「その後の僕の作品の全てのキーワードが入っている」伝説の脚本家が明かす“ウルトラ5つの誓い”誕生秘話

「その後の僕の作品の全てのキーワードが入っている」伝説の脚本家が明かす“ウルトラ5つの誓い”誕生秘話

  • 文春オンライン
  • 更新日:2021/06/11

「怪獣」ではなく「飛行機」だった?! “特撮の神様”円谷英二が死の直前まで心血を注ぎ続けた“幻”の企画とはから続く

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抜群の知名度を誇る『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』といった人気シリーズに比べ、どこか影の薄いシリーズ作『帰ってきたウルトラマン』。しかし、現実に即した舞台設定や作品性の高さはファンから評価され、名作の呼び声も高い。

本シリーズを手がけたメインライターは2020年1月に惜しまれつつもなくなった上原正三氏。彼が最終回で描いた「ウルトラ5つの誓い」は、当時の子どもたちの間で話題を呼び、後続シリーズで何度も使用された印象的な宣誓だ。

ここでは映画評論家の白石雅彦氏の著書『「帰ってきたウルトラマン」の復活』(双葉社)の一部を抜粋。「ウルトラ5つの誓い」が生まれた当時の製作背景について、撮影を担当していた鈴木清氏のインタビューを交えて紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)

◆◆◆

映画撮影スタッフから「電気紙芝居の準備かよ!」とバカにされた

『帰ってきたウルトラマン』は、第51話「ウルトラ5つの誓い」でフィナーレを迎える。脚本、監督は第1話、2話で基本となる世界を描き出した上原正三と本多猪四郎のコンビ。本多は第9話「怪獣島SOS」、上原は第38話「ウルトラの星光る時」以来の登板であった。

鈴木 『帰ってきたウルトラマン』でまず思い出すのは、監督で言えば本多さんと松林さん、天下の大東宝の監督のカメラマンをやれるなんて夢のような出来事でした。その意味で思い出すのは、東宝撮影所で『ウルトラQ』の撮影準備をしている時(64年)、撮影所のスタッフから「電気紙芝居の準備かよ!」とバカにされたんですよ。この頃になるとニューメディアのテレビの台頭に映画業界の衰退がクロスした時期でしたので、彼らとしては、憤懣やるかたない思いだったのでしょう。

それと、僕なんかは学生時代に東宝の特撮班でアルバイトをやっていたでしょう。それで真野田さん、唐沢登喜麿さん(特撮班のカメラを担当)、山本久蔵さん(『帰ってきたウルトラマン』には火薬効果で参加するがノンクレジット)、あの当時の上司達が続々と特撮で絡んでくる。そういう馴染みのメンバーでやっていたせいか、不思議なことに本編と特撮の打ち合わせは一切なかったんです。「例のごとしでよろしくね」でおしまい。合成カットでも、特撮がらみで本編のリアクションがあるところでも全然。言ってみれば戦国時代、武将同士がお互いの手の内を知りつつ、真剣勝負していたみたいな感じです。

『帰ってきたウルトラマン』の“夢をみているような”最終回

夜明けの海岸で、郷とルミ子の結婚式が行われていた。そこへ紋付き袴の男(*1)がやって来て、伊吹隊長に耳打ちする。報告を受けた伊吹達が紋付き袴を脱ぎ捨てると、その下にマットスーツを着ていた。

*1 脚本ではマット基地係官。演ずるは、本シリーズで怪獣のスーツアクターを演じていた遠矢孝信である。

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©iStock.com

郷も着物を脱ぎ捨て、ルミ子に別れを告げて出撃する。白無垢のルミ子は慌てて郷の後を追うが、その前にバット星人が出現し、不気味に笑った。

途端、ルミ子は夢から覚めた。彼女と次郎は、バット星人に誘拐され、スタジアムの一室に閉じ込められていたのだ。

同じ頃、郷もまた夢を見ていた。初代ウルトラマンとゼットンが戦う夢だ。郷が目覚めるといきなり電話が鳴った。「(誘拐された)2人に会いたければ、東亜スタジアムに来い(*2)。お前1人で来るのだ」声の主は、それだけ言って一方的に電話を切った。

