『ハヤブサ消防団』池井戸潤作品としては異色の主人公? 中村倫也&川口春奈の解釈に期待

『ハヤブサ消防団』池井戸潤作品としては異色の主人公? 中村倫也&川口春奈の解釈に期待

  • Real Sound
  • 更新日:2023/05/26
No image

『ハヤブサ消防団』©テレビ朝日

7月から放送がスタートするテレビ朝日系木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』。これまで主演を中村倫也が務めることが発表されていたが、この度、物語の鍵を握るヒロインとして川口春奈が出演することが決定した。

参考:『空飛ぶタイヤ』に見る、池井戸潤実写化作品の変化 『半沢直樹』以降のアプローチを読む

物語の舞台は山間の小さな集落・“ハヤブサ地区”。中村が演じるスランプ気味の作家・三馬太郎は父の故郷であるこの地区に移住し、都会のストレスから解放され、穏やかな生活が送れることを楽しみにしていた。しかし、それもつかの間。地元の消防団に加入したのを機に太郎は連続放火騒動に巻き込まれ、さらには住民の不審死など怪事件に遭遇するようになる。真相を探りはじめた太郎の前に浮かび上がったのは、集落の奥底にうごめく巨大な陰謀だった……。

川口が演じるのは、太郎(中村倫也)と同じく、東京からハヤブサ地区に移り住んだ映像ディレクター・立木彩。美人の彩はすぐに太郎にとって気になる存在に。だが、実は彼女には集落の闇につながる衝撃の過去があった。

中村と川口の共演は『ヤンキー君とメガネちゃん』(2010年/TBS系)以来、13年振りとなる。同作では、ヤンキーくんこと品川大地(成宮寛貴)を怖がるクラスメートの松山啓介と、彼らと同じクラスで、メガネちゃんこと足立花 (仲里依紗)を慕う元ヤンキーの姫路凛風という関係性だったふたり。学園ドラマということもあり、当時はたくさんいる共演者の中のひとりという形だったようだが、今回の共演について川口は「今回がっつりお芝居させていただくのが、とても楽しみです」とコメントを寄せている。(※)

原作は池井戸潤の同名小説。池井戸作品は『半沢直樹』シリーズ(TBS系)、『下町ロケット』シリーズ(TBS系)など、ドラマでも数々のヒット作となってきた。これらの作品の主人公は、半沢直樹の名ゼリフ「やられたらやり返す! 倍返しだ!!」に象徴されるように、主に仕事に情熱を燃やす、硬派な男が多かった。しかし、今作の太郎は都会暮らしに疲れたミステリー作家。どうやら太郎はこれまでの池井戸作品では見られなかった異色の人物のようだ。

中村は『美食探偵 明智五郎』(2020年/日本テレビ系)の明智五郎役や『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(2022年/TBS系)の羽根岡佳男役にみられるように、飄々としていて、本心をなかなか見せないような役に定評がある。ちょっと弱気なところもありそうな太郎を演じるにはぴったりの俳優と言えるだろう。

一方、川口は近年、恋に仕事に奮闘する『着飾る恋には理由があって』(2021年/TBS系)の真柴くるみ役や中途失聴者となった高校時代の彼氏・想(目黒蓮)と再会し、再び心を通わせようとする『silent』(2022年/フジテレビ系)の青羽紬役などを演じてきた。彼女たちは時々、気の強さが感じられるが総じて明るく、穏やかで頑張り屋だった。今作の彩は人柄がまだ明かされていない分、謎が多い。川口はそんなミステリアスな女性をどのように演じていくのだろうか。そして“ハヤブサ地区”で起こることとその真相に彩がどのように関わっているのか。この点が物語の大きな鍵となるに違いない。

爽やかなイメージのある中村と川口が、重厚なつくりとなることの多い池井戸原作ドラマをどのように作り上げていくのか。これからの続報を含めてとても楽しみである。

■参考
※https://realsound.jp/movie/2023/05/post-1335335.html
(文=リアルサウンド編集部)

久保田ひかる

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加