「月5万円以上」貯蓄ができる会社員向け、おすすめ投資戦略をお金のプロが解説

「月5万円以上」貯蓄ができる会社員向け、おすすめ投資戦略をお金のプロが解説

  • MONEY PLUS | くらしの経済メディア
  • 更新日:2023/01/25

お金を増やす方法はいろいろありますが、資産形成期、特に貯蓄に回せるお金が少ない時期は選択肢が限られてきます。優先順位は概ねつみたてNISA・iDeCoとなるので、貯蓄金額に回せるお金が月5万円であれば、預貯金・つみたてNISA・iDeCoの配分で終わってしまいがちです。

以前の記事で、月5万円投資する場合の投資のロードマップを詳しく紹介しましたが、今回は、月5万円以上に貯蓄ができる場合や、すでにある程度余裕資金がある場合の投資戦略を考えていきたいと思います。

■投資の基本は「コア・サテライト戦略」

投資は、お金が増える可能性が一方で、減る可能性もあります。その「減る可能性」を減らし、安定的に増やすためにぜひ取り入れたい投資戦略として、以前の記事でも「コア・サテライト戦略」を紹介しました。コア・サテライト戦略では、自分の資産を守りの「コア資産」と攻めの「サテライト資産」に分けて運用を行い、お金を減らさずに増やす運用を目指します。

生活費の6ヶ月~1年分ができたら、コア・サテライト戦略を実践してさらにお金を増やしていきましょう。

ここからは、「月5万円のコア資産の積み立てができている人が次に目指す投資」として、積み上げていくべきコア資産と、お金をさらに増やすためのサテライト資産の投資先の候補を紹介していきます。

■コア資産の積み上げ(1)つみたてNISAとiDeCo

つみたてNISAもiDeCoも、投資で得られた利益にかかる20.315%の税金を非課税にできる制度です。そのうえ、iDeCoでは掛金が全額所得控除できて、所得税や住民税の負担を減らせます。こうした非課税のメリットは、他の金融商品にはないのですから、最優先で活用したいところです。

つみたてNISAは毎月約3.3万円(年40万円)、iDeCoは毎月2.3万円(年27.6万円・企業年金のない会社員の場合)まで投資できます。まずはこの2つの投資を上限まで取り組みましょう。

なお、こちらも以前の記事で紹介したとおり、2024年からは新しいNISAの制度が始まります。まだ確定していませんが、新しいNISAでは、投資可能期間が恒久化され、非課税期間が無制限になり、年間の投資額が120万円(つみたて投資枠)+240万円(成長投資枠)までとなったうえ、生涯投資枠1,800万円となるなど、大幅に拡充される予定です。新しいNISAのつみたて投資枠では、毎月10万円ずつ投資することも可能です。非課税の制度を優先して使うといいでしょう。

■コア資産の積み上げ(2)個人向け国債

2022年はインフレが急速に進みました。2022年12月の日銀・金融政策決定会合では事実上の「利上げ」となる長期金利の変動許容幅の拡大を発表。にわかに金利の上昇局面が訪れつつあります。

インフレや金利上昇に備える投資先のひとつとして、個人向け国債があります。個人向け国債は、国が発行している債券(国債)を、政府が個人でも買いやすくしたもの。金融機関で1万円から購入できます。個人向け国債を持っていれば、年に2回利息が受け取れるうえ、満期になると貸したお金が返ってきます。

個人向け国債には、満期までの期間と金利のタイプによって「固定3年」「固定5年」「変動10年」の3種類が用意されています。おすすめは「変動10年」。変動10年は、利息が半年ごとに、そのときの実勢金利をもとに見直されるため、金利が上がることでもらえる利息も増加。インフレにも比較的強い商品です。

実際、2023年2月発行の個人向け国債変動10年の金利は0.33%と、前月の0.17%のほぼ倍にあたる金利となっています。今後も金利が上昇するならば、変動10年を買っておくことで、もらえる利息も増えていきます。逆に、仮に金利が下落したとしても、変動10年の金利は0.05%より下がりませんし、中途解約したとしても直近2回の利息が差し引かれるだけですので、元本割れのリスクもほぼありません。

■コア資産の積み上げ(3)米国ストリップス債

米国債は、米国が発行する国債です。米国はいわずと知れた世界経済の中心で、GDP(国内総生産)が世界一。国債には、発行先が破綻してしまう信用リスクがありますが、米国が破たんすることは考えにくいでしょう。米国債の格付けは日本の国債より高いにもかかわらず、日本の個人向け国債よりも利回りが高くなっています。

米国債には、
・利付債…持っている間利息が得られ、満期になると元本が返ってくる債券
・ストリップス債…割引で販売されて、満期になると額面の金額が受け取れる債券
の2種類があります。

おすすめはストリップス債です。ストリップス債は、持っている間の金利が元本に組み込まれるため、複利効果を受けやすくなります。複利効果を受ければ、利息に利息がついて加速的にお金を増やすことができるでしょう。

米国債は、SBI証券・楽天証券・マネックス証券といったネット証券で購入できます。購入したらあとは償還日まで持ち続けるだけで、普段から値動きをチェックする必要もありません。忙しい方でも手軽にできる投資です。

