実は満足度が高い「不動産仲介会社」ランキング...ベスト10に入った「意外な企業」の実名

実は満足度が高い「不動産仲介会社」ランキング...ベスト10に入った「意外な企業」の実名

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2023/03/19
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マイホームを購入する際、どこの仲介会社を選ぶかは非常に重要だ。担当がどれだけ親身になって顧客の希望に合う物件を探してくれるかが、購入に成功するかどうかの大きな鍵になる。もちろんこれは売却を考えている場合も同様だ。

そうだとすれば、実際にマイホームを買ったり、建てたりした人が、利用した会社にどの程度満足しているかは、これからマイホームを選ぼうとしている人にとっては大きな参考データになるはず。その指標のひとつになるのが、オリコンの顧客満足度調査ではないだろうか。

2023年2月、住まいに関する各種ランキングが公表されたので、その結果を紹介しつつ、併せてランキングの活用方法を考えてみよう。

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新築分譲や注文住宅は「物件ありき」

知らない人もいるかもしれないが、オリコンは各種の顧客満足度調査も実施している。住まいについても「マンション」や「建売住宅」「注文住宅」「仲介会社」「マンション管理会社」などのテーマ別に、各社の満足度ランキングを発表している。

実際に、買ったり建てたりした経験者を対象に、一定の評価項目を設定してアンケート調査を実施。消費者側にも企業側にも属さない公平な立場で顧客満足度指標を導き出しているので、これから住まいの購入や建築などを考えている人には参考になりそうだ。

その各種調査のなかから、ここでは仲介会社に関するランキングを取り上げる。

新築の分譲住宅については、「このマンションを購入したい」という希望物件がまず先にあり、おのずから不動産会社は決まってくる。しかも、分譲マンションの場合、調査結果をみると分譲戸数の多い大手不動産会社が上位にズラリと並んでいるだけで、会社ごとの顧客満足度にも顕著な差は見られない。

注文住宅についても、自分たちのほしい戸建て住宅のイメージにふさわしい住宅メーカーを選ぶことになるだろう。つまり、ランキングがさほど参考にならないかもしれないわけだ。

中堅の不動産会社も上位に

それに対して、仲介会社については、会社選びの影響が大きい。会社によって、持っている情報量や得意な分野、エリアなどが異なるし、顧客満足度調査でも、大手だけではなく中堅や地場企業が上位に挙がるなどの特色がみられる。そこで、ここでは仲介会社について、購入売却、戸建て住宅、マンションに分けて結果をみてみよう。

戸建て住宅、マンション、購入、売却のそれぞれの上位については、図表1~4を参照していただきたい。

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図表1:不動産仲介購入戸建ランキング
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図表2:不動産仲介購入マンションランキング
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図表3:不動産仲介売却戸建ランキング
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図表4:不動産仲介売却マンションランキング
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戸建て住宅の購入に関しては、図表1にあるように三井不動産グループの三井のリハウスがトップで、東急リバブルが2位など、大手のグループ企業が上位に並んでいるものの、6位には福屋不動産販売、7位にハウスドゥが入っている。一般の方にはさほど馴染みのない社名ではないだろうか。

このうち福屋不動産販売は大阪市北区に本社がある不動産会社で、大阪府、兵庫県、京都府などの関西地方に多くの営業所を展開している。東京都と福岡県にも営業所を持っているものの、基盤は関西の地場不動産会社といっていいだろう。

満足度調査が役に立つ場面

ハウスドゥは東京都千代田区に本社を持つ中堅不動産会社。1991年創業だから歴史は30年程度だ。フランチャイズを中心に、2023年2月時点で全国に682店舗を展開しているが、正直いって店舗数も取扱量もまだまだ三井のリハウス、東急のリバブル、住友のステップなどには及ばないのが現実だろう。

それでも、ハウスドゥは、戸建て住宅購入で7位に入っているほか、戸建て売却でも10位に入っている。戸建て住宅については顧客を満足させる独自のノウハウがあると考えていいだろう。

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ただ、そうはいっても、やはり全体としては大手不動産会社系列の仲介会社グループが上位に並んでいるは事実。安心感を重視するなら、大手を候補にするのは間違いではない。問題は、「大手の中でどこが自分に合っているのか」だ。