*2 脚本では国立競技場。実際にロケが行われたのはかつて荒川区に存在した東京スタジアム。

言われた通りスタジアムに行くと、目の前にバット星人が現れる。ルミ子と次郎は無事だったが、客席のフェンスに縛り付けられている。すると突如スタジアムの外にゼットンが現れた。

郷はウルトラマンに変身しようとするが、なぜか出来ず、代わりに初代ウルトラマンの声が脳裏に響いた。

「焦ってはいけない郷秀樹。ゼットンは恐るべき武器を備えた怪獣だ。うかつに出ると、私同様不覚を取るぞ」

初代ウルトラマン(*3)の忠告が気になった郷は、変身しようとしない。そこでバット星人は“ウルトラ抹殺計画”を口にする。それは、ゾフィー(脚本での表記はゾフィ)、初代ウルトラマン、ウルトラセブン、つまり裏切り者のウルトラ兄弟(*4)を皆殺しにする計画で、そして今、M78星雲のウルトラ星に(*5)、バット星連合部隊が向かっているのだ。

*3 声は近藤久ではなかった。近藤は声優ではなく、東宝の編集マンで『ウルトラマン』を担当していた。抑揚のない、たどたどしい台詞回しが、かえって異星人の雰囲気を醸し出していた。
*4 ウルトラ兄弟という名称が、番組で初めて使われた。
*5 ウルトラ星という名称も、初めて使われた。

郷は2人の救出を諦め、MAT(編集部注:怪獣と戦う防衛チーム)本部に向かうが、またしてもゼットンが出現した。直ちに出撃するMAT。しかし南と上野が乗るマットジャイロはゼットンの光線で大破、2人は脱出する。郷のマットアローも光線のため、燃料タンクに穴が空いてしまい不時着する。

物語のラストシーンでは十字架の上に郷のヘルメットが…

その頃、バット星人はMAT基地に侵入、心臓部の原子炉を破壊してしまった。そしてルミ子と次郎を夕方5時に東亜スタジアムで処刑すると宣言する。

基地は武器弾薬庫が浸水、一切の武器弾薬は使用不能、エアポートも破壊され、アローもジャイロも発進不能だった。MATに残された武器は、不時着した郷のアローだけだったが、燃料が不足して10分くらいしか飛べない。しかし郷は、10分でもいいから出撃するという。

「隊長。行かせて下さい。ゼットンを倒さぬ限り、地球の平和、いや、全宇宙の平和もないでしょう。この戦いが奴を倒す最後のチャンスなんです」

郷の決死の覚悟を読み取った伊吹は、出撃を許可する。郷は隊員1人1人に握手し、アローに乗り込んだ。その姿を見た上野が思わず呟く。

「あいつ……、まるで死にに行くみたいだな……」

MATとゼットン、最後の戦いが始まった。郷は空からゼットンを攻撃、伊吹以下隊員達は、東亜スタジアムに乗り込んで、バット星人の手からルミ子と次郎を救出する。

伊吹はマットシュートをバット星人に弾かれると、すかさずブローニングを抜いて反撃、弾が尽きるやブーツに仕込んでおいたナイフを敵に投げつけた(*6)。

*6 この辺は、戦いのプロという感じがよく出ていた。脚本に具体的な描写はなく、現場で工夫されたアクションである。

ナイフは見事命中、バット星人はスタジアムから落下したが死ぬことはなく、逆に巨大化してしまった。

郷はアローでゼットンに体当たりしてウルトラマンに変身、巨大化したバット星人とゼットンに戦いを挑む。そしてウルトラクロスでバット星人を、ウルトラハリケーンでゼットンを倒した。

夕陽の海岸に十字架が立てられている。その上には郷のヘルメットが乗せられている。

伊吹隊長(以下MAT)は郷を弔うと、基地を再建するために海岸を後にする。だがルミ子は、郷が帰って来るような気がする、と言い、次郎とともに海岸に残った。

全編夢を見ているような、不思議なテイストに満ちた最終回である。そんな印象を抱くのは、劇中夢のシーンが二度出てくることと、冒頭、祝言のシーンの場所が脚本とは違っているせいだろう。

