単独トップ熱海富士 玉ノ井親方「上位相手に簡単に通用するとは思わない。はね返されてもいいから...」

単独トップ熱海富士 玉ノ井親方「上位相手に簡単に通用するとは思わない。はね返されてもいいから...」

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  • 更新日:2023/09/20

◇大相撲秋場所10日目 ○熱海富士(押し出し)高安(2023年9月19日 両国国技館)

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<秋場所10日目>高安(右)を押し倒しで破る熱海富士(撮影・吉田 剛)

熱海富士は完全に波に乗った感じだ。

元大関との1敗対決。当たりの強い高安に対し、ひるむことなく真っ向勝負で正面からぶつかった。

差し手争いから突っ張ってきた相手の腕を下からあてがいながら応戦。高安が我慢できずに引いたところを右のかいなを伸ばして、押し倒した。まさに圧勝だった。

高安はプレッシャーがかかると自分の相撲が取れなくなるが、この日の一番も予想通りの内容になった。相手を押せないと簡単に引いてしまう悪癖が出て墓穴を掘った。今まで何度も見てきた光景。取組後は腰を痛がるそぶりを見せたが、勝負師としては残念な姿だった。

単独トップに立った熱海富士の11日目の相手は翔猿。初の三役戦だ。ここからの終盤戦は、上位との対戦も増える。今場所は立ち合いで当たった時の前傾姿勢の形が良く、前に出る圧力もある。ただ、今までは通用した力も上位が相手になると、簡単にはいかなくなる。しかし、精神的には失うものがない熱海富士の方が有利。上位力士の方が逆にやりづらいだろう。

現時点で熱海富士の力がどこまで通用するか楽しみでもあるが、上位の壁に跳ね返されても落胆することはない。今はすべてが成長の肥やしになる。欲をかかずに一番一番に集中して取れば、見ているファンの共感も得られるはずだ。

(元大関・栃東)

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