アマゾンが導入の「瞑想ブース」 SNSでこき下ろされる

アマゾンが導入の「瞑想ブース」 SNSでこき下ろされる

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/06/11
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米小売大手アマゾン・ドット・コムによる最近の発表に、予期せぬ反発が殺到する事態となっている。批判を生んでいるのは、心身を強化する活動や健康的な食事のサポートなど、科学に裏付けされた活力回復支援を従業員に提供する「ワーキングウェル」プログラムの一環として発表された「アマゼン」と呼ばれるブースだ。

アマゼンは職場に設置され、従業員はその中でインタラクティブな「マインドフルネス実践」ができる。アマゼンの中では、ガイド付き瞑想(めいそう)や、ポジティブ・アファーメーション(自己肯定の言葉を唱えること)、心を落ち着ける映像や音など、簡単にできる心の健康増進法を収めた短い動画が視聴できるという。

デジタルメディア「VICE(バイス)」は、このアマゾンの新たな試みを「同社史上、最もディストピア的な施策の一つ」と痛烈に批判。「アマゾンは、過労状態にある倉庫従業員が、トイレに行く時間すらないとの声も多く上がっているような非常に過酷な仕事から一時的に逃避できる小さなブースを導入しようとしている」と伝えた。

ニューヨーク・マガジン誌も、「アマゾンは労働組合を潰し、従業員を酷使しながらも、平然と事業を続けている。このゼンブースは、アマゾンがより優しく従業員重視の企業になったことを証明するものではない。むしろ、アマゾンが従業員の声に全く耳を傾けないことを示す証拠だ」と批判した。

ツイッターをはじめとする交流サイト(SNS)上でも批判が殺到。アマゾンの従業員が求めているのは瞑想ポッドなどではなく、必要な時にトイレに行ける時間的余裕や、雇用の保障、成果についての無理のない要求、監視や監督の削減、勤務スケジュールの明確化であり、一部の従業員は労働組合の結成も求めていることを指摘する投稿が相次いだ。

こうした不満や批判の声について、アマゾンの幹部や取締役会は耳を傾けるべきだ。消費者がアマゾンでのショッピング体験に満足しているのは間違いない。しかし今回のプログラムに対する露骨な反応の数々を見ると、人々はアマゾンの従業員に対する待遇に満足していないことがわかる。

こうした中で、話題に上っていない別の見方もある。不足部分を指摘するのはもっともな行為だが、私たちはアマゾンが従業員の生活改善を試みていることを少なくともある程度は評価するべきだ。このプログラムは万能薬というわけではなく、小さな一歩にすぎない。アマゾンは今後、この構想を試し、従業員から好評が得られるかどうか、厳しい仕事への対処に役立つかどうかを見極めることになる。

とはいえ、大富豪のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)や、競合を潰しながら市場をほぼ独占しているアマゾンを、私が擁護しているとは受け取ってほしくはない。新たなアイデアや働き方を試行錯誤する企業が増えることは歓迎すべきだ。そうした取り組みの中には関心を集めるものもある一方で、そうはならないものも多い。少なくとも状況改善を試みたことは称賛されるべきだ。

ただ文句を言うだけでは何も始まらない。アクションが必要だ。職場環境の改善に向けた一歩は、どんなものであれ支持されるべきだ。1社での試みは、他社での状況改善にもつながるのだから。

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