脚本で祝言の場は座敷であり、“そこへ長い廊下をすり足でやって来る紋付袴の男(マット基地係官)”や“ルミ子、郷を追って廊下を急ぐ。長い廊下のつき当たりに障子があるルミ子、障子を開ける。ルミ子、アッとなる。バット星人が立っているのだ”といったト書きは不条理劇を思わせる。いや、それよりむしろ鈴木清順映画のワンシーンのようだ。

映像から窺える清順美学の影響

その独特な映像センスは“清順美学”と呼ばれ、今や世界中にファンがいる鈴木清順だが、72年当時は日活解雇問題が尾を引いて、映画を撮れないでいる時期だった(*7)。

*7 67年6月15日公開の奇妙な殺し屋映画『殺しの烙印』(脚本・具流八郎)が、日活社長、堀久作の逆鱗に触れ、68年、日活を首になっていた。

日活を解雇されたのは68年だが、77年、『悲愁物語』(*8)で映画界に復帰するまで、テレビで『愛妻くんこんばんは』第33話「ある決闘」、『黒部の太陽』第5話「男の中には鳥がいる」(*9)、そして円谷プロで『恐怖劇場アンバランス』第1話「木乃伊の恋」を撮っている。

*8 原作・梶原一騎、脚本・大和屋竺、77年5月21日公開、三協映画、松竹。
*9 『愛妻くんこんばんは』67年10月1日~68年9月29日。「ある決闘」68年6月16日放送。『黒部の太陽』69年8月3日~ 10月12日、NTV。ただし「男の中には鳥がいる」は未放映。

実相寺昭雄が円谷プロのスタッフに与えた影響は多くの研究家、ファンの指摘するところだが、実は清順の影響も見逃せない。『帰ってきたウルトラマン』でも、第38話「ウルトラの星 光る時」で、特殊技術の大木淳は、ブラックキングとナックル星人が倒されるカットで、清順ばりの真っ赤なホリゾントを使用した。また大木が本編も手がけた『ファイヤーマン』第12話「地球はロボットの墓場」(*10)では、登場人物のバックに真っ赤なバラの画をリアプロジェクションで映し込み、清順への傾倒ぶりを明らかにしている。

*10 『ファイヤーマン』73年1月7日~7月31日、NTV。「地球はロボットの墓場」脚本・岸田森。

影響が見られるのは大木淳だけではない。『ウルトラマンA』第3話「燃えろ! 超獣地獄」(*11)では、空を割って登場するバキシムのバックが真っ赤、当時のスタッフによると、これも清順の影響だという。また、『ミラーマン』第17話「罠におちたミラーマン」(*12)で監督デビューした志村広もセット美術に清順の影響が認められる。なお志村は、「木乃伊の恋」のチーフ助監督であった。

*11 脚本・田口成光、監督・山際永三、特殊技術・佐川和夫。
*12 脚本・山浦弘靖、特殊技術・矢島信男。

上原もまた、清順と関わりがある。上原は映像化、未映像化含めて4本の脚本を『恐怖劇場アンバランス』に残しているが(*13)、最初に執筆したのは鈴木清順向けの「朱色の子守唄」だった。上原メモによると執筆は、69年8月20日から23日にかけて行われ、清順との打ち合わせは同月12日、14日に、そして25日に第1稿打ち合わせが行われているが、それ以上は進展せず、手書き原稿のみが残された。作者自身、メモには“さんざんの駄作”と書き残している。

上原 犬神憑きと公害を絡めた話で、清順さんとは打ち合わせもしたよ。確かに出来は悪かったかも知れない。でも清順さんには手下の脚本家がいたからね。手書きで終わったのは、それも一因があるんだよ。

