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日常を非日常にする「ホームパーティー」 コロナ禍での変化は

日常を非日常にする「ホームパーティー」 コロナ禍での変化は

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/07/23
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コロナ禍のステイホームにより、人々の意識はより内に、より近い半径での楽しみを充実させることに向けられるようになった。そうした需要を取り込み、「家」という日常空間で非日常を体験するための「イエナカ需要」市場の開拓が進んでいる。

日常の中の非日常、そのわかりやすいイベントは「ホームパーティー」ではないだろうか。近年では顧客や企業同士の接点を生む新たな場づくりとして、ホームパーティーを推進する団体も存在する。最新のホームパーティー事情を紐解いて見えてくるものとは──。

一般社団法人日本ホームパーティー協会会長で、ホームパーティー研究家・ピクニック研究家として活動する高橋ひでつうが、ホームパーティー関連市場の動向について語る。

私はホームパーティー研究家やピクニック研究家として、メディアでノウハウやトレンドについてお話させて頂いたり、関連商品の開発やマーケティングのコンサルティングを行なっています。本稿では前半と後半に分けて、コロナ禍での今後のホームパーティー文化や関連市場の動向について、私のフィールドワークから得た知見をお伝えします。

まず、ホームパーティーとはなんでしょうか?

私はホームパーティーを「日常を非日常にすること」と定義しています。

いつもより腕によりをかけた料理、話題のお店で購入してきた美味しい食べ物や飲み物、素敵なテーブルスタイリングや室内装飾、ちょっとおめかしをしたパーティーファッション……そんなゴージャス路線から、いわゆる家飲みでも、お取り寄せを加えたり、夫婦二人の時間にお気に入りのワインをプラスアルファしたり、友人と缶チューハイ片手にたこ焼きパーティーでワイワイなカジュアル路線でも。普段の食卓の光景を少しだけでも非日常に変えれば、立派なホームパーティーです。

プロセスもシェアできるという魅力

ホームパーティーはセンス次第でローコストで楽しめる、衣食住全ての要素を取り入れたコンテンツとして、近年SNSの隆盛、特に「インスタ映え」の大きな追い風に乗りマーケットが成長したと思います。

インスタグラムとホームパーティーは、抜群の相性を持つコンテンツです。おしゃれなカフェやレストランにいっても、おしゃれだった、おいしかった!という投稿一枚でおしまいですが、ホームパーティーでの「いいね」のチャンスは、当日だけではありません。

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(Shutterstock)

ホームパーティーのためにこんなものを買った、料理の下拵えをした、花を選んだなど、メイキングを見せていく過程にも「いいねポイント」がとても多い。メイキングの可視化によって、おしゃれさや美味しさを生み出すノウハウはハッシュタグなどを通じて拡散していき、それらを参考にテーブルスタイリングやパーティーフードの新たなトレンドがさらに確立されていくスパイラルが生まれていました。

エリアごとの情報格差がないのも注目すべき点です。おしゃれな店が近隣にない地方でも、家で素敵なホームパーティーを開けば都会のインスタグラマーに負けません。スタイリングやフードのお手本の再現においても、非常に良い環境が近年整いました。

以前からパーティーグッズを扱っていたロフトや東急ハンズだけでなく、コストコ、IKEA、フライングタイガーなどの外資系大型店も増え、全国区のニトリやダイソーなどのプチプラショップの商品もどんどんスタイリッシュになりました。真っ白な紙皿や透明のプラスチックカップから一変、デザインにもクオリティにも目を見張ります。

いままで地方では入手しづらかったパーティーアイテムも、楽天やAmazonですぐに届きますし、ハンドメイド通販サイトやメルカリでは、テーブルの上におくメニューカードや、壁面に飾りつけるクラフトなど、パーティー向けのアイテムが沢山出品されています。

全てがホームパーティー市場を後押ししている世間の空気。私は、今後ホームパーティー文化が低迷する要素は何もないと豪語していました。そう、コロナ禍に突入するまでは、です。

コロナ禍で生まれた新たなホームパーティーの形

不特定多数との会食、会話、お酒、密閉した空間。コロナ禍においてホームパーティーはリスクが高まり、開催できなくなりました。これはやむ得ません。永遠のホームパーティー繁栄宣言をしていた私も、商品発表会イベントやメディア出演などが全てキャンセルになり、これはとんでもない状況になったな...…と青くなりました。

しかしこの機会にコロナ禍の後のホームパーティー業界の予測を徹底してやろうと、日々リサーチを行い、ホームパーティー好きの方へのディープインタビューをトータルで100人以上、1年半の間に繰り返しました。

インスタグラムではホームパーティー関連の投稿は激減しました。しかしホームパーティーは形を変えて行われています。ではそれはどんなものなのでしょうか。ディープインタビューを繰り返して見えて来たのは、家族との「ステイホームパーティー」です。

一般社団法人日本ホームパーティー協会が2020年末の緊急事態宣言下で行った調査では、回答者402名のうち、61%の方が外食よりも同居する家族だけのパーティーにお金をかけたいと回答しています。淡々と閉鎖的に過ぎていく息苦しいステイホーム中の日々のささやかな楽しみとして、家族との小さなホームパーティーをする「ステイホームパーティー」は確実に存在していると実感しました。

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(Shutterstock)

最初の緊急事態中には台所の断捨離をしている方が多く、冷凍庫の片隅にあるふるさと納税のお肉や溜め込んでいた調味料、通販でなんとなく買ったケーキ皿や一度もテーブルに載せたことのないお鍋などを活用したさまざまなスタイルの「ステイホームパーティー」の形が見受けられました。

また、自炊をする必要性からレシピサイトで料理を学ぶ方が多く見られたように、コロナ禍を機にオンライン化したホームパーティー検定取得講座の受講人数も、約3倍に増えました。

私はホームパーティーの目的とは、コミュニケーションの創出だと思っています。

最高のマグロを使って手巻き寿司パーティーをしても、銀座の老舗の職人さんの握り寿司を「味」という部分で超えるのはとても難しい。しかし「楽しい」という点において凌ぐ可能性は多いにあります。気の乗らないデートや取引先を接待しにいく高級なお寿司屋さんより、家族でわいわいとやる手巻き寿司は美味しいですよね。そこにコミュニケーションという魔法のスパイスがあるからです。

ホームパーティーにおける「美味しいね」や「お洒落だね」というポイントは、お互いの共通項を探し、会話を後押しするプロセスとなります。

ホームパーティーは、この一年半の失われたコミュニケーションを癒す場所になるはずです。いまは家に人を招き、大規模に開催するのは難しい状況ですが、家族との時間を過ごすためのイエナカ需要を取り込んだホームパーティー市場には、大きなビジネスチャンスが広がっているのではないかと考えています。後半では、具体的に注目しているサービスやマーケティング手法についてお伝えします。

高橋ひでつう◎一般社団法人日本ホームパーティー協会会長、元京都精華大学特任准教授(キャリア担当)ホームパーティー研究家、ピクニック研究家として関連商品の開発やマーケティングや「ホームパーティーやピクニックが生み出す楽しいコミュニケーション」を伝える為メディア出演多数。また監修を務めるホームパーティー検定を通して主婦のセカンドキャリアやマイクロ起業の支援を行なっている。東京下町生まれ育ち在住。熱狂的スワローズファン。

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