東北電力、家庭向け電気料金を32.94%値上げ 2023年4月から、国に申請

東北電力、家庭向け電気料金を32.94%値上げ 2023年4月から、国に申請

  • Web東奥|東奥日報社
  • 更新日:2022/11/25
No image

東北電力は24日、家庭向け電気料金について平均32.94%の大幅値上げを経済産業省に申請した。一般家庭の大部分を占める「規制料金」で来年4月1日から引き上げを目指す。契約30アンペア、使用量260キロワット時の標準モデルで月2717円の増額となる見通し。規制料金の抜本的な見直しは2013年以来。

規制料金の値上げ申請は大手電力で初めて。今後、国の審査により値上げ幅は圧縮される可能性がある。

ロシアのウクライナ侵攻や円安の進行を背景とした資源高騰で火力発電の燃料コストなどが増大。東北電では今年6月、燃料価格の変動を料金に反映する「燃料費調整制度」の上限を超え、超過分は東北電が負担してきた。規制料金分の負担額は10月末までに119億円に上ったという。

沼畑秀樹執行役員青森支店長は青森市内で開いた会見で「電力の安定供給に支障をきたしかねない非常に厳しい状況にある。大幅な値上げで誠に心苦しいが、理解をお願いしたい」と求めた。

規制料金の契約者は県内約69万件で、家庭向け全体の8割超を占める。基本料金を10アンペア当たり55円引き上げるほか、電力量料金は使用量に応じ3段階に分けて値上げする。120キロワット時までの「第1段階」は、照明、冷蔵庫など日常生活に不可欠なレベルの使用量分として上げ幅を圧縮した。

東北電は料金見直しに当たり、23~25年度の3年間の総原価を算定した。経営効率化に向けた新たな取り組みで311億円、着手済みと合わせ計1159億円を抑制できるとしたものの、燃料費や購入電力料の大幅増を吸収し切れなかった。

原価には女川原発2号機(宮城県)の24年2月の再稼働を盛り込んだ。一方、安全審査中の東通原発1号機(東通村)は、10年間の供給力をまとめた「供給計画」で「未定」としていることを理由に、含めなかった。沼畑氏は「あくまでも原価としての扱いであり、24年度の安全対策工事完了という目標は変わっていない」と説明した。

東北電の申請は今後、国の専門会合で査定される。前回13年の改定時は、11.41%の値上げ申請に対し最終的に8.94%まで圧縮された経緯がある。

政府は来年1月にも電気料金を約2割、抑制する負担軽減策を導入するとしているが、同9月に縮小する方針で、支援効果は限定的となる見通し。

▼自由料金も再値上げ/標準3%超

東北電力は24日、国に値上げを申請した規制料金と連動し、オール電化住宅向けなど低圧「自由料金」を来年4月にも値上げすると明らかにした。標準家庭モデルでは3%超の増額となる見込み。東北電は、燃料高騰を受け12月分の料金が約2300円上がると試算、来春の値上げにより消費者にとってはさらなる負担増となる。

平均して1キロワット時当たり1.64円を値上げする。契約30アンペア、使用量260キロワット時の標準家庭(よりそう+eねっとバリュー)では月351円、電気機器の稼働率が高い商店や飲食店のモデルケースでは月7741円の増額となる。

また、深夜の安価な電気を使うプランで、夜間単価を1キロワット時当たり4.95円引き上げ、昼間は1.98円下げる。月9~22%の値上げで、例えば深夜の電気で温水器や蓄熱式の暖房を使うオール電化向けのモデルでは月1万1438円、18.65%の増となる。

電気料金の値上げ 電気料金のうち、大手電力が一般家庭向けに広く供給する規制料金の抜本的な値上げには、経済産業相の認可が必要。電力会社の申請を踏まえ、経産省の有識者会合などで値上げ幅を審査する。燃料価格の変動を自動的に毎月の料金に反映させる燃料費調整制度は、家庭の急激な負担増加を和らげるため、転嫁できる上限が定められている。2016年の電力小売り全面自由化後、大手電力や新規参入した事業者が用意した自由料金の値上げには、認可は不要となっている。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加