コロナ禍で人生見つめ直す くまもと花博最高賞の庭園造りに参加した元芸人の庭師に密着【熊本】

コロナ禍で人生見つめ直す くまもと花博最高賞の庭園造りに参加した元芸人の庭師に密着【熊本】

  • TKUテレビ熊本
  • 更新日:2022/05/13
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テレビ熊本

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コロナ禍をきっかけにお笑い芸人を辞め、「庭師」として再出発した男性がいます。『くまもと花博』の庭園出展コンテストでは、この男性が制作に参加した作品が最高賞を受賞しました。

熊本市で開催中の『くまもと花博』、ゴールデンウイーク期間中も大いに賑わいました。会場のひとつ、熊本市動植物園では約9万株の色とりどりの花を楽しむことができ、『庭園出展コンテスト』の受賞作品も展示されています。全国20社と熊本県内の農業系高校12校が出品。最高賞にあたる国土交通大臣賞を受賞したのは『森の恵』。阿蘇市にある古閑舎の作品です。阿蘇で育った植物を使い、4メートル四方に「奥阿蘇の景色」を表現しています。

【来園者】

「小さなスペースから大自然を感じます。(緑は)毎日の生活の中にほしいですね。(うちの庭にも)ギリギリ入ると思います」

(佳子さまオンラインご接見)

【古閑舎 古閑英稔社長】

「ベンチの写真を見られて1段がお子様が座れるように、2段目が大人の方が座れるようにという形で座った状態から、床がガラス張りで水の流れが見えるので、佳子さまが実際に訪れて中に入りたい。ぜひベンチに座って水の流れや空気感を味わいたいとおっしゃっていただきました」

【猫車を押して進む池田さん】

「期限が決まっていて、1週間で全部造るみたいな…バッタバタでした。」

(取材者)「国土交通大臣賞、受賞おめでとうございます」

「ありがとうございます。僕がいただいた賞だと思っています」

この庭園造りに参加した古閑舎の社員、池田陽介さん39歳。以前はお笑い芸人でした。

【古閑舎 池田陽介さん】

「知識とか技術がまだまだなので楽しんでやってるだけです、毎日。あとプラスダイエットだと思って毎日やってたら1年半で17キロ痩せたので。最初、木に登るのもめちゃくちゃ木がかわいそうだったんですよ。101キロある奴がこうやって登っていって枝も折るしみたいな。それがもう今は軽快に登れるので。この木はどういう特徴でこういう時期に花が咲いて、というのがまだ難しいですね。勉強中です」

(取材者)「とりあえずここにある木は全部言える感じですか?」

「いや、分からないです」

(取材者)「ええっ!」

「いや、分かりますよ(笑)」

高校1年生のときから、2学年上の先輩、白石将悟さんとコンビを組んで活動していました。卒業後、上京してお笑い芸人に。アルバイトをしながらステージに立ってきました。

そして、2016年にコンビを解散。白石さんは劇団を立ち上げ、池田さんはピン芸人『ぼびぼびお』として活動。しかし、おととし春、新型コロナ感染が拡大し、「不要不急の外出自粛」が叫ばれる中で仕事がなくなってしまいました。

【池田陽介さん】

「もうゼロです。元々そんな多い方じゃなかったんですけど、不安しかなかったですね。同期の芸人と電話でしゃべっている時にポロッと口に出しちゃったんです。もう辞めようかなみたいな。そしたらもうあふれ出ちゃって」

新型コロナをきっかけに、これまでの人生を見つめ、悩んだ末にお笑い芸人を辞めました。※2020年5月末引退

大勢の仲間に見送られ、20年間を過ごした東京に別れを告げました。※2020年11月上旬帰熊

おととし11月に熊本に帰り、まず、とりかかったのは実家の部屋のリフォームでした。

【池田陽介さん】

「足りない。ちょっと足りないんです。もう無理くり。自分の手で家を建てたい。建てるために僕は帰って来ました。多分、家の作り方もYouTubeに載っているんですよ」

(取材者)「本職の人が怒るよ)

友人たちに手伝ってもらい、約1カ月で完成しました。

【池田陽介さん】

「家を建てたいという願望のもと帰って来て(リフォームは)練習台です。出来るだろうと簡単に思ってたんです。出来ちゃいましたね(笑)でも、粗さは滅茶苦茶出てます。ハチが来たりしますね、隙間から。冬はめちゃくちゃ寒いですし。気に入ってます。快適です。熊本ってこんな快適だったんだなと思いますね」

住む場所を整えてから仕事を探しにハローワークへ。そこで見つけたのが古閑舎の募集でした。

【池田陽介さん】

「不思議と結婚する時、ビビビと来るみたいなノリでおっ、ここだ!と」

『古閑舎』は創業100年を超え、5代にわたって樹木生産などを行なっています。

【古閑舎 古閑英稔社長】

「履歴書の証明写真のときから、もうこの辺ぐらいの距離で写って、いろいろやる気のあるコメントを書いて、最後にでっかく『やる気しかないです』とこの子はやってくれそうだなと」

おととし12月、古閑舎に採用されました。社長も含めて周りは全員年下でしたが、芸人時代の習慣が幸いしたといいます。

【池田陽介さん】

「芸人は先に入った順じゃないですか。年下だろうがもう先輩は先輩なので、その感覚が僕の中であるのでやりやすかったですね」

【古閑舎 古閑英稔社長】

「先輩職人はみんな年下ですけど、全部敬語で物腰柔らかく、素直に聞き入れるので本当にいい人材と巡り合えた」

古閑舎の庭園『森の恵』。朽ちた大木から芽生え、宿る「新たな生命」、湧き出す水の流れは「困難を切り開いていくさま」を表現しています。そして、「希望の光」。「復興」もテーマになっています。

【古閑舎 古閑英稔社長】

「照明も本当は水中の違うところから照らしていたんですけど、彼と2人でいろいろ試行錯誤しながら、あそこの位置に決定した。最後の最後、彼と頑張ってあの位置が決定したみたいなところが本当にあるんです。うちの庭部門をしっかり引っ張ってくれて、今後はイベントとかで彼のトーク力で面白く緑を一般の方に伝えてくれたらという存在になってほしいなと思ってます」

就職して1年半、これまでできなかった親孝行をしたいと話します。

【池田陽介さん】

「今までずっとそばにいなかったので、そばにいていろいろ何か楽しいことをさせてあげたら一番いいですかね」

池田さんが働く『古閑舎』の社名には、先祖から受け継いだ「学び舎」という意味が込められています。新たな道を切り開いて歩く池田陽介さん。学びの日々が続いています。

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