また、株と債券の値動きは異なることから、リスクの軽減に役立ちます。株だけでなく債券も持っていることで、どちらかが下落したときにはもう片方が値上がりするためです。そのうえ、米国債は米ドルでやりとりするため、資産を日本円と米ドルにわけて持てるという点でも役立ちます。

■コア資産の積み上げ(4)金投資

金(Gold)は「有事の金」などと呼ばれ、何か大きな問題が発生したときなどに買われる傾向があります。金そのものに価値があり、経済危機などの不測の事態があってもその価値がなくならないからです。実際、新型コロナ禍で市場が急変するなか、金価格は上昇しています。

金に投資するならば、純金積立か金ETFがおすすめです。純金積立は、毎月お金を出して金をコツコツ買い付ける投資。田中貴金属工業・三菱マテリアルといった貴金属会社や、SBI証券・楽天証券・マネックス証券といったネット証券でスタートできます。

また金ETFは、金の価格と値動きが連動する上場投資信託です。たとえば、「SPDRゴールドシェア」は、世界最大の金ETFとして知られています。こうしたETFを利用すれば、現物の金に投資するよりも低コストで金に投資ができます。金ETFは、SBI証券・楽天証券・マネックス証券といったネット証券で買うことができます。

■コア資産の積み上げ(5)特定口座での投資信託・ETF

ここまで紹介したコア資産の積み上げを行なってもなお余裕資金があるのであれば、特定口座で投資信託やETFを購入するのもいいでしょう。NISAやiDeCoと違って利益に税金はかかってしまいますが、それでも投資の力を借りてお金を増やすことができるからです。

投資信託であれば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のような、全世界株に投資するインデックス型がおすすめ。非常に低コストで世界のさまざまな株式への投資が実現します。

ETFであれば、世界株ETFの「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)」、全米株ETFの「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」を利用するとさまざまな銘柄に分散投資できます。

また、高配当株ETFの「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」、増配株ETFの「バンガード・米国増配株式ETF (VIG)」は下落相場や暴落相場に強いのでおすすめです。

ただし、2024年から始まる新しいNISAでは、つみたて投資枠・成長投資枠を生かした非課税の投資ができるようになります。つみたて投資枠ではつみたてNISAと同じ投資信託が購入できますし、成長投資枠でETFを購入すれば運用益が非課税になります。2023年はお金を貯めておいて、2024年から新しいNISAを利用するというのも良いでしょう。

■サテライト資産(1)日本株

ここまでコア資産についてお話ししてきました。コア資産が手厚く用意できてきたら、サテライト資産にも投資して、お金を積極的に増やすことを考えてもいいでしょう。サテライト資産の役割は、大きな値動きを生かして積極的に投資し、利益を狙うことです。

サテライト資産の代表は株式投資。株は、買ったときより値上がりしたときに売却すると値上がり益、保有していると配当金が得られるほか、株主優待がもらえる場合もあります(配当金・株主優待は実施していない会社もあります)。

おすすめは好業績銘柄が絶対です。特に2022年から、市場は不安定な動きを見せていますが、業績のよい銘柄は、下落や暴落にあってもそこからいち早く立ち直り成長していくものだからです。テンバガー(株価が10倍になること)を目指せる銘柄も、市場の動向にかかわらずに成長する好業績銘柄から生まれる可能性が高いと見ています。

「会社四季報」をチェックして、好業績銘柄を探してみましょう。過去5期分+予想2期分の売上高や営業利益が毎年右肩上がりで伸びているものをスクリーニングします。

■サテライト資産(2)米国株

「FIRE」(経済的自立と早期リタイア)を目指す人の投資先として話題となった米国株もおすすめです。米国経済は世界の中心でありながら、まだまだ成長する余地がたくさんあります。そのうえ、多くの企業は年4回配当を行うなど株主還元に積極的。配当金の高い「高配当銘柄」や配当金を毎年増やしている「連続増配銘柄」もたくさんあります。しかも、米国株は1株から投資できるので、少額からでも取り組みやすいのがメリットです。

先に紹介した全世界の株に投資する投資信託やETFの投資先には、米国株が多く組み入れられています。それであれば、米国株を直接買おうというわけです。

もっとも、目下米国株式市場も動きが不安定で、近年世界を牽引してきたGAFAMにさえも逆風が吹いている状況です。ですから米国株も、日本株と同様に好業績の銘柄を選ぶようにしましょう。また、値上がり益(キャピタルゲイン)狙いなのか配当(インカムゲイン)狙いかを決めておくことも大切。

なお、日本株・米国株も前述の「コア資産の積み上げ5」同様、2024年からは新しいNISAの成長投資枠を利用して投資が可能。2023年は投資資金を貯めておく、あるいはコア資産(2)~(4)で紹介した投資を活用するなどして安定的に2023年をしのぎ、2024年になったら新しいNISAを利用して投資をスタートさせるのも良いでしょう。

以上、お金に余裕が出てきた方が取り組む投資について紹介してきました。コア・サテライト戦略を活用して、守りながら攻める投資をすることで、お金を減らさずに増やす運用が実現します。ご自身の投資にぜひ取り入れてみてください。

(頼藤太希)

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