
一昔前の海外で見られる「日本」といえば、やや怪しいものが大半を占めていました。例えば、〇〇寿司といっても寿司だけでなく日本料理全般を提供する中国人経営のレストランだったり、「ゲイシャ」「サムライ」などが付いた商品も多かったりも。
現地で「いまだに日本のイメージは芸者と侍なのか…!?」と思わされたことは一度や二度ではありません。

タイ・バンコクの「ファミリーマート」image by: i am Em / Shutterstock.com
ところが、ここ数年の海外で「本物の日本」に遭遇する機会が急増しました。日本企業の海外進出といえば、かつてやトヨタ自動車やソニー、その後にユニクロや無印良品でしたが、さらに最近多くの日本企業が海外に次々進出し、その販路を着々と広げています。
先日、タイ・バンコクのスワンナプーム空港の到着口を出てすぐにコンビニエンスストアがあり、しかも「ローソン」だったことに驚きました。その後のタイ滞在中も、「ここ、まさか日本?」と思える場面に連続で遭遇したのです。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
タイにもある「ダイソー」と以前ほど活気が見られない「メイソウ」

タイ・バンコクの「ダイソー」image by: ltdedigos / Shutterstock.com
日本で100円ショップの代表格「ダイソー」は、韓国、シンガポール、そしてタイでも着々と店舗を増やし、旅行中に見かけることが増えました。
その旅行中に足らないアイテムなどがあれば「ダイソーがある」と思えば、とても気がラクです。ただ、日本のダイソーと比べると、けっこう割高。日本からの輸送費や関税などを考えると、ちょっと高いのは致し方ありません。

タイ・バンコクにあった「メイソウ」(MINISOU)image by:シカマアキ
ダイソーがここまで進出する以前、ユニクロやダイソー、無印良品などを参考にしたかのような「メイソウ」というショップを海外でけっこう見かけました。中国発のブランドで、当初は日本を強調したPRを展開していたものの、最近は日本色ゼロ。
タイのショッピングモールで、ダイソーの斜め前にメイソウ。しかし、ダイソーには客がいて、メイソウは閑散としていました。メイソウはほかの国・地域でも、以前のような活気がなくなったように思えます。
お菓子にやや怪しい日本語が付いた商品はいまも健在だが…
タイで売られているお菓子も、以前は、日本らしさをアピールしているけれど、決して日本の会社ではないものがかなり横行していたように思います。それらの商品は現在も現地のスーパーマーケットなどで見られます。

タイのおつまみコーナー。image by:シカマアキ
例えば、おつまみ。「TARO」(太郎)「BENTO」(弁当)などの商品名が付いています。なぜこれらの乾き物に太郎や弁当なのか、日本人としては理解しがたいものがあります。日本っぽい商品名を付ければ、タイでやはり売れるのでしょうか。

タイで有名なお菓子「aki-ko(あきこ)」image by:シカマアキ
タイのお菓子で有名な「あきこ」も、長年の謎です。自分の名前と似ているだけに、ネタとして一度買ってしまったことがあります。
丸顔、おかっぱ頭、太い眉毛が、日本の女の子というイメージなのでしょうか。「超の味」というキャッチコピーからして、やや怪しい日本語です。

「aki-ko」(あきこ)の説明文。image by:シカマアキ
商品の裏には「テレビのおともに、映画を見ている時の最もよいパートナー」「午後のティータイムにこのお菓子を忘れないで」「お年寄りから若者まで栄養たっぷりのスナック」と日本語で載っています。
ちなみに、味はマンゴーの塩漬けとのことでしたが、ドリアンのようでかなり好みが分かれそうでした。

タイで売られているカルビー「かっぱえびせん」image by:シカマアキ
そんなタイのやや怪しいお菓子業界にも、「本物の日本ブランド」が続々進出中。カルビーの「かっぱえびせん」は、ワンピースとコラボレーションしています。
プリッツも、トムヤムクン味など日本で発売されている味と異なることもあるものの、商品そのもののレベルは日本発なので間違いありません。
「お~いお茶」にだんだん押されてきた怪しい日本茶
ペットボトルのドリンクなども、日本企業が次々とタイに進出しています。日本でもお馴染み、伊藤園の「お~いお茶」もあります。現地のオリジナルドリンクにチャレンジする勇気がなければ、伊藤園があると安心するでしょう。