*13 「朱色の子守唄」「月下美人狂い咲き」「恐ろしき手毬歌」(予定監督・真船禎)サラリーマンの勲章」(第10話、原作・樹下太郎、監督・満田)。

一貫して付きまとう“死”のイメージ

話を「ウルトラ5つの誓い」に戻す。実際の映像で祝言のシーンは、夜明けの海岸となっている。狙いなのか予算の都合なのかは判断出来ないが、結果的に、ラストでの夕暮れ間近の郷の弔いと対になっている。海岸での祝言のシーンは、シュールで非現実感を漂わせ、ラストの海岸と対になることによって、あるいは本エピソードは全てルミ子の夢ではなかったのかという印象さえ受ける。

もう一つ、祝言のシーンで、和服姿の丘隊員はカールした髪を結い上げているが、その笑顔はアキそっくりである。これが狙いだとすれば、死者である元恋人が、今の恋人(それはルミ子の願望だが)を祝福していることになり、生と死を飛び越えた世界に主人公達は存在していることになる。

次いで登場する郷の夢は、ウルトラマンの死である。本作には“死”のイメージがつきまとっており、事実、ラストは人間郷秀樹の死で終わる。

海岸に残ったルミ子と次郎の前に、何の前触れもなく私服の郷が現れ、唐突な別れを告げる。

「平和な故郷を、戦争に巻き込もうとしている奴らがいる……。だから手助けに行くんだ」

郷は次郎をルミ子に託し、2人の前でウルトラマンに変身、大空の彼方に消えていった。

海岸を走って“郷”の名を呼び、その姿を追う次郎は、涙ながらにウルトラ5つの誓いを叫ぶのだった。

〈 ひとつ、腹ペコのまま学校へ行かぬこと

ひとつ、天気のいい日に布団を干すこと

ひとつ、道を歩く時には車に気を付けること

ひとつ、他人の力を頼りにしないこと

ひとつ、土の上を裸足で走り回って遊ぶこと

N 「こうして、ウルトラマンは去っていった。しかし、太陽のように強くたくましかった郷秀樹の姿と心は、この少年と少女の心の中で、いつまでも燃え続けることであろう。さようなら、郷秀樹。さようなら、ウルトラマン」(エンディング・ナレーション)〉

第4クールに入ると、郷の視点は、人間郷秀樹ではなく、ウルトラマンのものとなってくる。「宇宙戦士 その名はMAT」でも、ミステラー星人Aに、自分は“ウルトラマン”だと言っている。本編では台詞が変更となったが、東亜スタジアムで変身が出来なかった後、初代ウルトラマンが郷に語りかける時、完成作品では“郷秀樹”と呼ぶが、脚本では“ウルトラマン”となっている。これはウルトラマンがウルトラマンに語りかけるという、ちょっとわかりづらい図式となっているがゆえの変更だろう。だが上原の意図としては、郷秀樹は完全にウルトラマンなのだ。

上原は『帰ってきたウルトラマン』を書くに当たって、“人間の成長物語がコンセプトでホンを立ち上げて、主人公が成長していく物語という観点で書いていった”と証言している。しかし上原の中でその物語は、坂田とアキの死をもって終止符を打ったのであろう。

もっとも次郎にとって郷秀樹は、たとえウルトラマンになってもあくまでも郷秀樹なのだ。だからこそウルトラマンに変身した後も、郷の名を呼ぶし、エンディング・ナレーションは、人間郷秀樹とウルトラマンを区別している。

上原作品らしい力強さが感じられない理由

それにしても「ウルトラ5つの誓い」には、最終回としての体裁は整っているものの、上原作品らしい力強さが感じられない。その原因として上原は、以下のように証言している。

上原 「怪獣使いと少年」で、草鞋履かされて旅に出たんだけど(干されたという意味)、橋本さんから「メインライターの責任上、最終回だけは書け」って言われて書いたんだけどね、あれが局内で問題になって、色々ゴチャゴチャあって、その頃から、僕の中でウルトラマンはもう……というのはあったね。

橋本さんは、この後も『ウルトラマンA』『ウルトラマンタロウ』ってずっとやっていくでしょう。ところが僕の中には、草鞋を履かされたというのがトラウマのようになっているから、『ウルトラマンA』になってくるとよくわからなかった。だから『ウルトラマンA』で僕の作品は、ひじょうに曖昧模糊としたものばかりですよ。

