全国で最も魅力ない!? 「山武市」とは 交通の便「悪くない」 過去「太平洋市」案も

全国で最も魅力ない!? 「山武市」とは 交通の便「悪くない」 過去「太平洋市」案も

  • 乗りものニュース
  • 更新日:2020/11/22

成東駅からは都心へのノンストップアクセスも

ブランド総合研究所が2020年10月14日(水)に発表した、市町村別の「魅力度ランキング」で、初めて全国最下位タイの997位となったのが、千葉県北東部に位置し、九十九里浜に面する山武(さんむ)市です。

このランキングは、自発的にエントリーした自治体を対象に実施したそうですが、最下位になってしまう要素はあったのでしょうか。そこで当該住民の反応はどうなのか実際に行き、声を聞いてみました。

山武市出身の会社員の男性は「確かに大きな魅力はないものの、そこまで低いとは思わなかったです」と話します。「都心のように『時刻表いらず』とはいきませんが、電車やバスといった公共交通機関は意外と充実していて、東京駅までノンストップで行けるので、そこまでアクセスも悪いわけではないのですが……」(山武市出身の男性)

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山武市にある成東駅(2020年11月、乗りものニュース編集部撮影)。

同市は2006(平成18)年、山武郡内の成東町、山武(さんぶ)町、蓮沼村、松尾町の4つの市町村が合併し誕生しました。現在の山武市役所は旧成東町にあり、このエリアがいわゆる中心市街地となっています。

このエリアにある成東駅(JR総武本線・東金線)からは毎時2~4本の上り電車(千葉・東京方面)が出ており、総武本線の特急「しおさい」なら最短1時間程度で東京駅まで行けます。

また、成東駅至近のちばフラワーバス成東車庫からは、隣接する東金市を経由して東京駅まで行く高速バス「シーサイドライナー」が1日あたり平日だと上り23本、下り22本あり、このうち都心への通勤にも使える朝5~6時台の上りは5本運行されています(2020年11月現在、一部の便は新型コロナの影響で運休中)。所要時間はダイヤでは概ね2時間程度ですが、実際に利用したところ東京駅発、成東駅発ともに1時間半かからない程度でした。

とはいえ、先述のとおり魅力度最下位という喜ばしくない称号を得てしまった山武市。どういった理由が考えられるのでしょうか。

アクセス良いのに魅力度ビリ… なぜなのか

山武市在住の女性は「周辺自治体のネームバリューがとても強い」からではと、その理由を推測します。

「隣の市町村を見ると、九十九里町は、海水浴や海の幸を目当てに観光客が多く訪れる町です。八街市は全国的に落花生が有名です。一方、山武市にも本須賀海岸(旧成東町)や蓮沼ウォーターガーデン(旧蓮沼村のプール)といったレジャースポットや、関東有数のいちご狩り体験(旧成東町)なども出来るのですが、それらが『山武市』にあるということはあまり知られていないようです」(山武市在住の女性)。先出の会社員の男性も「山武市出身といっても『どこ?』と言われてしまうので、つい九十九里出身と言ってしまう」と話します。

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旧山武町にあるスーパーマーケット(2020年11月、乗りものニュース編集部撮影)。

また先出の女性は山武(さんむ)市というネーミングについても話します。

「成東は駅や役所や海、大きなスーパーも点在しており、蓮沼も有名なプールがあります。松尾も工業地域の顔があります。一方、旧山武(さんぶ)町は杉が有名ではあるものの、駅が駅員の常駐していない日向(ひゅうが)駅(JR総武本線)しかなく、大きなスーパーも1軒しかないのです。合併時『なぜ“山武”にした?山武郡から取ったのはわかるが、そもそもそんなに“山”ないじゃん』という住民の声も多かったことを覚えています」(山武市在住の女性)

この女性によると、山武市になるまでには紆余曲折があったそう。合併前は隣接する東金市や九十九里町を含めて「九十九里市」のほか、現在の4町村を集めて「つくも市(九十九の別読み)」「太平洋市」とする案もあったとのこと。「九十九里市」は東金市の反対により、「太平洋市」は「市町村が『太平洋』を名乗るな」といった批判が殺到したことなどから頓挫したそうです。

なお、山武市になる際、従前の「さんぶ」ではなく、「さんむ」へ名前を変えたのは、歴史的には「さんむ」の方が一般的で、これを反映したものとされています。

※内容を一部修正しました(11月22日12時05分)。

乗りものニュース編集部

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