タイの「カルピスラクト」商品。image by:シカマアキ
タイで見かけたカルピスは「カルピスラクト」というブランド。この「ラクト」が入ると、通常のカルピスと比べてあっさり味です。
なぜ日本のカルピスウォーターやカルピスソーダを、そのままタイに持ってこなかったのかずっと謎。しかし、カルピスの正規商品なのは間違いありません。

タイで売られている「気」ドリンク。image by:シカマアキ
怪しい日本語と並び、漢字も人気。「気」というスパークリングウォーター(炭酸水)も、タイでは有名です。
上に「GENKI FOREST」とあるので、なぜ元気でなく気だけだったのか、個人的に引っかかりました。

タイのスーパーマーケットで見かけたお茶コーナー。image by:シカマアキ
日本の緑茶も人気です。最近はアジアだとどの国にもあります。これは「日本紅茶」という商品で、本物っぽく見えるものの、「醸造が簡単で美味しい」「激しい純粋な緑茶」と、紅茶なのに緑茶とは、激しい・純粋・醸造というのも、商品のキャッチコピーとしては、少々おかしな日本語です。
隣りに並ぶ伊藤園の「お~いお茶」より若干安かったものの、どちらかといえば「お~いお茶」の本物感がより際立って見えました。
セブン-イレブン一強からローソンとファミマも続々進出
タイでコンビニエンスストアといえば、長らく「セブン-イレブン」一強であり、いまも多くの店舗があります。1ブロックごとにあるといっても過言ではないほど、日本以上にセブン-イレブンをよく見かけます。
そんななか、日本の「LAWSON(ローソン)」と「ファミリーマート」も進出し始めたか、バンコクでたまに見かけるようになりました。

タイ・バンコクにある「ローソン」image by: Lewis Tse / Shutterstock.com
タイ・バンコクのスワンナプーム空港にある「ローソン」は、日本でおなじみの商品をはじめ、「おでん」「焼き芋」「おにぎり」「弁当」などが所狭しと並んでいます。
特に、タイ人の女の子たちがおでんを選んで買って行っていたのを、目の前で目撃。1年中暖かいタイでもおでんが売れるのかと、新たな発見でした。日本とは微妙に違うとはいえ、本物のローソンなので買い物はしやすいです。

タイのファミリーマートのカフェは「ありがとう」ブランド。image by:シカマアキ
まだ数は多くないにしろ、「ファミリーマート」もあります。日本のファミリーマートでは「FAMIMA CAFE」というブランド名が付いていますが、タイでは「ARIGATO(ありがとう)」です。
これもタイ人にとってよく知られている日本語だから、ありがとうブランドになったのでしょうか。
ちなみに、タイの「ミスタードーナツ」でもこの「ありがとう」コーヒーでした。このフラッペで45タイバーツ(約180円)だったので、日本のフラッペが通常300円前後だと考えると、ややリーズナブルな気もしますね。
日本と微妙に違う現地商品を比較するのも旅の醍醐味
日本のある意味「本物」の商品が、海外、特に東南アジア圏で見かける機会がかなり増えました。
例えば10年ほど前を振り返ると、日本のコンビニエンスストアはまだ皆無で、当時「ヤクルト」や日清のカップヌードル、キッコーマンの醤油ぐらいしかなかった気がします。

タイ・バンコクにある「無印良品」の店舗。image by: saruntorn chotchitima / Shutterstock.com
最近、ラーメンやファーストフードなどの外食産業、コンビニエンスストア、さらに「お菓子」「お茶」などがどんどん進出し、商品棚を見てもそのシェアが確実に上がっています。
タイに旅行した際はしに利用してみて、普段利用する日本といろいろ比べて見るのも楽しくておすすめです。
image by:シカマアキ
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