具体的に言うと、『ウルトラマンA』は、市川森一がメインライターで、男女が合体して変身するんだけど、そこから僕の中のウルトラマンは混乱を始めるんだよ。合体はセレモニーとして考えればいいんだけれども、変身した後のウルトラマンは、両性なのかどうなのか? とかね。だから筆が鈍ったんだね。

本作は最終回としての役割と、次回作『ウルトラA』(*14)への橋渡しの役割も有している。『帰ってきたウルトラマン』には初代ウルトラマン、ウルトラセブンがゲスト出演していたが、最終回においてゾフィーを含めた彼らは“ウルトラ兄弟”と明言されたのだ。

*14 各メディアにもこのタイトルで発表されていたが商標の問題で『ウルトラマンA』に変更された。

上原 この頃から、小学館がやたらに張り切ってきて、『ウルトラマンA』や『ウルトラマンタロウ』じゃ、ウルトラの父やら母やら出てきて、ウルトラのあれにはこういう兄弟がいるみたいなことをやられるとね。商業ベースに乗せられるんだったらもういいや、というのもあったね。だから『ウルトラマンタロウ』、僕は1本しか書いていないでしょう(*15)。

*15 第4話「大海亀怪獣 東京を襲う!」と第5話「親星子星一番星」(ともに監督・吉野安雄、特殊技術・鈴木清)だが、前後編なので1本扱いという意味。

そうじゃなくて、僕は金城哲夫がやったウルトラマンに戻るべきだと思っていたんだけど、それは僕ら脚本家が発言する問題じゃないからね。それでも『ウルトラマンレオ』まで続いたから、それはそれで正解だったんだろうね。

そんな感じで、ウルトラマンにはあまり情熱を感じなくなってきた時、うまい具合に東映さんとか、フジテレビの別所(孝治)さんから声が掛かったんだね。それで『ロボット刑事』(*16)に行ったんだよ。何がよかったかというと、『ロボット刑事』という枠の中だったら、好きなものが書けたんですよ。“あなたが書きたいものを書いて下さい”とね。だから沖縄ロケやりたいな、と言うと“書いてみて下さい”みたいな感じだったね(*17)。

*16 73年4月5日~9月27日、フジ。
*17 第19話「沖縄の海に謎を追え!!」、第20話「水爆飛行船 東京へ!」。監督はともに折田至。

ウルトラマン作品の原点

“ウルトラ5つの誓い”とは次郎への別れの言葉である。ウルトラと銘打っているものの、それは超人が子供達に向けた言葉ではなく、郷秀樹が次郎に向けたものだ。そしてその原点は、上原の初期作品にあった。

上原 沖縄が舞台の『無風地帯』を読み返してみるとね、その後の僕の作品の全てのキーワードが入っているんだよ。“お前は1人で生きろ”と、親父に言われるとかね。それがそのまま“ウルトラ5つの誓い”になっていくんだね。

僕の中には、自分1人で生きるというのがカセとしてあったんだね。そうじゃなかったら、今日まで生きていなかった気がする。

初代ウルトラマンは、地球の未来を人間達に託し故郷に帰って行った。日本がポジティブなエネルギーに満ちていた時代、それを具現化したようなヒーローが初代ウルトラマンだとしたら、高度経済成長期後期、ネガティブなエネルギーに支配され始めた頃のヒーローが『帰ってきたウルトラマン』のウルトラマンだったのだ。その意味で、「ウルトラ5つの誓い」は、金城哲夫が執筆した「さらばウルトラマン」のネガ像であると言える。

こうしてウルトラマンは、再びM78星雲ウルトラの星に帰って行った。そして本作のメインライターを務めた上原正三は、以降主戦場を円谷プロ以外の作品に移し、70年代、80年代のヒーロー番組に偉大な足跡を残していくのである。

©円谷プロ

【前編を読む】「怪獣」ではなく「飛行機」だった?! “特撮の神様”円谷英二が死の直前まで心血を注ぎ続けた“幻”の企画とは

(白石 雅彦)

白石 雅彦

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