そう考えたときこそ顧客満足度調査が役に立つ。なぜなら各会社について評価項目ごとに得点が掲載されているため、どの分野に強いのかを確認できるからだ。

たとえば、戸建て住宅購入トップの三井のリハウスに関しては、総合得点74.3点で、6項目の評価項目のうち「担当者の接客力」が77.6点と特にポイントが高い反面、「担当者の提案力」は72.2点と、他に比べてやや得点が低くなっている。気持ちよく商談をしたいならお勧めだが、提案してくれる案件など中身重視なら、別の選択肢もあるかもしれない。

利用者の正直なコメント

さらに注目すべきは、利用者のコメントの中に掲載されている「良い点」「気になる点」だ。

なかには、「担当の方が親身に考えてくれて、お願いしてよかったと思います」「なんでも相談にのってもらえ、安心して購入することができた」という声がある一方、「購入後担当者が別店舗に異動になったのもあり、以前のように迅速さがなくて少し困った」「とにかく売れたらいいという担当者の考え方」といった辛辣な意見も掲載されている。

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人事異動は全国に営業所網を持つ大手ならではの問題あり、担当者間で引き継ぎがスムーズに行われるかどうかは、顧客の使い勝手に大きく影響してくるだろう。

あくまでも第三者による調査という形をとっており、対象となる企業に対しても忖度がなく公平に審査した結果なので、信憑性は高く、参考になるはずだ。

気になっている不動産会社があるのなら、評価の詳細をチェックしておくといいだろう。特に、全国的にさほど名前が知られていない会社ならなおさらだ。

実は「地域密着型」の方が人気

ところで、「訳あり物件買取プロ」を運営するAlbaLinkが、「不動産会社を利用するときに重視することに関する意識調査」という調査を実施している。

それによると、不動産会社を利用するときに重視することの1位は、「担当者の対応力・人柄」で、2位が「有名・大手であること」となっているが、「大手」と「地域密着型」不動産会社のどちらがいいかを聞くと、大手よりは地域密着型がいいとする回答のほうが多かった。

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図表5:不動産会社を利用する際に重視すること(株式会社AlbaLinkのプレスリリースより)
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図表6:「大手」と「地域密着型」どちらの不動産会社がいい?(株式会社AlbaLinkのプレスリリースより)
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つまり、「規模が大きければいい」「有名だからいい」というわけではなく、中堅企業でも「担当者の対応力・人柄」がよければ、地域密着型の地場不動産会社を積極的に活用しようとする人たちが少なくないようだ。

ただし、その際には、「地元の情報が豊富」であることが必要不可欠なのは言うまでもない。

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図表7:地域密着型不動産会社のメリット(株式会社AlbaLinkのプレスリリースより)
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図8:大手不動産会社のメリット(株式会社AlbaLinkのプレスリリースより)
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不動産に関する情報はデータベース化が進み、全国どこからでも情報にアクセスできる。とは言っても、全ての情報が網羅されているとは限らない。地元企業ならではのお宝物件が潜んでいる可能性もある。可能性が高いとは言えないが、そうしたことに期待するのなら、会社の規模にかかわらず、地場の業者にも相談する価値はあるだろう。

中には悪質な「おとり物件」も

ただ、一方で「不動産に掘り出し物件はない」と言う言葉もある。値段が安い物件には必ずそれに見合う問題がある、という意味だ。掘り出し物件という表現は眉唾ものと考えた方が無難だし、業界では広告や看板などにこのフレーズを使用すること自体が禁止されている。

魅力ある物件の広告に釣られて不動産会社を訪問したものの、「たったいま売れたばかりですが、ほかにもいい物件がありますよ」などと、ありきたりの物件に誘導するための撒き餌にされていることがある。おとり物件で集客して、大したことない物件を売りつけようとする姑息な手口だが、残念ながらこうしたことは今も行われている。

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地域密着で堅実な事業を展開しているところならいいが、なかにはそんな手口でお客を騙そうとなる悪質な業者もいるので、十分な注意が必要だ。長年そのエリアで営業を続けている会社なら比較的、安心と言えるかもしれないが、それでも絶対とは言えない。

その意味でも、できれば顧客満足度調査の上位に挙がっているような、多くの顧客が今現在も評価している信頼のおける不動産会社を利用するのがいいだろう。

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