愛猫の死から心を救ってくれた子猫が「門脈体循環シャント」だと判明 2度の手術を経て病気を完治

愛猫の死から心を救ってくれた子猫が「門脈体循環シャント」だと判明 2度の手術を経て病気を完治

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  • 更新日:2022/11/25
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愛猫ハチくんの無邪気な姿を見られることに、この上ない幸せを感じているhachi20210411さん。

【写真】寝そべる姿が愛らしい。おうちに迎えた頃のハチくん

ハチくんはお迎え後、難病といわれる「門脈体循環シャント(門脈シャント)」であることが判明。2度の手術を乗り越え、天真爛漫でいられる日常を取り戻しました。

心を救ってくれた子猫が「門脈体循環シャント」だと判明して…

飼い主さんは約20年間、生活を共にしていた2匹の愛猫を立て続けに亡くし、今後、生き物を迎えるのは無理かもしれない…と思うほど悲しみに暮れていました。

その心の穴を埋めてくれたのが、ハチくん。

愛猫の死から1年半後、飼い主さんは人づてに子猫の里親を探している人がいると聞きました。ハチくんは、とあるお宅に住みつき、保護された野良の母猫が産んだ子ども。

最初、飼い主さんは写真を見せてもらい、かわいいと思う程度でしたが、しばらく経ち、なぜか、ハチくんが気になるように。

そこで、知人を介して保護主さんに連絡を取ると、トントン拍子に話が進み、その日のうちに対面。
「久しぶりの子猫との出会いに心が温かくなり、生後2ヶ月になる日にトライアルを開始。その後、正式に家族として迎えました」

1週間後には、動物病院で健康状態をチェック。この時、特に目立った異常は見られませんでしたが、お迎えから約3週間後、異変が。ハチくんは突然、「うぉ〜ぅ」という鳴き声を発し、無色無臭の泡状のよだれを吐きました。

その後も、よだれは止まらず。翌朝まで計8回吐き続けたことから、飼い主さんは朝一番で動物病院へ。血糖値が少し低かったことから、入院し、血糖値を上げる点滴をすることになりました。

しかし、状態は改善しません。そこで、獣医師は肝臓の異常を疑い、さらに詳しく血液検査を行ったところ、「門脈体循環シャント」を疑う検査結果が。

ハチくんは4日間の入院を経た後、療法食と内用薬で症状を抑えられるようになったため、退院。後日、設備の整った大病院でCTを受け、先天性門脈体循環シャントであるとの診断が下されました。

先天性と後天性がある門脈体循環シャントは、胃腸から肝臓に入る血管の途中に異常血管(シャント)ができ、本来、肝臓で解毒されるアンモニアなどの毒素を含んだ血液が全身をめぐるため、体に様々な異変が現れる病気。

シャントができている場所や本数などによって手術が難しいケースもありますが、ハチくんの場合は手術が可能。しかし、手術のリスクは高く、飼い主さんの心は揺れました。

「かといって、手術をしなければ、やがて神経症状を起こし、確実に短命なると言われました。ハチの寿命は、早ければ数ヶ月とのことで…」

悩み迷いましたが、病気を早期発見できたことや門脈体循環シャントの権威である病院が県内にあったこと、そして、獣医師が手術可能だと診断してくれたことなど、いくつもの奇跡をありがたく思い、手術を決意。

ハチくんのシャントは非常に太く、門脈はかなり細い状態だったため、門脈への負担を考慮して複数回に分けて手術を行い、シャントを閉鎖することになりました。

自宅では、たんぱく質を消化する時にアンモニアが発生しないよう、たんぱく質を制限した食事を意識。抗生剤や血中のアンモニアを抑える薬も服用しました。

「こうした内科治療を始めてからは、よだれを吐かず、元気に見えましたが、血液検査では常にアンモニアが正常値よりはるかに高い状態が、ずっと続いていました」

2度の手術を乗り越えて病気を完治

1度目の手術は、生後3ヶ月の時。この手術により、肝臓への血流量が増え、アンモニアの数値が正常値に。

飼い主さんは内科治療を継続し、次の手術に備えました。

2回目の手術は門脈と肝臓の成長を待ち、生後6ヶ月で決行。嬉しいことに、この手術でシャントを完全に閉鎖することができました。

しかし、油断はできません。なぜなら、術後には運動障害や視力障害、認知障害などの重い後遺症が残り、最悪の場合は死に至ってしまう「結紮後発作症候群」が起きるケースがあるから。

発作が起きる原因は不明であるものの、抗てんかん薬で防げる可能性があると言われため、ハチくんは服用しながら8日間入院。

術後は、シャントを完全に閉鎖したことで門脈への圧が上がり、新たなシャントが何本もできるマルチプルシャントも危惧されていましたが、軟便以外の変化は見られず、無事退院することができました。

その後も、状態は安定。1週間後、2週間後、1ヶ月半後に診察を受け、血液検査も行った結果、獣医師から「完治でいいでしょう」とのお墨付きが。

薬の服用は必要なくなり、普通のフードを食べられるようにもなり、ハチくんは病気発覚から約半年間で闘病を終えました。

すっかり元気になったハチくんは、おうち生活を満喫中。毎日、帰宅した飼い主さんを玄関で出迎え、膝に乗って甘えては手や腕をペロペロ。

「時々、顔も舐めてくれます。子猫期に通院や入院が多かったせいもあるのか、人好き。入院中も構ってちゃんを発揮し、先生から、おもしろい子と言われていました」

個性的なハチくんは、ふみふみや威嚇を一度もしたことがなく、クラッキングもほぼしないのだそう。

甘えん坊な反面、寝る時には自分のベッドでひとりで眠るなど自立している面もあり、おすわりやハイタッチ、握手を習得している知的にゃんこでもあります。

「今は何の制限もなく、生活しています。定期検診やケアも必要ありません。ただ、難病だったので、ほんの少しのことで不安を感じることはあります。健康体が当たり前ではないと痛感しているので、ささいな体調の変化に気づけるよう努力したり、普段の食事や水分摂取量に注意したりしています」

そう語る飼い主さんは愛猫の闘病を経験したからこそ、病気を早期発見することの大切さを訴えます。

「どの病気も、早期発見・早期治療が本当に大切。門脈体循環シャントは珍しく、獣医さんでも判断が難しいため、発見が遅れることも多いそうです。けれど、病気の情報を知ったり、愛猫の些細な体調不良を見逃さずに診察を受けたりすれば、病気に気づくきっかけが増えると思います」

2度の手術を頑張ったハチくんは紡がれた命をキラキラと輝かせながら、今日も天真爛漫な姿でにゃん生を謳歌しています。

(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)

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