティバスで多く用いられます。この点で必ずといっていいほど言及されるのが、1995(平成7)年に運行を開始した東京都武蔵野市の「ムーバス」です。従来の一般路線バスが通れない狭い道路の交通不便地域を小型バスで結んだムーバスは、全国にコミュニティバスブームを巻き起こしました。

ムーバス誕生後、東京23区内にもコミュニティバスを含む小型バスによる路線が多く誕生しています。今回は、そのなかから「小型バスならでは」といえる路線を紹介します。

杉並区コミュニティバス(南北バス)「すぎ丸」けやき路線

・区間:阿佐ヶ谷駅~善福寺川緑地~浜田山駅
・運行:京王バス

ムーバスが運行される武蔵野市のお隣、杉並区は3路線のコミュニティバスを運行。うち第1号として2000(平成12)年に運行を開始したのが「けやき路線」です。

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浜田山駅にほぼ横づけする形で停車する「すぎ丸」(中島洋平撮影)。

すぎ丸は3路線とも、道が狭く公共交通が希薄な区内の南北移動を主眼としており、なかでもけやき路線は、交通量のわりに乗用車でもすれ違いに難渋するほど狭い鎌倉街道や、京王井の頭線 浜田山駅北口の商店街を経由するもの。人通りの多い浜田山の商店街にはバスロータリーを設ける余地など全くなく、バスはまさに、駅の出入口に横づけする形で停車します。

なお浜田山駅の南側には、下高井戸駅入口とのあいだを結ぶ、すぎ丸の「さくら路線」も発着していますが、こちらは区立浜田山公園の一画に設けられた小さなロータリーで折り返しています。また、けやき路線のすぐ東側に並行し、都立和田堀公園経由で永福町駅と高円寺駅を結ぶ京王バスと関東バスの「高45」も、小型バスでないと運行できないような狭い路線です。

くねくね道も重量制限も、小型バスなら!

小型バスは、小回り性能や重量の面でもメリットがあります。

足立区コミュニティバス「はるかぜ」3号(西11系統)

・区間:見沼代親水公園駅~伊興地域学習センター東~西新井駅
・運行:国際興業バス

環七通りの西新井大師前交差点から北に伸びる通りは、東武バスや国際興業バスの多くが経由しますが、そのほとんどは東武大師線を過ぎ伊興地区に入る手前で曲がってしまいます。これに対し、通りを直進して北上、日暮里・舎人ライナーの舎人公園駅経由で見沼代親水公園駅を目指すのが、足立区コミュニティバス「はるかぜ」3号です。

この通りはそれほど狭いわけではありませんが、伊興地区でとにかく曲がりくねっており、その名も「七曲り」と呼ばれます。見通しも悪いことなどから小型バスで運行され、「七曲り」という名がつくバス停はないものの、行先表示には「七曲 見沼代親水公園駅」などと七曲り経由であることが示されます。

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国際興業カラーの小型バスで運行される「はるかぜ」3号路線(中島洋平撮影)。

世田谷区コミュニティバス希望ヶ丘路線(千歳船橋経由、歳25系統)

・区間:千歳船橋駅~船橋地区会館~希望ヶ丘団地
・運行:小田急バス

世田谷区は、地域を東西方向に貫く私鉄どうしの距離が離れる区の西側を中心に10路線のコミュニティバスを展開。小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅前の商店街を進む祖師谷・成城地域循環路線(せたがやくるりん)なども狭い路線ですが、道の狭さとは別の要因でも「小型バスならでは」といえるのが、千歳船橋駅と希望ヶ丘団地を結ぶ小田急バスの歳25系統です。

この路線は、世田谷区の喜多見から杉並区の梅里までを、ほぼ一直線で結ぶ都道「荒玉水道道路」を比較的長く走ります。この道路には、多摩川と荒川を結ぶ水道管が埋設されており、それを保護するため、通行車両の重量制限や車幅制限(区間により異なる)が設けられている関係からも、小型バスが用いられています。

「わざと狭くした」道でも小型バスなら走れます!

住宅街の「意図的に狭くした道」でも、小型車両によりバスが運行されています。

文京区コミュニティバス「B-ぐる」千駄木・駒込ルート

・区間:文京シビックセンター~千駄木駅(団子坂下)~南北線駒込駅~文京シビックセンター(循環)
・運行:日立自動車交通

文京区はシビックセンター(区役所)を中心に、その北東方向と北西方向を巡回するコミュニティバスを2路線運行しています。うち千駄木・駒込地区を経由する前者は、千駄木駅を過ぎ団子坂を上がったところで、住宅街の一方通行路へ入りますが、この入口に立つ看板には、次のように書かれています。

「ここは、くらしの道 この道は、歩行者優先です。スピード抑制のため、道路がだ行しています」

どういうことかというと、左右の歩道の幅を広げるなどして、縁石により車道部分を狭めたり、あえて蛇行させたりしているのです。特に横断歩道の手前は幅が狭く、クルマがタイヤなどを擦ったであろう痕跡が縁石に残っている箇所も。こうした道を通れるのも、小型バスならではといえるでしょう。

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特養ホーム千駄木の郷に停まる「B-ぐる」。手前の横断歩道部は意図的に幅が狭められている(中島洋平撮影)。

西武バス泉38系統

・区間:大泉学園駅北口~大泉桜高校~長久保
・運行:西武バス(一般路線バス)

最後は一般路線バスから、西武バスが練馬区内で運行する泉38系統を取り上げます。大泉学園駅から埼玉県境に近い長久保まで、住宅街の狭い道を縫うように進む系統ですが、2019年、老朽化した車両の更新ができないとの理由で減便し、代わりに中・大型車で運行できる途中までの区間便と、並行路線の増発が行われました。

泉38系統では、2011(平成23)年に生産が終了した日野の旧「リエッセ」(ツーステップ車)が使われますが、利用者が多く、現行の小型路線バスである日野「ポンチョ」(ノンステップ車)では乗り切れないことがある、といいます。

リエッセとポンチョは、乗車定員などのスペック上は同じであっても、リエッセの方が車内レイアウトに無駄がなく多くの人が乗れ、小回り性能もよいとの理由で、これを使い続けている事業者も少なくありません。とはいえ、やはり全国的にリエッセからポンチョへの置き換えも進んでいます。

乗りものニュース編集部

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